シリコンスタジオ、主力事業のエンターテイメント領域で苦戦し営業損失8億円 平成30年11月期第3四半期決算

シリコンスタジオ

機械学習エンジン「YOKOZUNA data」やコンテンツ事業の新設会社を譲渡、非エンターテインメント化への営業を拡大。

シリコンスタジオ株式会社(以下、シリコンスタジオ)は、平成30年11月期第3四半期決算を、10月5日(金)に発表した。当期連結業績については、売上高は36億9400万円(前年同期比19.2%減)、営業損失は8億3100万円、経常損失は8億9300万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億4900万円だった。

シリコンスタジオ決算

経営成績に関する説明

シリコンスタジオグループは引き続き、主にコンピュータグラフィックス(コンピュータを使って制作された映像 以下、CG)関連ビジネスに多角的に取り組んできた。

開発推進・支援事業では、シリコンスタジオが強みを持つエンターテインメント(娯楽)業界向け案件の着実な獲得、成長余地が大きい自動車業界や不動産業界など非エンターテインメント領域における積極的な営業展開を進めた。

ミドルウェアに関しては、昨年度イギリスARM社の100%子会社であるGeomerics社より取得したソフトウェア『Enlighten』のリアルタイムのグローバルイルミネーション(大域照明、または間接光表現)技術は、世界的に高い評価を得ている業界最高水準の技術であり、ゲームだけでなく、建築・不動産業界、映像業界、自動車業界等幅広い利用が可能である為、自社のミドルウェアとのシナジーを高め、国内のみならず、海外マーケットへの販売拡大を目指している。しかし、開発、販売、サポートがシリコンスタジオに切り替わったことの認知度があまり高くないことから、引き続き積極的なプロモーション活動を行なっていく。

また、個々のユーザー行動を予測する最先端の機械学習エンジン「YOKOZUNA data」に関する資産を、平成30年7月23日付でKeywords International Limitedに譲渡。これは、「YOKOZUNA data」が予測精度や学術面で高い評価を得ている一方で、普及拡大のためのブラッシュアップや、プロモーション活動の強化が課題であり、シリコンスタジオグループの経営リソースを考慮した結果、パートナー企業との協業が望ましいと判断したことによるもの。これにより、特別利益に事業譲渡益1億6331万円を計上した。

コンテンツ事業では、当第3四半期連結累計期間において、コンテンツ事業の一部(ゲームの開発・運営)を会社分割により新設会社に承継させ、その株式の90%を株式会社クリーク・アンド・リバー社へ譲渡した。これにより、特別利益として関係会社株式売却益5402万円を計上されている。これについては、近年のスマートフォン向けゲーム市場において、ゲーム開発に要する期間は長期化し、開発費用も増大傾向にあることや、他社との競争が激化し、事業上のリスクがシリコンスタジオグループの業績に与える影響が大きいことなどから、単独の形でのコンテンツ事業の継続は困難と判断した。

人材事業においては、引き続き人材派遣および紹介件数が堅調に推移。当第3四半期連結会計期間からは、関西方面のエリアにおける積極的な営業展開を開始した。その他、固定費削減のため、事務所レイアウトの再配置を実施し、賃借していた事務所の一部を解約したことに伴う固定資産除却損等7397万円を特別損失に計上した。

以上の結果、当期連結業績は、売上高36億9426万円(前年同期比19.2%減)、営業損失は8億3131万円(前年同期は8億7794万円の損失)、経常損失は8億9358万円(前年同期は8億1026万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億4985万円(前年同期は4億4378万円の損失)だった。

平成30年11月期の連結業績については、7月23日に公表した内容から変更はない。

関連サイト

株式会社シリコンスタジオ公式サイト
平成30年11月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

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