ゲーム事業では新規タイトルの立ち上げ費用の増加で増収減益。新型コロナウイルス感染症の影響がスポーツ事業を直撃。
株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、2020年3月期決算(連結)を5月14日(木)に発表。グループの売上収益は1213億8700万円(前期比2.2%減)、営業損失は456億7600万円(前期は営業利益135億1200万円)、税引前当期損失は402億3500万円(前期は税引前当期利益180億6900万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失は491億6600万円(前期は親会社の所有者に帰属する利益127億900万円)となった。
経営成績に関する説明
当期は中長期で企業価値を向上させるため、ゲーム事業においては健全な収益性の確保や新規ヒットタイトルの創出、加えて、長期的に複数の収益の柱を育てることを見据え、成長へ向けた事業ポートフォリオの強化に取り組んだ。
売上収益は、前期比でゲーム事業やスポーツ事業などが増加したが、前期中に譲渡した株式会社ペイジェントや株式会社DeNAトラベルが連結の範囲外になったことなどを要因に減収となった。
売上原価と販売費及び一般管理費については、前期比でそれぞれ増加した。
支払手数料を中心に、前期に譲渡した上記各社に関連する費用は前連結会計年度比で減少し、既存の事業やサービスにて各種費用の適正化に取り組んだが、成長投資に関する費用やゲーム事業において成長に向けたマーケティング費用、スポーツ事業での費用などが増加した。
セグメント毎の業績は以下。
ゲーム事業
ユーザー消費額が前期比で増加したが、限界利益率の高い年数を経たタイトルが減少傾向にあることや、新規タイトルの立ち上げに関する費用が増加したことで増収減益となった。
上記の結果、売上収益は838億1800万円(前期比0.3%増)、セグメント利益は142億2500万円(同22.2%減)となった。
スポーツ事業
横浜スタジアムの増築と改修が進んだことで、2019年シーズンから一部の稼働を開始した。横浜DeNAベイスターズは、主催試合の入場者数増加やクライマックスシリーズへの進出により好調に推移した。
しかしながら、当第4四半期連結会計期間においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、例年3月下旬から開幕する野球の公式戦が開始に至らず、バスケットボールについても2020年3月27日に、B.LEAGUEにおいて、2019-20シーズンの残り試合の中止が決定した。
上記の結果、売上収益は201億8900万円(前期比11.5%増)、セグメント利益は12億300万円(同17.2%減)となった。
オートモーティブ事業
2020年3月期は、次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の提供地域や利用の拡大に向けた取り組みを中心に積極的に投資を実施した。
2020年2月には、DeNA及びJapanTaxi株式会社(現、株式会社 Mobility Technologies )のタクシー配車アプリ等に関する事業の統合を行なうことを公表した。それにより、同社は、2021年3月期から持分法適用会社になり、DeNAが運営していたタクシー配車アプリなどに関する事業を含めて推進している。
上記の結果、売上収益は15億1200万円(前期比666.9%増)、セグメント損失は78億7700万円(前期はセグメント損失36億1000万円)となった。
ヘルスケア事業
「MYCODE(マイコード)」「kencom(ケンコム)」「歩いておトク」をはじめ、ヘルスケアサービスの分野における既存の提供サービスの利用は堅調に推移した。
一方で、ヘルスケア型保険やR&D分野などを中心に、将来に向けた先行投資を行なった。
上記の結果、売上収益は17億8500万円(前期比20.0%減)、セグメント損失は15億5900万円(前期はセグメント損失12億4000万円)となった。
新規事業・その他
ソーシャルLIVEサービスをはじめ、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みを行なっている。
上記の結果、売上収益は143億2200万円(前期比31.2%減)、セグメント損失は23億7900万円(前期はセグメント損失11億4000万円)となった。