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メディア工房、平成29年8月期決算を発表。営業損失は3100万円。

メディア工房

「OBOKAID’EM」の売上不調が続いたことが影響で、同ブランドから撤退。来期は占いコンテンツを中心とするメディア事業に注力。

株式会社メディア工房は、平成29年8月期決算を10月13日(金)に発表。当期売上高は22億5100万円(同年前期比16%増)、営業損失は3100万円、経常損失は4500万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1億1000万円となった。

当期の経営成績の概況

全社横断的な体制を構築することで占いコンテンツの製作体制及び収益構造を再構築するほか、ゲームセカンダリー案件の獲得に向けた営業強化、AI(人工知能)やVRなどの最先端技術を活用する事業への先行投資など、積極的な事業活動を行ってきた。特にVR分野に関しては、海外の技術会社との連携を深め、来期以降の収益化に向けて着実に邁進。また、株主への利益還元、自社事業活動の一層の活性化及び円滑性の向上を目的として、平成29年4月18日(火)から5月19日(金)までの期間において、自己株式の取得を行なった。

電話占い事業は順調に業績を伸ばしたものの、既存占いコンテンツの売上不振、前期並びに当期リリースした「OBOKAID’EM」タイトルの早期償却により、連結売上高前年比増ではあるものの、連結営業損失を計上することとなった。さらに、当連結会計期間においては、来期以降の収益の拡大を目的として、現在進行中の案件を含め各事業内容を厳に精査し、子会社である株式会社ルイスファクトリー(以下、ルイスファクトリー)における制作途上ゲームを償却するほか、不採算事業として、ゲームブランド「OBOKAID’EM」とO2O事業の撤退を決定し、特別損失合計2億3200万円を計上した。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高22億5100万円(前年同期比16.0%増)、営業損失3100万円(前年同期は営業利益2600万円)、経常損失4500万円(前年同期は経常損失6000万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1億1000万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1億3900万円)となった。

セグメント毎の業績は、以下。

占いコンテンツ事業
占いコンテンツ事業においては、アジア諸国市場への展開やユーザーの流入経路や広告に関して見直すなど、集客構造並びに収益体制の再構築を進めてきた。平成29年7月には「女性向けコラム×無料占い」を特徴とした占いサイト「カナウ」をリリースし、平成29年9月末日において約270万ページViewを獲得し、現在も順調に増加している。

電話占い事業においては、既存の電話による占いサービスのほか、LINE株式会社(以下、LINE)の提供する各種占いサービスへのコンテンツ及び占い師の提供を強化したことに伴い、第2四半期連結会計期間以降、緩やかながらも増収が続いた。

その他、国内のみならず海外人気キャラクターとのIPコラボレーションを行ない、アプリ配信数の増加に注力した。

このような施策により、第4四半期連結会計期間においては売上回復傾向がみられたものの、当連結会計年度としては、既存占いコンテンツにおける会員数の減少、並びに集客数の伸び悩みや、キャリアの方針による広告掲載ルールの変更に伴うIPコラボレーションアプリの短命化により、収益ともに前年を下回る結果となった。

以上の結果、占いコンテンツ事業の売上高は17億5500万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は5億円(同18.0%減)となった。

ゲームコンテンツ事業
グループのゲーム事業は、「OBOKAID’EM」「ブルークエスト」「ルイスファクトリー」の3ブランドでゲーム制作及び配信を行なってきた。

当連結累計期間においては、特にルイスファクトリーにおけるセカンダリー事業に注力し、平成28年9月の事業譲受以降、譲受タイトルのほか、新たに『イグドラシル戦記~世界樹の騎士団~』『バハムートブレイブ』計2本の運用を開始。セカンダリー新規運営本数が計画を下回ったことから、当初の予測には達しなかったものの、当該新規運用タイトルがグループのゲームコンテンツ事業の収益に一定の寄与をみせている。

一方、「OBOKAID’EM」は、売上不調が引き続いたことが影響し、前連結会計年度にリリースを行ったタイトルを早期償却することになった。これを受けて、「OBOKAID’EM」を不採算部門として撤退することを決定し、特別損失1億7000万円を計上。

また、ゲームコンテンツ事業に関しては各案件の徹底的な見直しを行ない、ルイスファクトリーにおいても、冬頃リリース予定であったセカンダリー案件で取得したIPを活用した新規タイトルを含む、制作途上ゲームを償却することを決定した。

以上の結果、ゲームコンテンツ事業の売上高は4億9200万円(前年同期比542.4%増)、営業損失は8900万円(前年同期は営業損失109百万円)となった。

その他
新規事業に関しては、引き続きAI、VRなどの最先端技術を活用した事業への参入及び先行投資を行なってきた。

AI事業「found it Project」においては、データ解析・システム構築を進めるほか、勉強会の開催を通じて人材の確保、認知度の向上をはかった。

VR事業においては、アメリカ法人である DoubleMe,Inc.(以下、DoubleMe)との共同事業に関してプロジェクトの準備を進めるほか、中国のVR端末開発企業である小派科技(上海)有限責任公司(以下、Pimax Technology)と、日本における同社製品の販売総代理店業務に関する業務提携契約を締結するなど、着実に事業を推進してきた。

また、平成29年9月には、自社100%出資で中国法人魅仕坊(上海)互聯网科技有限公司(英文表記:Media Kobo (Shanghai) Internet Technology Co .,Ltd.)(以下、魅仕坊(上海)互聯网科技)を設立。上海で中国法人とのインターネットの運営配信に伴う業務提携強化に向けた体制整備を行なっている。いずれも現時点においては収益段階には至らないものの、来期以降の当社事業並びに業績において重要な役割を果たすものと考えていると発表。

以上の結果、その他事業の売上高は300万円(前年同期比83.1%減)、営業損失は2000万円(前年同期は営業損失6100万円)となった。

今後の見通し

第21期に関しては、占いコンテンツを中心とするメディア事業に注力することで、主軸である占いコンテンツ事業の売上回復を行なうとともに、新規ゲームの開発とセカンダリーゲームの運営拡大により、ルイスファクトリーの営業利益を増加させることで、ゲームコンテンツ事業全体の黒字化を図っていく。また、AI技術の活用による業績向上の後押しのほか、VR、AR分野において、開発会社との協力体制のもと様々な新規事業を推進する予定。財務面に関しては、これまで同様資産の透明性を確保し、新規事業への挑戦を、安定した内部留保によって下支えする健全な経営を行なう考えとのこと。

以上により、平成30年8月期の通期業績見通しは、売上高23億5000万円、営業利益7000万円、経常利益6000万円、親会社株主に帰属する当期純利益1500万円を予測していると発表した。

関連サイト

株式会社メディア工房公式サイト
平成29年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

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