劇場版「うたプリ」の大ヒットで関連商品や音楽CDの販売が伸長。他社ライセンスフィギュアの工場が停止も、クオリティの向上などで売上増。
株式会社ブロッコリー（以下、ブロッコリー）は、令和2年2月期決算（非連結）を4月10日（金）に発表。当事業年度の売上高は64億7900万円（前期比8.4％増）、営業利益は6億8000万円（同15.9％減）、経常利益は7億300万円（同15.7％減）、当期純利益は3億7800万円（同31.2％減）となった。
経営成績に関する説明
「うたの☆プリンスさまっ♪（以下、うたプリ）」においては、『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム（以下、劇場版）」を2016年6月に公開し、12月12日付で興行収入は18億円を突破、同月15日付で観客動員115万人を突破。ブロッコリーでは「うたプリ」の9周年記念作品や関連イベント、商品のリリースに関わった。
関連グッズでは、株式会社ムービックと共同運営で開催した夏季限定ショップ「SHINING STORE 2019」、2020年2月1日から開催の東京ドームシティ Gallery AaMoでの「Another World～WHITE＆BLACK～（※2月29日以降は開催中止）」など、自社イベント開催、他社の女性向けイベントへの出展を重ねてきた。
劇場版の大ヒット及びロングラン上映による集客効果が継続したことで、関連グッズは前期比で増収増益となった。
劇場版は製作委員会の運営案件だが、収益配分に関しては、一部、2月に関連グッズにかかわるロイヤリティ精算が製作委員会から行なわれたことで、売上高と売上総利益に寄与した。
興業収入及びパッケージ商品の収益配分は、令和3年2月期の上半期内に精算する見込みとのこと。
関連CDでは「ST☆RISH」7人のソロベストアルバムをリリースしたことで、前期比で大幅な増収増益となった。
ゲームアプリ『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』でも上記のCD発売に併せて記念イベントを開催したことで、ロイヤリティが前年並みの収益を獲得した。
関連ゲームソフトでは、12月にNintendo Switchソフト『うたの☆プリンスさまっ♪Repeat LOVE for Nintendo Switch』を発売し、売上が好調だったことから、黒字達成と売上総利益への寄与に貢献した。
他社ライセンスグッズは、他社イベント向けグッズの卸売上が前年を下回ったが、一部製品で海外直生産の効果も得られ、前年並みの売上総利益が確保できたようだ。
他社ライセンスフィギュアでは、新型コロナウィルス感染症の影響により、生産委託先の中国工場が年明以降に操業が停止。それにより、2月発売予定だった商品の延期が生じたことで、売上高は前年を下回った。一方で、クオリティの向上とブランディングの継続が奏功したことで、1点あたりの売上数も伸び、売上総利益は前期比増となった。
トレーディングカードゲーム『Z/X -Zillions of enemy X-（ゼクス ジリオンズ オブ エネミー エックス 以下、Z/X）』は、年間を通して好調に推移し、2020年1月に累計出荷数3000万パックを突破した。売上高は前年を大幅に上回り、売上総利益においても前期比で増加した。
TVアニメ「Z/X Code reunion（ゼクス コード リユニオン）」と連動して配信したゲームアプリ『Z/X Code OverBoost（ゼクス コード オーバーブースト）』については、リリース当初から想定した売上高を確保するに至らず、営業赤字が継続。それにより、当事業年度末には初期開発費全額の償却処理及び当該アプリに関連した特別損失を計上した。同様にTVアニメの製作費用も、全額費用処理した。
