クリーク&リバー社、プロデュース事業や電子書籍の好調で営業利益21億円 2022年2月期第2四半期決算短信

C&R社00

クリエイティブ分野(日本)の事業が好調に推移。半期で過去最高の業績を達成。

株式会社クリーク&リバー社(以下、C&R社)は、2022年2月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)を10月7日に発表した。同社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高210億3500万円(前年同期比14.0%増)、営業利益21億5700万円(同48.2%増)、経常利益21億7300万円(同47.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は14億600万円(同45.4%増)となった。

C&R社2022年2月期第2四半期決算

経営成績の説明

C&R社グループは「プロフェッショナルの能力により豊かな社会を創出し、持続可能な世界を実現する」ことを理念として掲げ、事業を運営している。C&R社グループのネットワークするクリエイター、医師、ITエンジニア、弁護士、会計士、建築士、ファッションデザイナー、シェフ、研究者等、替えの利かない専門的な能力を有するプロフェッショナルへのニーズは底堅く、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一部にあったものの、クライアントへのきめ細かな対応を徹底することで、当第2四半期連結累計期間の業績は、前年同期の実績及び期初に公表した計画を上回って順調に推移した。

新型コロナウイルス感染症の影響として、前年に引き続き医療分野における全国各地でのイベントの中止や、会計・法曹分野を中心とした人材紹介事業における需要回復の遅れ等が生じた一方で、C&R社グループの中核を担うクリエイティブ分野(日本)並びに医療分野におけるエージェンシー事業、クリエイティブ分野(日本)におけるプロデュース事業や電子書籍、YouTube等のライツマネジメント事業が好調に推移し、過去最高の業績となった。

C&R社01

報告セグメントごとの業績は次のとおり。

クリエイティブ分野(日本)
クリエイティブ分野(日本)は、グループの中核となるC&R社が、映像、ゲーム、Web、広告・出版等のクリエイティブ領域で活躍するクリエイターを対象としたプロデュース、エージェンシー、ライツマネジメント事業を展開しているほか、連結子会社である株式会社クレイテックワークスがゲーム分野でのプロデュース事業を、2020年7月に連結子会社化した株式会社ウイングが、TV・映像分野のエージェンシー事業を展開している。

C&R社02

映像・TV・映像技術関連分野においては、当第2四半期連結会計期間はTV各局のオリンピック・パラリンピックニーズや、通常番組の制作需要を的確に捉え成長した。C&R社が企画制作するTV番組「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日系列)は、今春には深夜帯からゴールデンタイムへの昇格を果たし、番組公式Instagramのフォロワー数が国内のテレビ番組公式アカウントとしてトップとなる209万人(2021年8月末)を超過する等好評を得ている。また、NHK出身者により設立された連結子会社株式会社ウイングは、NHK及び関連会社の番組制作・編集部門へのスタッフ派遣、気象キャスターの派遣等を展開しており、C&R社の持つ幅広いネットワークとの融合により業容拡大をはかっている。

動画配信サービスへの 取り組みとしては、YouTubeを中心に活躍する動画クリエイターをサポートするMCN「The Online Creators(OC)」においては、新規プロジェクト「Online Creator GAMES」の開始や大手ゲーム会社とゲームソフト・著作物の利用に関する包括的許諾契約を締結するなど、ゲーム分野の強化をはかった。YouTubeクリエイターによりアップロードされた動画の月間総再生回数が7.4億回(2021年8月末)超と順調に増加しているほか、企業やTV番組のYouTubeチャンネルの運用受託が増加している。

ゲーム分野においては、C&R社及び連結子会社株式会社クレイテックワークスにおいて、制作スタジオでの制作受託や、IP(知的財産)を活用した自社開発を推進している。制作スタジオと連動した業界未経験者のための育成機関「クリエイティブ・アカデミー」や、外国籍人材の積極的な採用・登用を通じて、人手不足と言われるゲーム業界のニーズに着実に対応している。

XR(VR/AR/MR)への取り組みに関しては、連結子会社株式会社VR Japanと連携して「VR遠隔医療教育ソリューション」や「低遅延VRリアルタイム配信システム」の開発に取り組む他、企業と共同で災害体感教育ツールを開発する等、教育研修やアミューズメント施設、イベント・展示会等ビジネス領域においてハードからコンテンツまで一貫したソリューションの提供を進め、実績を積み重ねている。

