ゲーム業界以外で展開するエンタープライズ事業でも第二創業期以降初の通期黒字化を実現したことで、利益面が大きく成長。
株式会社デジタルハーツホールディングスは、2021年3月期決算短信(連結)を5月11日(火)に発表した。当連結会計年度は、売上高は226億6957万円(前期比7.2%増)、営業利益は19億869万円(同36.9%増)、経常利益は19億7539万円(同43.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億7449万円(同23.0%増)となった。
経営成績に関する説明
エンターテインメント事業
デバッグサービスにおいては、上期を中心に新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けたが、下期以降は、2020年11月に発売された新型ハード「PlayStation5」を対象とした新規タイトルなど、コンソールゲーム向けを中心にデバッグ需要が回復した。
増加する翻訳やローカライズの需要獲得のため、海外子会社の体制強化や国内外のグループ連携の推進にもつとめてきた。さらに、テストセンターであるLab.の統廃合や、経費削減などにより、収益性のさらなる向上をはかったそうだ。しかしながら、アミューズメント機器の厳しい市場環境の影響などを受けたことで、当期のデバッグサービスの売上高は、130億5836万円(前期比5.5%減)だった。
クリエイティブサービスに関しては、営業力や提案力の向上につとめつつ、コンソールゲーム向けの新規大型ゲーム開発案件を獲得したという。また、各プロジェクトの採算管理を徹底することで、大幅な収益改善を実現した。その結果、売上高は14億4967万円(前期比18.2%増)と成長したそうだ。
メディア及びその他サービスでは、日本最大級の総合ゲーム情報サイト「4Gamer.net」などの運営やカスタマーサポートサービスなどを提供しており、当期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国内イベント関連の案件受注が減少した。その一方で、「4Gamer.net」への広告掲載は下期以降、前年を上回る水準まで需要が回復し、カスタマーサポートサービスにおいても順調に案件を獲得した。その結果、メディア及びその他サービスの売上高は、11億3992万円(前期比6.9%増)となった。
上記の結果、エンターテインメント事業の売上高は156億4796万円(前期比2.9%減)、セグメント利益は30億7710万円(同3.8%増)だった。
エンタープライズ事業
システムテストサービスでは、主にエンタープライズシステムの不具合を検出するサービスを提供している。当期は「第二創業期」以降実施してきた先行投資の効果が発現し、行政関連システムや企業の基幹業務システムなど、専門性の高い案件の獲得が進み、取引規模の拡大と収益性の大幅な改善が実現できたそうだ。また、グループ連携やテスト自動化ツール企業とのアライアンスの推進、SAPのサービスパートナー認定取得、新設したCTO室を中心とするグループの技術力向上、人材強化にも取り組んだという。その結果、システムテストサービスの売上高は、35億8187万円(前期比48.4%増)と大幅な増収を達成した。
ITサービス・セキュリティサービスでは、システムの受託開発やITサポート、セキュリティなどを提供しており、当期は、システムの受託開発、保守・運用、セキュリティサービスすべてにおいて増収を達成したそうだ。特に、セキュリティサービスにおいては、検査、監視、運用、緊急対応支援と、網羅的にサービスを提供できる体制が構築できたことに加え、100人超のセキュリティ人材を社内で育成するなど、受注体制を強化したことから、業種や規模を問わず様々な企業や公官庁などの新規顧客開拓がすすんだという。その結果、ITサービス・セキュリティサービスの売上高は、34億3973万円(前期比31.9%増)と大幅に前期を上回る結果になった。
上記の結果、エンタープライズ事業の売上高は70億2161万円(前期比39.8%増)、セグメント利益は1億8845万円(前期はセグメント損失6711万円)と、第二創業期以降初の通期黒字化を実現した。
関連サイト
株式会社デジタルハーツホールディングス公式サイト
2021年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期決算説明資料