新型コロナウイルス感染症の拡大でコンシューマ事業に大きな影響。セグメント利益が前期比55%減の大打撃。
株式会社アイモバイル(以下、アイモバイル)は、2020年7月期第3四半期決算(連結)を6月11日(木)に発表した。当第3四半期連結累計期間の売上高は120億1460万円(前年同期比30.9%減)、営業利益は20億67万円(同40.7%減)、経常利益は19億8675万円(同41.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億2066万円(同19.2%減)となった。
経営成績に関する説明
アイモバイルグループは、プラットフォーム事業をベースにしたインターネットマーケティング企業として、新市場の開拓と成長事業分野への投資を推進し、企業価値の向上につとめている。
ふるさと納税事業「ふるなび」では、インターネットマーケティングに積極的な自治体との取引を増やしていくとともに、精力的なユーザー向けのプロモーション活動を展開してきた。さらに、継続的にテレビCMを放映することで「ふるなび」ブランドの認知度の向上と、ふるさと納税制度の浸透につとめてきた。
インターネット広告事業では、海外クライアントの獲得や重点領域であるメディアソリューション事業での顧客拡大、動画広告事業におけるモバイルアプリ向けのメディアの拡大に注力してきた。一方で、市場の高成長の中心は大規模プラットフォーマーであり、市場では個人情報保護規制の強化やアドフラウド(広告詐欺)による問題も顕在化してきているとのこと。市場の変化に対応するため、アイモバイルグループもより効果的で適正な広告運用を行なう体制を強化している。
セグメント毎の詳細は以下。
コンシューマ事業
ふるさと納税事業「ふるなび」、ネットキャッチャー事業、人材紹介事業、レストランPR事業、ネット通販事業などを展開している。
主力事業であるふるさと納税事業「ふるなび」については、需要喚起キャンペーンやリピーターへの想起施策などの積極的なプロモーションを行なってきた。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、ネットキャッチャー事業及びレストランPR事業に負の影響をもたらし、また、前年度の「ふるさと納税に係る指定制度」施行に伴う特需効果が剥落した影響で、前年同期比で収益が減少した。
また、前四半期に実施したテレビCMによる「ふるなび」ブランドの認知度向上などが寄与し、寄附件数は前年同四半期比39.4%増加し、会員数、契約自治体数とも順調に増加した結果、2020年3月12日発表の通期連結業績予想の当四半期目標に対しては売上高、営業利益ともに大幅に上回る結果となった。
上記の結果、売上高は39億7747万円(前年同期比47.0%減)、セグメント利益は13億446万円(同54.3%減)となった。
インターネット広告事業
アドネットワーク事業、動画広告事業「maio」、メディアソリューション事業、広告代理店事業「サイバーコンサルタント」、アフィリエイト事業、アプリ運営事業「オーテ」などを展開している。
戦略投資分野であるアプリ運営事業では、積極的な広告投資による新規顧客獲得の成功に加え、アドネットワーク事業と共に、外出自粛によるインターネット接触時間の増加が、収益に寄与した。
しかしながら、動画広告事業での広告審査基準の厳格化によるEC顧客の減少、メディアソリューション事業での新型コロナウイルス感染症の拡大による大手企業の広告自粛によってインプレッション単価(CPM)の低下につながった。ほかにも、広告代理店事業で一部顧客の広告予算縮小の影響を受けたことで、厳しい事業環境であった。
上記の結果、売上高は90億1803万円(前年同期比11.5%減)、セグメント利益は6億4326万円(同38.3%増)となった。