書店販売限定キャンペーンで、児童文庫フェア「キミはまだ、名作の面白さを知らない」対象作品を描きおろし限定カバーで提供。
株式会社ポプラ社は、6月中旬から全国書店店頭で展開する夏の児童文庫フェア「キミはまだ、名作の面白さを知らない」にて、人気マンガ家8人によって描きおろされた限定オリジナルカバーで販売することを発表した。
このフェアは『坊っちゃん』や『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など名作文学のロングセラー本と、浅野いにお氏や板垣巴留氏といった人気マンガ家のコラボレーション企画で、各マンガ家が担当作品の内容から1場面を選んで描きおろした1コマイラストをカバーにした限定本が、書店店頭限定で販売される。
今回のフェアについて、名作文学のイラストを手掛けたマンガ家8人が以下のコメントを寄せている。
浅野いにお先生(担当作:『坊っちゃん』夏目漱石)
「どこまでも真っ直ぐな気持ちを曲げない『坊っちゃん』。赴任先の中学校で次々と起こる珍騒動を軸に、ともすれば危なっかしいその正義感は、周りの大人達をおおいに引っ掻き回してゆく。江戸っ子らしい気っぷの良さと、『べらんめえ』で語られる大人達は極めて人間味に溢れ、辛辣ながらも人への愛情が深い。舞台となった松山の抜けるような空を想わせる、気持ちの良い作品です。」
板垣巴留先生(担当作:『ドリトル先生』ロフティング)
「心が通っていなければ楽しい会話はできない。愛情深いドリトル先生だからこそ動物の言語を修得できたのだと思う。」
市川春子先生(担当作:『銀河鉄道の夜』宮沢賢治)
「宮沢賢治はいつも、この世界と、遠い別の世界とを混ぜてお話を作ります。なのでわかるところとわからないところがあると思いますが、好きなふうに読んでいいと思います。この『銀河鉄道の夜』にも、怖かったり寂しかったり、きれいなものの中にちょっと嫌なものが混ざっていたり、なんだかわからないことがいくつかあるかもしれませんが、それはそのままにしておいて大丈夫です。いつか大人になり、なんか色々あった後もう一度読むと、驚くほどぜんぶわかるようになっています。それまで長い楽しみをくれるのが、宮沢賢治のお話のすごいところです。」
衛藤ヒロユキ先生(担当作:『オズの魔法使い』バウム)
「世の中は強さや正しさだけでできているのだろうか? 高校生のころそんな疑問を持った僕がまず手にしたのは児童文学やファンタジー小説でした。家ごと竜巻で吹っ飛ばされた女の子が、ヘンな仲間たちとともに魔女に立ち向かう『オズの魔法使い』は、120年前に描かれたファンタジーの古典ですが、「ヘンでもいいんだ、変則もありなんだ、あと笑いも必要ね」と語りかけてくれます。これぞ生きる知恵だと僕は思います。あなたの人生にもヘンと笑いを!」
大童澄瞳先生(担当作:『十五少年漂流記』ベルヌ)
「“SFの父”と呼ばれているジュール・ベルヌの書いた少年冒険小説! 自然・科学にも理解が深かったベルヌの書いたこの小説は、様々な気象や生物が少年達に立ちはだかる。少年達がそれらを乗り越えるのもまた、自然や科学を応用した頑張りなのだ。あなたが彼らの一員だったら、襲い来るたくさんの困難にどう立ち向かうだろうか?」
スケラッコ先生(担当作:『注文の多い料理店』宮沢賢治)
「『注文の多い料理店』は昔から大好きなお話です。題名を聴いただけでワクワクしませんか?『どんな料理がでてくるんだろう。』『行ってみたい!』って。しかし、そのお店には思ってもみない「注文」がたくさんあるのでした。宮沢賢治のお話の中では、りすや森が話しだすし、電信柱は行進したりと賑やかです。そして人間、動物、自然がみんな対等な関係にあります。その世界をみなさんに体験して欲しいと思います。」
種村有菜先生(担当作:『おちゃめなふたご』ブライトン)
「真夜中のパーティとはなんと魅力的なことでしょう。可愛いケーキにお菓子たち、パジャマにガウン姿、何を話しても楽しい友達、そしてそれは大人には秘密なのです。とても些細ないたずら心は大きな経験と思い出になるでしょう。ぜひクレア学院に入学した気になってふたごと共に素敵な毎日を過ごしてみてはいかがでしょう?」
星野リリィ先生(担当作:『ジキル博士とハイド氏』スティーブンソン)
「怪奇小説、または推理小説でもあるとても有名な古典作品です。読んだことのないみなさんもタイトルは知っていたりするのではないでしょうか。人間の善と悪の葛藤や理想の自分でありたいという願望が物語のテーマになっていて、今読んでもまったく色褪せることがなく楽しめる作品です。」