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【たっぷり開発者インタビュー】年間リリース200本オーバー! カジュアルゲームを量産するグッディアにその秘密を聞いてみた

 ゲームアプリが作られるのにどれくらいの時間が必要か、ご存じですか? もちろんゲームの内容によって制作時間は異なるでしょうが、世の中には毎日のようにゲームアプリをハイペースでリリースするメーカーもあります。

 今回のインタビューの対象は、そんなメーカーのひとつであるグッディア。TAPPLIでは10月に15本もの新作を紹介しましたが、どれもしっかりと“遊べる”ものに仕上がっています。はたしてゲームアプリを量産するために、どのような体制を取っているのか、そしてその秘訣は――同社の代表取締役・深野真人氏に話を伺いました。

◆設立3年半で東京、名古屋、そしてベトナムにまで広がったグッディア

――まず御社の成り立ちを教えてください。

深野 元々僕ともうひとりのパートナーで、iPhoneが出てすぐくらいに趣味でツール系のアプリを作っていたんです。そのころはサラリーマンだったので、年に1本出すかどうかくらいでした。ただ「それを仕事にしたいな」と思って、2011年4月に会社を立ち上げました。当時は特にヒット作などもなかったんですけどね。

――今回は渋谷の事務所で話を伺っていますが、本社は名古屋なんですね。

深野 自分の出身地で、元々はそちらで作業をしていましたのですが、今年の9月末に東京にも事務所を作りました。

――その理由は?

深野 名古屋のような地方だと同じ業界の人とつながる場所がないんです。地方でもデザイナーやエンジニアは集められるのですが、マーケッターや広告といった部分の人材はどうしても少ない。そうなると東京に来なきゃ難しいな、と考えました。そもそも名古屋にいながら、名古屋の会社と取り引きが一切なかったですからね(笑)。ほかの地方のゲーム制作者もそうですが、結局は東京に出てくるという流れはあると思います。

――社員数はどれくらいでしょうか。

深野 管理やマーケティングを行なう東京の事務所に8人、ゲーム制作をする名古屋に30人くらい、ベトナムにも同じく制作で10人くらい。トータルで50人くらいです。

――ベトナムにもあるんですね。

深野 ほぼ毎月ベトナムには行っています。ゲームの企画を現場に落として、上がりは日本でチェックしてSkypeなどで連絡を取り合って、次の月にまた行って……ということの繰り返しです。名古屋のほうも同様です。

――今回、話を伺おうと思った理由は御社の早いリリースペースにあります。開発は外にも出しているのでしょうか。

深野 いえ、ほぼすべて社内で作っています。

――それは驚きですね。配信アプリの累計本数はどれくらいでしょうか。

深野 正確にはわからないですが、350本くらいでしょうか。ただ、パートナーとふたりで作っていた1年目は4、5本とかでした。今からは考えられないですね(笑)。と言っても、去年の今ごろ(11月上旬)も社員数は10人もいませんでした。

――では2014年に社員数は一気に増えたんですね。

深野 カジュアルゲームを大量に作るという方針に転換する際に、人出が足りないからデザイナーやエンジニアを増やしました。でも人を増やしたぶん、楽にはなりましたね。前はひとりで月に4本作っていたので、さすがにキツかったです(笑)

◆ゲームアプリ量産のための秘訣は……わりと普通だった!?

――ゲームはどのような流れで作っているのでしょうか。

深野 いたって普通ですよ。たとえばカジュアルゲームの場合、まず自分やあと何人かで企画を考えて、それを名古屋やベトナムに割り振る。それぞれにディレクターみたいなポジションの人間が何人かいるので、彼らに詳細を詰めてもらいます。次にデザイナーの手に渡るのですが、弊社の場合はひとつのゲームごとにチームがあるのではなく、タスクの空き具合を見て、空いている人間に振るのが特徴かもしれません。ひとり1本、というわけでもなく、ゲームの一部だけ担当ということも多いですね。そして出来上がったデザインがエンジニアの手に渡って、ゲームを仕上げるという流れです。デザイナーと違って、エンジニアはひとりが1本担当します。

――エンジニアは何人くらいいますか。

深野 20人弱ですね。

――つまりエンジニアは月にひとり1本程度を作っていると。

深野 そうですね。ただ、カジュアルゲーム以外に中規模のゲームも作っているので、それはひとりではなくふたりで作ることもあります。そのため、月に2本作る人もいます。

――かなりのハイペースに思えますが……。

深野 逆に言うと月に1本程度は作れる企画にしていますね。大体1本作るのに10日くらいの作業でしょうか。ただ作るだけなら簡単ですが、それをゲームとしてFIXさせるのが大変なんですけどね。

――BGMやSEといった音楽はどうされていますか?

深野 そこだけは外部のふたりにお願いしています。

――カジュアルゲームだから必要な音が少ないとは言え、ふたりとは驚きです。

深野 すごいですよね(笑)。僕らは「似たゲームだから同じBGMでいいよね」と思うこともあるのですが、彼らはそれが嫌らしくって(笑)。そのこだわりがクオリティの担保にもなるからいいんですけど……普段はコンシューマ系の音楽を作っている人達なのですが、これだけ量産するのも大変だろうと思いますよ。

――デバッグや調整はどうされていますか?

