スマートフォン向けゲームの開発案件の改修や新型コロナウイルスへの対策などの費用により利益減。
株式会社トーセは、2021年8月期決算短信[日本基準](連結)を10月13日に発表した。当連結会計年度の業績は、売上高は59億6000万円(前年同期比5.8%増)、営業利益2億6600万円(前年同期比27.1%減)、経常利益2億8400万円(前年同期比26.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億4800万円(前年同期比34.8%減)となった。
経営成績の説明
当連結会計年度の業績については、デジタルエンタテインメント事業において、新型ゲーム機に対応した家庭用ゲームソフトの大型案件の開発が完了したことや、大型のスマートフォン向けゲームの運営売上が好調に推移したことにより、デジタルエンタテインメント事業での売上が伸長した。さらにコロナ禍による巣ごもり消費の拡大に伴い、その他事業での家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が引き続き好調に推移した。その結果、売上高は59億6000万円(前年同期比5.8%増)となった。
利益面については、スマートフォン向けゲームの開発案件において、開発中盤までに実施した作業の成果物を改修する必要が生じ、本案件の対応に費用がかかったことや、同案件の完了時期が来期にずれ込んだことに加え、長期化する新型コロナウイルス感染拡大の防止に取り組んできたことで費用が想定以上にかかったことから、営業利益2億6600万円(前年同期比27.1%減)、経常利益2億8400万円(同26.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億4800万円(同34.8%減)となった。
セグメントの業績は次のとおり。
デジタルエンタテインメント事業
当事業では、ゲームを中心とするデジタルコンテンツの企画・開発・運営などの受託を行なっている。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大防止に取り組むなか、新型ゲーム機である「プレイステーション5」や「Xbox Series X/S」向けゲームソフトの開発業務を遂行するとともに、クラウドゲームサービスに対する開発力を向上させる取り組みも行なってきた。
ゲームソフト関連の売上は、新型ゲーム機に対応した家庭用ゲームソフトの大型案件の開発が完了したことや複数の家庭用ゲームソフトの大型案件において、顧客からエンタテインメント性を高める仕様追加等の要請を受けたことにより、31億9500万円(前年同期比73.2%増)となった。
モバイルコンテンツ関連の売上は、大型のスマートフォン向けゲームの運営売上が好調に推移した一方で、顧客からの開発業務の相談・引き合いについてはモバイルコンテンツ関連よりゲームソフト関連の方が増加し、前年同期と比べて開発案件の完了も少なかったことなどにより、21億5900万円(前年同期比24.9%減)となった。
パチンコ・パチスロ関連の売上は、ゲームソフト関連やモバイルコンテンツ関連に開発人員をシフトしていることにより、1億2400万円(前年同期比46.3%減)となった。
この結果、当事業の売上高は54億7800万円(前年同期比10.6%増)、営業利益2億2300万円(同28.8%減)となった。
その他事業
当事業では、SI(システムインテグレーション)事業、子会社の株式会社フォネックス・コミュニケーションズによる家庭用カラオケ楽曲配信事業、新規事業の創出に取り組んでいる。
当連結会計年度においては、コロナ禍による巣ごもり消費の拡大に伴い、前期に引き続き家庭用カラオケ楽曲配信事業のロイヤリティ売上が伸長した。一方で、SI事業においては、既存案件の追加開発を受注するだけでなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する期待感・必要性の高まりやコロナ禍での消費行動変容を背景に、インターネットによる商品販売やプロモーションを望む企業との取引を開始しているものの、前年同期に大型案件の開発完了があったことの反動減などにより、当事業の売上高は4億8100万円(前年同期比29.6%減)、営業利益4300万円(同16.7%減)となった。