「モンハン」や『DMC5』など大型タイトルのリピート販売が利益に貢献。アミューズメント機器事業もパチスロ『新鬼武者』の好調で黒字回復。
株式会社カプコンは、2020年3月期決算(連結)を5月8日(金)に発表。2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)連結業績は、売上高815億9100万円(前期比18.4%減)、営業利益228億2700万円(同25.8%増)、経常利益229億5700万円(同26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は159億4900万円(同27.1%増)となった。
経営成績に関する説明
当連結会計年度のデジタルコンテンツ事業は、主力タイトル『モンスターハンターワールド:アイスボーン(以下、MHWアイスボーン)』が安定した人気に支えられたことで堅調に推移したことに加え、『モンスターハンター:ワールド(以下、MHW)』や『バイオハザード RE:2』『デビル メイ クライ 5』など、大型タイトルのリピート販売も好調で、採算性の高いダウンロード(以下、DL)販売が拡大したことから収益に大きく貢献した。
マルチプラットフォーム展開を推し進めるために、サブスクリプションサービス型(定額制)の「アップルアーケード」向けに、新作タイトル『深世海 Into the Depths』をリリースした。
さらに、将来の成長が期待されるeスポーツビジネスを軌道に乗せるため、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE」を開催したほか、アメリカで「Capcom Pro Tour」の世界決勝大会「CAPCOM CUP 2019」を行なうなど、新たな事業モデルの構築に向けて注力した。
アミューズメント機器事業においては、3月に投入した『新鬼武者』が予想を上回る販売を達成したことによって7期連続の営業増益を達成した。
全体としてはすべての利益項目で3期連続の過去最高益となった。
セグメント毎の業績は以下。
デジタルコンテンツ事業
『MHWアイスボーン』の堅調な推移とともに、採算性が高いDL販売中心の事業を展開して、収益向上をけん引した。
『バイオハザードRE:2』『デビル メイ クライ 5』に関しては、ユーザー層の拡大により続伸した。さらに、『MHW』も累計販売本数1500万本を達成するなど、リピート販売の健闘で利益を伸ばした。
上記の結果、売上高は599億4200万円(前期比27.8%減)、営業利益241億6100万円(同3.6%増)となった。
アミューズメント施設事業
「地域一番店」を旗印に各種イベントの開催やサービスデーの実施など、地域密着型の集客を行なったことで、中高年齢者や訪日外国人などの新規顧客の獲得、リピーターの確保のほか、女性、ファミリー層の取り込みをはかった。
新機軸展開としてオリジナルグッズや限定商品などを取り扱う物販専門店「CAPCOM STORE TOKYO」を渋谷パルコに出店したほか、「プラサカプコン池袋店」「プラサカプコン藤井寺店」の2店舗をオープンして施設数は40店舗となった。
上記の結果、売上高は120億9600万円(前期比9.5%増)、営業利益は12億1100万円(同10.5%増)となった。
アミューズメント機器事業
パチスロ機市場は型式試験方法の変更などで低迷状態が続いていたが、2020年3月に投入した『新鬼武者』が好調に推移したことで、予想を上回る販売台数を達成し、好転の兆しがみえてきた。
上記の結果、売上高は65億3300万円(前期比90.9%増)、営業利益は20億8500万円(前期は営業損失26億6800万円)となった。
その他事業
ライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズなどの物品販売を行なっている。
上記の結果、売上高は30億1800万円(前期比17.2%増)、営業利益は5億4400万円(同32.8%減)となった。