深野 デバッグは基本的に社内のみんなでしていますが、バランスは僕が必ずチェックします。実はそれほど昔からゲームが好きというわけではないのですが、だからこそ普通の人の感覚でプレイできる、バランスが取れると思っています。意外とそういう人ってソーシャルゲーム界隈には多くて、むしろ「わざとゲームはプレイしない」という人も言う人もいるくらいですから。特に弊社のゲームはカジュアルゲームなので、普通の人の感覚は大事にしています。

――これだけゲームを量産するために工夫していることは?

深野 iOSとAndroidをいっぺんに作れるライブラリを使っていたり、あとゲーム部分は別として、その他の部分はテンプレート化してそれにゲームをはめ込むだけ、という風にしています。

――タイトル画面の広告周りやランキングなどですね。

深野 そうです。広告のフォーマットとかもそうですね。これらのフォーマット化で、個別のゲーム部分を作りこむことだけに注力できます。

――これだけの企画を出すのも大変そうです。

深野 カジュアルゲームなので、できるだけ奇をてらわず、決して大ヒットを狙わない企画が多いですが、いつも産みの苦しみを味わっていますね(笑)。「受け入れられやすくて、程々面白いゲームになればいいな」と気負わないよう、小粒な企画をどんどん作るようにしています。

――量産することの強みを教えてください。

深野 卵が先かにわとりが先か、という話ではありますが、単純に数が多いと、戦略的にランキング上位に上げやすいですね。逆にランキング上位になるゲームがあれば、ほかのゲームに誘導しやすいですし。

――ほかのゲームへの誘導はどのようにしていますか。

深野 弊社のゲームの場合は、アプリ起動時のアラートとタイトル画面の上部、あとエンディング画面で広告を出しています。それをどのソフトでも徹底して、プレイヤーの記憶にしっかりと自社のゲームを中心に植え付けています。

◆2015年、目指すは1年で365本!

――これまで作ってきた中で一番のヒットは?

深野 
ダウンロード数で言うと『レジの達人』、ユーザーに遊んでもらったという意味では『鬼蹴り』や『鬼とび』あたりでしょうか。どちらも入りがよかったな、と思います。


『レジの達人』
ダウンロードはこちらから→(iOS版)/(Android版


『鬼蹴り』
ダウンロードはこちらから→(iOS版)/(Android版


『鬼とび』
ダウンロードはこちらから→(iOS版)/(Android版

――入り、というと?

深野 iOSでもAndroidでもストアのランキングにはアイコンとタイトルが並ぶだけですよね。そこの見栄えというか、プレイしてもらいやすさにはすごく気をつけています。ランキングを店と考えると、店先に商品が並んでいて、アイコンは商品のパッケージ、タイトルは売り文句ですから。

――これまで作られた作品で、とくに気に入っているものは?

深野 
先日続編をリリースした『魔王があと5日で世界征服するってよ』は、グッディアであまりやっていなかったジャンルなので、自分でプレイしていても面白かったです。

※続編『魔王があと5日で世界征服するってよ -魔王復活-』のレビューはこちら。
【新作レビュー】アナタの120時間の行動が魔王討伐の鍵を握る! 8ビットテイスト漂うタイムリミットRPG待望の続編『魔王があと5日で世界征服するってよ -魔王復活-』登場!!
http://otakuindustry.biz/archives/117


『魔王があと5日で世界征服するってよ』
ダウンロードはこちらから→(iOS版)/(Android版

――今年、他社のゲームで面白かったものは?

深野 
カジュアルゲームは、とりあえずほとんどプレイしているので、1本というと難しいですね……でも5月くらいにリリースされた『ダイス&モンスターズ』は好きですね。かなりシンプルな見た目ながら、ダンジョンを進んで敵を倒すというソーシャルゲームの要素が遊べるんです。バトルはダイスの出目によって攻撃が選べて、6が出れば6以下の攻撃ができるという。めちゃくちゃ奥深いゲームで好きですね。

――今後について伺います。少し気が早いですが、2015年の目標を教えてください。

深野 
カジュアルゲームは続けつつ、中規模なゲームやそれ以上の規模のもの、もっと言うとゲーム以外のアプリにもチャレンジしたいです。元々ゲーム会社ではないので、ずっとゲームだけしているのも違和感がありますし。ツール系であったり、あとはカジュアルゲームっぽいノリで楽しめるエンタメ・コンテンツであったりと、少し考えています。

――アプリのリリース自体はこれくらいのペースで続けるのでしょうか?

深野 
そうですね。できれば1日1本、休日込みで1年365本のリリースを目指します(笑)

――最後に何かありましたら……。

深野 
メンバーを大募集しています。特に女性で企画をやりたい人。興味のある人はぜひ会社の公式サイトをチェックしてください!

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