3月28日に行なわれたXM Anomaly #Shoninの速報は
「TAPPI編集部 PICK UP!」にてお届けしています。
はじめまして、とみさわ昭仁です。日々、エージェント活動に精を出されている方なら、どこかで「珍ポータル」という言葉を目にしたことがあるでしょう。世界中に設置されているポータルの中には、なぜこれがポータルに? と首をひねりたくなるようなものがあります。こうした珍ポータルばかりを集める遊び、略して「珍ポ集め」という下品なことを言い出したのが、ぼくなんです(ツイッターでハッシュタグ「#珍ポ集め」を検索すると、続々出てきます)。
本業が古本屋で、他に趣味でDJなんかもやっている関係で、ヒマさえあれば古本や中古レコードを求めて各地をさまよっています。都内はもちろんのこと、日本中の古本屋(おもにブックオフ)を飛び回る生活。その合間に……そう、珍ポータルを探すことも忘れません。初めて訪ねる駅に降り立ってはスキャナーを起動させて周囲をサーチし、古本屋を見つけてはまた周辺をサーチする。もうね、忙しくてしょうがないですよ。でも、それがまた楽しい。
今回よりはじまるこの連載では、そんなわたしの珍ポータル紀行をレポートしていこうと思います。珍ポータル紀行……略して(略すの大好き)……珍ポコウ!
◆生まれ故郷で珍ポータル探し
今年2月の第二土曜日。「両国レコード天国」なる中古レコードの即売会が開かれることを知ったぼくは、久しぶりに両国までやってきた。なんで久しぶりかというと、ぼくは両国の出身だから。いまは両国を離れてるけど、何かと用事があってこっちにもチョイチョイ来るんです。
レコード即売会が始まるまで、まだ10分ほど余裕がある。そこで駅周辺を散策してみる。自分の出身地とは言っても、37年前に引っ越してからあちこち風景が変わっていて、けっこう新鮮。だいたいね、ぼくが住んでた頃は国技館って両国じゃなくて、蔵前にあるものだったからね。
そんな国技館もいまはちゃんと両国にある。両国ではやはり相撲に関係した珍ポータルを探そうと思って来たわけだけど、ならば栄えある一発目は国技館しかない。そう思って国技館の正面ゲートへ足を向けてみた。
▲青空の下にそびえ立つ“両国の”国技館、どーん!
早速スマホを取り出してスキャナーを立ち上げてみる。ところが……それらしいものが見当たらない。なんと、両国国技館はポータルになってなかったのだ! 大きすぎるものはポータルにはならないのかもね。周囲をよくチェックしていくと、かわりにこんなのがありました。
▲「国技館の壁画」浮世絵調のタッチで描かれた力士の姿がポータルに。のこった! のこった! ハックした!
今回は相撲に関係しているポータルを探すというテーマなので、壁画でも発見できただけありがたい。でも、壁画のたぐいって平面なだけにいまいち盛り上がんないんだよね。やっぱりここは立体が欲しいな。石像とか銅像とか……。そんなことを考えながら両国駅のガードをくぐり、南側へ歩いていくと見つけました、小さなお相撲さん!
▲雲竜型ですっくと立つ横綱像。観光客が触るのか、お腹部分が磨かれてつるつるになっている。
これこれ、こういうのを探していたのです。両国に来たなーって感じするでしょ。この通りにはほかにもポーズ違いの像がいくつも立っていて、きっと歴代の名横綱たちなのかもしれないね。ポータル……じゃなかった像の台座のところを調べれば、モデルが誰なのか書いてあったのかもしれないけど、ぼくはそういうことには興味がないのでスルー。相撲ファンに怒られそうだな。
◆エージェントからコレクターへ変身
そうこうするうちにレコード即売会の時間がきたので会場へ向かう。隅田川沿いにある小さなギャラリーで、開場から5分遅れただけなのに中はもうお客さんで満員になっている。皆さん熱心にエサ箱(レコード屋の商品棚をこう呼ぶ)を漁ってらっしゃる。ぼくも負けじと会場内に突入して、片っ端から箱の中を見ていく。
結局、30分ほどかけて6枚の7インチ(ドーナツ盤)を発掘した。
▲オナッターズの『モッコシモコモコ』が格安で手に入ったのが嬉しい。レンタル落ちのシールもコレクションなら邪魔だけど、DJで使うための盤なので気にしない。
▲うちの店の常連さんに子供歌手のレコードを集めている方がいるので、こういうのは見つけるとすかさず押さえておく。
▲自動車教習所のテーマソングはいいとして、そのタイトルが『ハンドル音頭』ってのは素敵すぎる。『パックマン・フィーバー』は長いこと探していたレコード。
これでぼくがどういう傾向のものを集めているのか、皆さんにもわかっていただけたことでしょう。今回は近場の両国だったけど、新幹線で大阪行ったり岡山行ったりしても、だいたい常にこんなレコードや古本ばっかり買ってるのです。
◆相撲はどこだ! 再びエージェントにもどる
さてさて、また珍ポータル探しにもどります。たとえばこんなところはどうでしょう。
▲両国ならではの洋品店、キングサイズ専門の「ライオン堂」。
中学校時代は、毎日ライオン堂の前を通って学校へ通ったものです。そういう意味では、珍ポータルであると同時に懐かしいポータルでもあります。略して珍懐ポータル。
『Ingress』のスキャナーは、自分を中心とした半径約40mがアクセス範囲となっています。でも、範囲外なのでハックは出来ないけど、画面内に写っているポータルなら、それがどんな場所か見るだけは出来るんですよね。それを利用して、少し遠くにある珍ポータルを採取する(画面のスクリーンショットを撮る)ことも可能。たとえば……。
▲「時津風部屋」力士可愛がり事件でおなじみのあそこ!
▲「出羽海部屋」にも同型の看板がある。
コレクター的には、こういう同じ規格のものに弱いのよね。きっとほかの部屋にも同様の看板があるはずで、トレカやスタンプラリーみたいに全部集めたくなっちゃう。ま、やんないけどね。
というわけで、中古レコードを掘りにいきつつ、相撲の珍ポータルを探してまわる旅はそろそろ終わり。ぼくは麺類が大好きなので、地方へ仕入れツアーに出かけるときはいつも事前にその土地の名物ラーメンなんかを調べておいて、最後にそれを食べて旅を締めくくったりする。
今回もいい麺はないかな……と探すまでもなく、両国だったら迷わずここ。東口を出てすぐのところにある「文殊そば」。高速増殖炉もんじゅの冷却水で麺を引き締めているという(もちろん嘘ですよ)細めのそばが大変にうまい。
▲旅の内容とはとくに関係なく「イカ天そば」注文。ごちそうさまでした。