Web分野においては、Webクリエイター及びデジタルマーケティング領域におけるデータサイエンティスト等のネットワーク拡充をはかっている。企業のWebマーケティング及びデジタルマーケティング需要の高まりを捉えた提案や、全国の拠点をいかしたエリア戦略等により、業容の拡大につとめている。

出版分野 では、Amazon Kindle等の電子書店に取次を行なう電子書籍取次が、コロナ禍での外出自粛による巣籠需要も手伝い、配信数、ダウンロード数が引き続き順調に増加した他、発掘した漫画家や作家の作品を収益化する「漫画LABO」からは各電子書店で1位を獲得した「間違いで求婚された女は一年後離縁される」(著者:ホイップクリーム、ヤマトミライ、Amary)等のベストセラー作品が誕生した。

建築分野では、一級建築士の紹介及びBIM技術者の派遣を行なうエージェンシー事業や設計・建築の受託案件が堅調に拡大している他、特徴的な賃貸物件プロデュースの「CREATIVE RESIDENCE(R) SERIES」、VR空間でハウスメーカーや工務店等が顧客に住宅をプレゼンテーション・販売できるサービス「超建築VR」を展開している。

新たな分野として、AI等コンピュータサイエンスの技術者や博士、ライフサイエンスの研究開発者や研究開発補助者、料理人、企業における業務や機能の最高責任者であるCXOのエージェンシー事業等を展開し、今後の成長に繋がる取り組みを積極的に展開している。

これらの結果、クリエイティブ分野(日本)は、売上高144億8300万円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益(営業利益)13億100万円(同59.2%増)となった。

C&R社04

クリエイティブ分野(韓国)
クリエイティブ分野(韓国)は、連結子会社CREEK & RIVER ENTERTAINMENT Co.,Ltd.及び連結子会社CREEK &RIVER KOREA Co.,Ltd.が、クリエイティブ分野(日本)と同様のビジネスモデルを韓国にて展開している。

韓国のTV業界で多くの映像プロフェッショナルの派遣実績を誇るほか、出版分野等において当社との連携を高め、映像分野以外への進出やライツマネジメント事業を強化し、収益の多様化を進めている。

当第2四半期連結累計期間における業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がありながらも、コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)開発を進める等、今後の収益向上へ繋がる仕組みを整え、前年同期を上回って推移した。

これらの結果、クリエイティブ分野(韓国)は売上高17億4300万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益(営業利益)200万円(前年同期はセグメント損失1500万円)となった。

医療分野
医療分野は、連結子会社株式会社メディカル・プリンシプル社が、「民間医局」のブランドのもと、ドクター・エージェンシーを中心とした事業を展開している。

医療機関や自治体、医師や看護師の多様なニーズに応えるべく、医師の紹介事業を中心に、研修医・医学生を対象として全国各地で開催する研修病院合同説明会「レジナビFair」やオンライン開催の「レジナビFairオンライン」、臨床研修情報サイト「レジナビ」、若手医師向け情報収集サイト「民間医局コネクト」等のサービスを展開している。

新型コロナウイルス感染症の影響により、前年より引き続き「レジナビFair」のリアル開催は困難な状況だが、オンラインにて実施する環境を整え、収益化へと繋げております。さらに7月、長崎大学と感染症医療人の育成支援や情報発信において協定を締結するなど、医療現場を支える取り組みを強化している。

主軸の医師紹介事業は、全国各地での慢性的な人材不足、地域的偏在を背景に医師への高いニーズは継続した。また、全国の新型コロナワクチン接種に対し17拠点を通じて医療機関、自治体、企業に累計で14000件以上の医師紹介を行なうなど、医療分野は前年同期の売上高、セグメント利益を上回って推移した。

