4月14日(木)、ボルテージは、同社主催による「第4回 恋愛ドラマアプリ シナリオ・イラスト大賞」、通称“恋アプ大賞”の受賞作品を発表。最優秀賞・優秀賞への授賞式を開催した。
この賞は、新人発掘プロジェクトとしてボルテージが開始したもので、早くも恋愛アプリの新人作家の登竜門的な存在になりつつある賞。この賞からは、すでにボルテージがリリースした恋愛ドラマアプリの制作に参加しているクリエイターも排出。累計利用者数5000万人を超える同社の恋愛ドラマアプリだけに、ファンから作り手になりたい人にとってはひとつの目標ともなっている。
今回の受賞作は、以下の7作品。(敬称略)
◆シナリオ部門
最優秀賞(1名、賞金50万円)
「学生寮食堂のお姉さんになりました。」森原すみれ
あらすじ:崖っぷちアラサー女子・木下蛍は、高校生当時バスケ部のエースだった日向大地と鳴海遥と再会。強引な日向の誘いで学生寮の食堂調理師になった蛍は、日向と鳴海、ふたりの気持ちを知ることとなり……。
優秀賞(4名、賞金10万円)
「ずっと言いたくて」三花
「青春のリスタート」あずき
「迷子の恋の行方」望月碧唯
「あのキスの意味、教えて」柳田知雪
◆イラスト部門
優秀賞(2名、賞金10万円)
もん
すず
受賞者は、書くのが好きで物語の道に入った人から、ボルテージの恋愛ドラマアプリが好きで応募した人までさまざま。それでも全員に共通しているのが「作り手側になってみたい」という想いだ。
今後リリースされる恋愛ドラマアプリにも、今回の受賞者が参加していくかもしれない。
授賞式後に、最終審査に参加したボルテージ副社長の北島健太郎氏と、シナリオ部門の最優秀賞に輝いた森原すみれさんに単独インタビューすることができたので、紹介しよう。
◆ボルテージ副社長 北島健太郎氏
――ボルテージとして、本大賞を開催している狙いは。
ボルテージの作っている恋愛ドラマアプリは、シナリオとイラストのふたつがしっかりしていないとヒットしません。そのために、いいクリエイターさんにどうアプローチしていくか。そこで、クリエイターさんを集めていくためにも、4年前からこの大賞を開催し始めました。
大賞を通じて、優れたクリエイターさんに応募していただき、受賞された方をはじめ、多くの方にボルテージと一緒にお仕事をしていただいて、結果も出ています。
――回を重ねて、傾向に変化はありますか。
シナリオに関しては、年々レベルが上がっているのを感じます。最初は経験が浅い方も多かったのですが、ボルテージ自体の認知もしていただけるようになった中で、今回の最終審査に挙がったものを見ると、すべて読み応えがあるレベルに達しています。
イラストは難しい部分もあって、いいものが一気に集まるときと、絵として良くても恋愛ドラマアプリにはマッチしきらないものが多いときとがあります。この大賞の前提として、恋愛ドラマアプリに合うイラストであってほしいので、キャラクターの魅力が重要になるんです。それは、必ずしも上手ければいいものではなく、バランスが若干崩れていようとも、魅力的な男性が描かれているかどうかなんです。
――今回の受賞作の中で、印象的だったのは。
シナリオで最優秀賞となった森原さんの作品は、満場一致で決まりました。いままでにもないケースかもしれません。設定が個性的で、それを上手く活かし、しかもキャラクターが立っていました。
テレビドラマのシナリオではなく、恋愛ドラマアプリの大賞ですから、ストーリーの面白さに加えて、キャラクターが立っているのは重要なポイントです。テレビドラマは俳優さんによってキャラクターが立ちますが、恋愛ドラマアプリは設定で立たせる必要がありますので、その違いは大きいと思います。
――今後、新しい才能の発掘において、ボルテージが目指すところをお聞かせください。
ボルテージが提供している、スマートフォンで楽しめるストーリー型コンテンツである恋愛ドラマアプリは、まだまだ世の中ではメジャーなコンテンツとは言い切れません。これを、テレビドラマなどと並ぶくらいのメジャーなコンテンツにしていきたいという想いがあるので、この賞に応募していただくことを通じて、同じ夢を一緒に語っていけるといいな、と思っています。
◆シナリオ部門最優秀賞 森原すみれさん
――今回は、審査でも満場一致の最優秀賞受賞だったそうですね。
そうなんですか!? 壇上では聞こえていなかったので……。嬉しいです、ありがとうございます。連絡をいただいたときも、何かの詐欺なのかな……と思ったくらいなので(笑)。
――今回の応募作は、講評でも「キャラクターが立っている」ということで絶賛されていましたが、ご自分なりのテーマや狙いをお聞かせいただけますか。
おそらく恋愛アプリ市場では、俺様キャラがセンターを取ることが多いと思うんですが、私が自分でプレイするときは、クール系から入ることが多いんです。なので、今回はあえてクールエンドで行こう、というところからスタートしました。
書いていく中では、俺様のほうが前に出て行きやすく、魅力が伝わりやすいところもあるので、それに押しつぶされないようにクールの魅力をいかに伝えるかを意識しました。
――周囲の方には、物語を書いていらっしゃることは知らせているんでしょうか。
家族や親しい友人には伝えていましたが、なかなか頭の中を覗かれるようで照れくさいので、あまり言わないようにしていました(笑)。
――今回の大賞への応募動機は。
ボルテージさんは、恋愛アプリの中でも大きな会社さんで、私自身シナリオライターとして働いている中でも、憧れがありました。ホームページでたまたま大賞を知ったのが11月で、締め切りまで1ヶ月ほどしかなく、これは書かなくては!と、力試しで挑戦しました。でも、賞をいただけるとは考えてもみなかったです。
――今後の活動について、抱負はありますか。
いまは、恋愛アプリも普及してきていますので、その中でも「このキャラクター、いいよね」「あのシナリオはもう一度見たい」と思っていただけるようなものを書いていきたいですね。