◆『進撃の巨人』、なのに巨人を生成しちゃうの? しかも街を発展させる!?
テレビアニメや映画など、さまざまなメディアに展開する超人気コミック『進撃の巨人』。コミックやアニメでは人類を脅かす「巨人」に立ち向かう調査兵団の活躍が描かれるが、この『進撃の巨人 -自由への咆哮-』では世界観こそ同じなものの、プレイヤーは人類を守る城壁「ウォール・マリア」から追放されてしまったところからスタートする。
▲巨人だけでなく、もちろん原作の人気キャラクターも登場する。
ゲームシステムの基本は、街育成シミュレーションゲームだ。過酷な外の世界で生き残るためには、拠点となる街を作り、外敵から守るべく街を発展させていかなくてはならない。ここで必要となるのが、原作にも登場する「黒金竹」、「氷爆石」といった資源と、その資源を他者から奪うための巨人。本来は人類の敵である巨人も、このゲームでは資源を得るために不可欠な存在なのだ。
▲「壁外の世界」でミッションや略奪バトルをクリアすると、多くの資源を獲得できる。
プレイヤーは資源を得るために巨人を生成し、用意されたミッションやほかのプレイヤーの街に巨人を送り込んで資源を略奪する。こうして得た資源で巨人をパワーアップさせる「軍事兵舎」、敵の侵攻から街を守る「防御施設」、資源を生産、貯蔵するための「生産建物」を建設し、さらに効率よく資源を確保し、街を大きくしていく。特筆すべきは、拠点を発展させていくと建てられるようになる「調査兵団の宿」。詳細は後述するが、エレン達、調査兵団のメンバーが扱えるようになるこの施設はぜひ建設してみてほしい。
このように原作ファンからすると、やや違和感があるシチュエーションかもしれない。ただ殺伐とした世界観も『進撃の巨人』らしさと捉えれば、“プレイヤー同士で略奪しあう”というゲームの流れも受け入れられるだろう。
▲資源は限られているため、生産面を増加させるか、防衛面を強化させるのかよく考えて実行しよう。
◆デフォルメされた巨人に癒されつつ、最適な戦力を敵陣に送り込め!
巨人といえば圧倒的な強さに加え、非常にインパクトのある外見も特徴だ。だが、ゲーム内では怖さはややマイルドに、親しみやすいデザインとなっている。その点はご安心を。
▲それぞれの特徴はしっかりと残しつつも、かわいらしくデフォルメされている。
コミック版のように数メートルサイズで出てこられたらたまったものではないが、スマートフォンの画面ごしに見る彼らは小動物的に「かわいい!!」のひと言に尽きる。タップひとつで文句も言わず敵陣に突っ込んでいく従順さ、そして大砲の前に次々と駆逐されていく姿には、何とも言えない申し訳なさを感じてしまったほど。悲しいが、これは生き残るための熾烈な戦いなのである。
▲このあと、すぐに戦力として消費してしまうのだが、街でちょろちょろと動きながら待機している巨人達はどことなく楽しそうに見える。
バトルでプレイヤーができることは、作っておいた巨人を戦場に配置するのみ。あとは彼ら(?)が自動で戦ってくれる。ただし、それぞれの巨人には、優先的に狙う施設や攻撃方法、体力などに個体差があるのがポイント。たとえば、まずは防御施設を狙う「憤怒の巨人」を使って大砲などを引き付け、その隙に生産建物に対して高い攻撃力を誇る「嘲笑の巨人」を投入したり、コストの少ない「探求の巨人」を大量に生成して多方面から攻撃したり。それぞれの特徴を踏まえて、タイミングや位置取りを考えることで戦闘を有利に進められるため、戦略を考える楽しさは十分にある。
▲「優先目標」、「攻撃範囲」、「射程距離」など、性能をしっかり把握することが確実な勝利に繋がる。
◆エレンやミカサ、リヴァイ兵長のサポートは大助かりな反面、敵に回ると困り者
ある程度街を発展させて「調査兵団の宿」を設置するとエレンやミカサ、リヴァイといった調査兵団のメンバーがサポートに入ってくれる。ほかのプレイヤーに自分の街を攻められた際、街を守ってくれるのでとても心強い存在だ。
▲仲間になると、格好いいビジュアルとともにステータスを確認できる。エレンはスピードこそやや遅めだが、そのぶん、攻撃力が高い。
とはいえ、敵に回ると凄まじく厄介な存在だ。ほかの街に攻め入った際にリヴァイ兵長に遭遇したところ、それはもう恐ろしい勢いで手塩にかけて育てた巨人達が駆逐されてしまう、なんてことはしばしばある。この時ばかりは「人類最強の兵士め!!」と憎たらしく感じたものだ。彼らに遭遇した際は、戦力の大半を投じてでも真っ先に倒してしまうか、囮を使ってかき回しつつ資源を奪うか、状況に応じて選ぶといいだろう。
原作とはまったく異なるシチュエーションながら、巨人や人気キャラクターなどの要素をしっかりと戦略シミュレーションゲームに落としこんでいる『進撃の巨人 -自由への咆哮-』。世界観を堪能しつつ、原作では味わえないキャラクターや巨人達との触れ合いを楽しんでみてはいかがだろうか。