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東宝、映画館の休館や舞台公演の中止で利益8割減 営業利益28億円 2021年2月期第1四半期決算

東宝キャッチ

新型コロナウイルス感染症の影響による映画の公開延期や公演中止などで、映画事業と演劇事業の利益が大きく減少。

東宝株式会社(以下、東宝)は、2021年2月期第1四半期決算短信(連結)を7月14日(火)に発表した。営業収入は330億1200万円(前年同期比51.3%減)、営業利益は28億300万円(同82.5%減)、経常利益は28億9100万円(同82.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億1800万円(同98.0%減)となった。

経営成績に関する説明

東宝グループにおいては、新型コロナウイルスの影響で映画の配給作品の公開延期や、演劇公演の中止があったほか、感染拡大の状況、政府及び自治体からの各種要請などを踏まえて、3月以降一部の劇場や商業施設の臨時休業、営業時間の短縮を行なった。また、4月に発出された政府による緊急事態宣言の対象が全国に拡大されてから、全国の劇場及び商業施設の営業を休止した。

これにともない、劇場や商業施設などの臨時休業期間中の人件費、借家料、減価償却費など、緊急事態宣言発出以後、解除されるまでの期間に中止を決定した演劇公演にかかわるる製作費用等を臨時休業による損失として特別損失に計上した。

セグメント毎の業績は以下。

映画事業
映画営業事業では、東宝株式会社において共同製作を行った「貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-」「弥生、三月 -君を愛した30年-」を公開したが、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」「名探偵コナン 緋色の弾丸」などの定番アニメーション作品のほか、公開を予定していた作品が相次いで公開延期となった。

東宝東和株式会社などにおいても、映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」などの作品を公開延期としている。

上記の結果、映画営業事業の営業収入は35億7700万円(前年同期比75.7%減)、営業利益は8600万円(同98.0%減)となった。

映画興行事業では、TOHOシネマズ株式会社などにおいて、一部新作の上映があったが、邦洋画の配給各社が3月以降新作の公開を相次いで延期したため、2月以前公開作品の続映や旧作を上映するなどの対応を余儀なくされた。

また、政府からの緊急事態宣言を受けて、4月中旬から5月中旬にかけて全劇場で休館していたことなどもあり、当第1四半期連結累計期間における映画館入場者数は、197万人と前年同期比で84.3%の大幅な減少となった。

上記の結果、映画興行事業の営業収入は35億2500万円(前年同期比84.3%減)、営業損失は17億2200万円(前年同期は営業利益43億2400万円)となった。

映像事業では、東宝株式会社のパッケージ事業において、DVD及びBlu-rayで「天気の子」「劇場版おっさんずラブ」「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」などを提供したことで、前年同期比で大幅な増収となり、厳しい状況下にあって業績を下支えした。

出版・商品事業は、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて新作の公開が延期されたことや、劇場が全国的に臨時休業したこと等が影響し、大幅な減収となった。

アニメ製作事業では、TVアニメ「BNA ビー・エヌ・エー」などに製作出資した。

アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「僕のヒーローアカデミア」や「東宝怪獣キャラクター」などの商品化権収入に加え、製作出資した作品の各種配分金収入があった。

ODS事業では「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」などを提供したが、「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」「映像研には手を出すな!」などの公開予定作品が公開延期となった。

株式会社東宝映像美術及び東宝舞台株式会社では、映画やTV・CMなどでの舞台製作・美術製作、テーマパークにおける展示物の製作業務や大規模改修工事等に関して、開催の中止や延期、見直しが相次いだため、減収となった。

上記の結果、映像事業の営業収入は77億万円(前年同期比7.8%増)、営業利益は10億9200万円(同24.4%減)となった。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入は148億300万円(前年同期比66.7%減)、営業損失は5億4400万円(前年同期は営業利益101億5300万円)となった。

演劇事業
演劇事業では、東宝株式会社において、新型コロナウイルス感染症拡大にかかわる行政の方針や要請などを受け、2020年2月末から順次公演の中止を決定し、払戻しの対応などを行なった。政府により緊急事態宣言が発出された4月以降には、公演のための十分な準備期間を確保できないことや、全国ツアー公演においては都市間の移動をともなうことなどを踏まえ、2020年7月までに東京で初日を迎える予定だった公演、全国ツアー公演を中止することを決定した。

東宝芸能株式会社では、映像作品の撮影中止や延期、舞台やコンサートの公演中止等の影響を受け減収となった。

以上の結果、演劇事業の営業収入は6億7400万円(前年同期比84.6%減)、営業損失は7億1000万円(前年同期は営業利益12億2100万円)となった。

不動産事業
不動産賃貸事業では、コロナ禍の厳しい状況下にあるが、企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率については0.1%台で推移した。しかしながら、政府や自治体からの要請等を踏まえ、感染拡大防止に努めるとの観点から商業施設の営業時間短縮や臨時休館を実施したことにともなう賃料の免除や、保有する物件の入居テナントに対しても賃料減額の措置を講じたことなどもあり、前年同四半期比で減収となった。

東宝株式会社の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業において、映画・TV・CMともに制作の延期や中止の影響を受け減収となった。

上記の結果、不動産賃貸事業の営業収入は69億6400万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は33億1500万円(同7.3%減)となった。

道路事業では、防災・減災対策や老朽化するインフラ整備をはじめとする公共投資が底堅く推移するなか、スバル興業株式会社と同社の連結子会社が、新型コロナウイルス感染防止策を講じながら安全管理の徹底をはかり、技術提案などを通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注につとめた。

上記の結果、道路事業の営業収入は76億600万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は16億4900万円(同0.6%増)となった。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理株式会社及び東宝ファシリティーズ株式会社において、ホテルや劇場等、商業施設の臨時休業を受けて、清掃業務等の受注が減少したことで、前年同期比で減収となった。また、受注回復後の人手確保のため、出勤調整による待機者へ支払う休業手当等の負担が利益を圧迫したことなどから、大幅な減益となった。

上記の結果、営業収入は25億600万円(前年同期比8.6%減)、営業利益は8100万円(同69.6%減)となった。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は170億7600万円(前年同期比3.8%減)、営業利益は50億4600万円(同8.0%減)となった。

その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業では、東宝共榮企業株式会社の「東宝調布スポーツパーク」、TOHOリテール株式会社の飲食店舗・劇場売店などにおいて政府や自治体からの要請等を踏まえ、臨時休業となった。

以上の結果、その他事業の営業収入は4億5700万円(前年同期比62.4%減)、営業損失は7900万円(前年同期は営業利益6200万円)となった。

関連サイト

東宝株式会社公式サイト
2021年2月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年2月期第1四半期決算説明資料

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