【レビュー】『モーセの海割り』神ゲー? それともバカゲー!? 本職の人たちが聖書をゲームにしたらこんなんなっちゃった!

タイトル画面

 世界で一番出版されていて、ギネスブックにも登録されているベストセラー、聖書。『モーセの海割り』は、『旧約聖書』の『出エジプト記』にある「モーセが迫害を受けていたヘブライ人の民衆を連れ、エジプトを脱した」というお話をモチーフにしたパズルゲームです。

パズルゲーム
▲内容はステージクリア型のパズルゲーム。熱中度はかなり高いです!

◆いざイスラエルへ! モーセとなって人々を希望の土地へ導こう!

 プレイヤーはモーセです。モーセといえばエジプト軍の追撃から逃れるため、杖を振り上げて海を割り、道を作って逃げおおせたという、壮大なエピソードで有名です。そんなワケでプレイヤーも海を割るのです。

 海の道が描かれたパネルをタップすると、パネルが90度回るパズルゲームになっています。うまく対岸まで海の道をつなげて、民衆を向こう岸(たぶんイスラエル方面)へと逃がせばOK! 制限時間内に規定の人数以上を逃がせばステージクリアです。

人々を正しい道へと導く
▲ひたすら道をタップして、人々を正しい道へと導くのです!

 道中には古代エジプト兵や『アダムとイブ』のヘビなどの敵が湧き、これに民に当たると吹き飛ばされてしまいます。しかし道にあるのは障害ばかりではありません。聖人が描かれたアイコンが落ちており、これを民がゲットするとスキルが発動します。このスキルをいかに拾っていくかがクリアへのカギとなるでしょう。

モーセのスキル
▲モーセのスキルが発動! 全部の道が向こう岸へと繋がり、人々がどんどん逃げます!

アダムとイブのスキル
▲アダムとイブのスキルは、民衆の数を一気に増やす効果。それが何を意味しているかは、パパやママに聞いてみよう!

 と、ここまで読まれてどう思われましたでしょうか? 元の物語ではモーセたちの置かれた立場はだいぶ過酷なものであるハズなのに、ゲーム内容は深刻さのカケラもありません(笑)

 聖書に対する悪ふざけとも取れてしまうような本作ですが、筆者はこれは狙ってやってるな、と思いました。なぜそのように思ったかというと……!?

◆「遊びながら聖書の世界に親しめる」がコンセプト!

 本作のパブリッシャーはキリスト新聞社。創業が1946年と老舗の会社ですが、考えかたはかなり柔軟。キリスト教の教派を擬人化した『ピューリたん』なんてマンガを新聞連載しているほか、アナログゲームでも聖書に登場する人物を使ったカードゲーム『バイブルハンター』、『バイブルリーグ』などを出版しています。

「遊びながら聖書の世界に親しめる」をキャッチフレーズにしているそうですが、「やりたい放題やっている」といった印象もなくはないです(笑)。しかしきちんと聖書に関して学べるコーナーもあり、これはこれでよい啓蒙活動なのではないかと思いました。

聖書を学ぶ
▲ふざけてばかりでなく、まじめに聖書を学べるコーナーもあるのです。

 本作は謎の中毒性があり、BGMが異様に明るい曲なのも影響してか、小学生の運動会を見てるような楽しい気分にもなってきます。「この内容で大丈夫か?」なんて難しいことは考えず、ばんばん海を割って、どんどん人々を逃がしましょう!

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