IMAGICA GROUP、海外向けサービスの苦戦で営業損失23億円 2021年3月期第3四半期決算

コロナ禍の影響が回復傾向にあるものの、作品の公開延期や海外での受注減少により大きな赤字に。

株式会社IMAGICA GROUPは、2021年3月期第3四半期決算短信(連結)を2月4日(木)に発表した。当第3四半期連結累計期間におけるグループの業績は、売上高586億7000万円(前年同期比13.0%減)、営業損失は23億6900万円(前年同期は営業利益3億5700万円)、経常損失は27億2900万円(前年同期は経常損失3億1000万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億6300万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益8億1500万円)だった。

IMAGICA GROUP 決算 IMAGICA GROUP 決算 ハイライト

経営成績に関する説明

映像コンテンツ事業
当期はテレビCMなどの案件数が伸び悩み、テレビアニメシリーズの制作本数減少や納品、放送スケジュールの変更などが発生しているが、10月以降は公開延期となっていた実写、アニメの劇場映画作品の公開や、オーバー・ザ・トップ(以下、OTT)におけるドラマ配信の開始などで、売上は回復基調にある。

また、音楽ライブなどの収録業務については、中止や延期があったが、無観客ライブの配信が主流になったことで、案件は増加傾向にある。

このように、業績は改善傾向にあるが、映像コンテンツ事業全体では減収減益となった。

上記の結果、売上高は138億8800万円(前年同期比30.7%減)、営業損失は5億6200万円(前年同期は営業損失2億300万円)だった。

IMAGICA GROUP 映像コンテンツ

映像制作サービス事業
国内の映像技術サービス分野においては、テレビ番組向けのポストプロダクションサービスについて継続して受注を確保しており、テレビCM向けやアニメのポストプロダクションサービスの受注に関しては回復傾向にある。

デジタルシネマは、新作案件の減少により受注が伸び悩んだが、その一方で、OTT案件の増加により、エンコードなどの受注が堅調に推移した。

撮影・配信、アーカイブサービスに関しては、スポーツ再開やライブ収録の配信へのシフトなどにより受注が増加した。

海外の映像技術サービス分野では、ダビングスタジオが徐々に再開し、足元では受注が回復基調にあるが、欧米において厳しい状況が継続している。

人材サービス分野は、企業の新規採用活動が抑制傾向にあることから、人材派遣や紹介事業については前年の需要を下回った。

一方のデジタルコンテンツ事業に関しては、デバッグ事業の新規案件が増加し、ゲームの3DCG制作も堅調に推移した。

これらにより、現状では業績が改善傾向にあるが、映像制作サービス事業全体では減収減益となった。

上記の結果、売上高は327億4300万円(前年同期比8.2%減)、営業損失は23億800万円(前年同期は営業損失5億5000万円)となった。

IMAGICA GROUP 映像制作

映像システム事業
映像システム分野では、CMオンライン送稿がマーケットニーズの拡大により送稿数が伸長し増収となった。しかしながら、放送局向け案件は一部案件減や縮小などがあった。

イメージング分野においては、ハイスピードカメラが国内や欧米における販売苦戦が続いているが、アジア地域では回復している。また、台湾や中国向け映像・画像処理LSIの販売は、継続して堅調に推移している。

モバイルソリューション分野では、引き続きモバイルデータ通信の需要が拡大し、大幅な増収となった。

これらにより、映像システム事業全体では増収となったが、大型案件の納品などがあった前期比では利益が減少した。

上記の結果、売上高は129億9700万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は8億4200万円(同43.0%減)となった。

IMAGICA GROUP 映像システム

関連サイト

株式会社IMAGICA GROUP公式サイト
2021年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期第3四半期決算説明資料