これらの結果、医療分野は売上高26億1800万円(前年同期比13.7%増)、セグメント利益(営業利益)8億2600万円(同24.0%増)となった。

C&R社03

会計・法曹分野
会計・法曹分野は、連結子会社ジャスネットコミュニケーションズ株式会社及び連結子会社株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社が、会計士や弁護士を対象としたエージェンシー事業を中心に展開している。各種関連団体との関係強化、クライアント企業・事務所との共同セミナーの積極的な開催等を通じ、業界内における認知度向上をはかり、エージェンシー事業のさらなる拡大につとめている。また、これまで培ってきたネットワークをいかし、会計事務所・法律事務所やその顧問先の事業承継ニーズに対応すべく、「事業承継・M&A支援サービス」を展開しているほか、在宅で活躍する経理・法務人材の紹介事業を行なうなど、サービスの拡充をはかっている。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、人材紹介事業において前年より引き続きクライアントの採用選考の遅延や管理部門を中心とした採用計画の見直し等の影響から、会計分野においてやや回復に遅れがしょうじているものの、法曹分野の業績は持ち直しの傾向を強めている。当第2四半期連結累計期間における売上高は前年同期を上回って推移したが、セグメント利益は、今後の成長に向けた登録促進を行なったことなどにより減益となった。

これらの結果、会計・法曹分野は売上高10億3200万円(前年同期比2.5%増)、セグメント利益(営業利益)3900万円(同41.4%減)となった。

その他の事業
IT分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社リーディング・エッジ社では、ロボット・AI等、市場ニーズにあわせ、プログラム言語Pythonに精通した5000名以上のエンジニア等のネットワークを構築し、IT技術者の採用や育成、紹介に取り組んでいる。エンジニアに対するニーズは引き続き旺盛で優秀な人材の確保を積極的に進めている。

ファッション分野のエージェンシー事業を展開する連結子会社株式会社インター・ベルは、販売職の派遣及び店舗の運営代行業務等を展開しており、政府による緊急事態宣言の発令に伴い、百貨店や商業施設が営業自粛や時短営業を余儀なくされたが、その影響を最小限に留めつつ、オンラインを活用した接客やライブコマースを導入するなど、ポストコロナ社会に向けて、新たな収益機会を獲得するためのサービス確立に取り組んでいる。

人材メディア事業を展開する連結子会社株式会社プロフェッショナルメディアにおいては、前期に広告業界の求人サイトから、市場ニーズに合わせてリニューアルしたWeb・IT・AI業界の総合求人サイト「DXキャリア」の業容拡大に取り組んでいる。

連結子会社株式会社VR Japanは、中国IDEALENS社及びSKYWORTH社のVRゴーグルの日本国内での販売を行なっている。「VR遠隔同時講義システム」や「低遅延VRライブ配信システム」の開発を積極的に推進し、特に医療分野における教育研修等の領域において、独自の事業基盤を構築しつつある。

AIを用いたシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行なう連結子会社株式会社Idrasysでは、需要予測やスコアリングなどを可能にする独自のAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience」を通じて、企業のAI活用支援を展開している。

米国にて法曹分野のSNSプラットフォーム「JURISTERRA」の開発・運営を行なう連結子会社CREEK & RIVERGlobal,Inc.は、「JURISTERRA」の本格稼働に向けた開発を進めるとともに、その一部機能を活用し、米国と日本を結んだ法務コンサルティングサービスを展開している。

2020年7月に子会社化した株式会社Gruneでは、ITコンサルティング、WebアプリケーションやAIシステムの構築を行なっており、高い技術力を背景にC&R社の持つ顧客基盤を活用し、事業規模の拡大をはかっている。なお、重要性が増したため、当連結会計年度より同社を連結の範囲に含めている。また、前連結会計年度まで連結子会社であったエコノミックインデックス株式会社は、全株式を譲渡したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外している。

2020年10月に連結子会社化したきづきアーキテクト株式会社は、C&R社と連携し、東京都より受託する「5G技術活用型開発等促進事業」にてスタートアップ支援を行なう等、当社グループが取り組む新規事業の加速化に貢献している。

当第2四半期連結累計期間における売上高は前年同期を上回って推移し、セグメント利益は投資段階の事業の利益改善なども寄与し、前年同期より改善した。

これらの結果、その他の事業は売上高11億5600万円(前年同期比13.7%増)、セグメント損失(営業損失)1400万円(前年同期はセグメント損失8200万円)となった。

C&R社05

関連リンク

株式会社クリーク&リバー社
2022年2月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2022年2月期第2四半期決算説明会資料

C&R社00