e-sports先進国である韓国でプロゲーマーの試合を生で体験!
編集部員kです。
今日は、先週までお世話になったオンラインゲーム先進国である韓国のプロゲーマーについてお伝えしたいと思います。
日本ではあまり馴染みがありませんが、韓国や米国といったゲーム競技が盛んな国では、それらを「e-sports」と呼んでスポーツのひとつとして認知しています。そして、その世界ではゲームをプレイすることで生活をしているプロゲーマーが多数存在しているのです。日本にも格闘ゲームを専門分野にした有名プロゲーマーが何名かいますが、韓国のプロゲーマー界は規模が違い、複数のプロチームが対決する大きなリーグ戦が年に数回開催され、そのすべての試合がテレビやインターネットを通じて国内外に放送されていて、視聴者数は数百万人にもなるそうです。
今回取材にいった「G-STAR2014」の会場でも、リーグ戦への優先出場をかけた予選が開催されていたので、これはチャンスとばかりにe-sports本場の雰囲気を体験してきました!
◆選手の一挙手一投足に歓声をあげる観客が熱い!
今回は世界的な人気を誇るPCゲーム『League of Legend(以下、LoL)』の試合を観戦してきました。
このゲームは、5人1チームとなって相手チームと戦うMOBA(Multi Online Battle Arena)で、シンプルなルールながらも、多彩なプレイヤーキャラクターとマップの地形などを利用した奥深い戦略が楽しめることで知られています。韓国でも人気が高く、すでに2015年にもテレビ局が主催となって大規模なリーグ戦が開催されることが決定しています。
会場は釜山のセンタムシティーにあるBEXCO AUDITORIUM。シート数4000席という大きな映画館のようなところで、開催時間が迫ると続々と観客が入ってきて、はじまる頃には8割ぐらいは埋まっていました。
▲ステージ左右には、防音処理が施されたボックスがあり、各チームの選手はこのボックスのなかでプレイします。中心には実況席が2つ。この日は韓国語と英語でライブ中継がされていたようです。
▲防音室の中をチラっと。プレイ中の選手たちは防音室のなかでイヤフォンとヘッドフォンもつけます。これは、観客のざわめきなどが聞こえて試合に影響しないためです。
◆玄人の観客はキャラクターセレクトから見どころ!
試合の放送が始まると、実況解説の声が会場内に大音量で響きわたります。会場内の各所にはテレビカメラが設置され、クレーンタイプのものも含めると10台以上で同時撮影を行っていたのではないでしょうか。まさに万全の体制ですね。
中央の大きな画面にチームメンバーがひとりずつ紹介されて、それが終わると、いよいよ試合開始! と思いきや、キャラクターセレクト画面です。実はLoLで使用できるキャラクターは、2014年11月で120人以上存在していて、各プレイヤーはそのなかから自分の得意なキャラクターやチームに有利なキャラクターを選ばなくてはなりません。
ただし、試合では常に自分の得意なキャラクターを選べるわけではなく、「ドラフトピック」と呼ばれる選択方法で、ゲームに使えないキャラクター(BANキャラクター)の設定や、チーム毎で交互にキャラクターを選択することで、強力なキャラクターを先取りしたり、相手チームの得意なキャラクターをつぶすなど、すでにここから高度な駆け引きが始まります。
観戦しているお客さんもそのシステムを十分に理解しているので、キャラクター選択ですでにどよめいたり、応援しているチームが得意なキャラクターの選択に成功すると大きな拍手や歓声が起こっていました。
▲わかりづらいけど、中央の画面の左右にあるのが各自の選択したキャラクター。その下に並んでいる3キャラクターがBAN(使用不可)されたキャラクターです。選手たちはボイスチャットで相談をしながら使用キャラクターを選択していきます。
◆プロゲーマーのテクニックと華麗な連携プレイに熱狂!
試合が始まると、観客の目はますます画面に釘付けに。というか、さすがプロと呼ばれる選手たち。チームメンバー同士の統制がとれた細やかな操作が伺える動きは感動ものですね。両チームのキャラクターすべてが一箇所に集まってのバトルのときは、観客席では地鳴りがしそうなほどの歓声があがり、熱狂というにふさわしい盛り上がりぶりに僕も大興奮。一緒になって応援してきました!
▲試合の流れを左右する両チームの総力戦。敵チームの誰を狙うか? おとりは? 狙われたらどうするか? など、様々なことを一瞬で判断しなければいけないギリギリの攻防。ここで勝利すれば、その後の展開をグッと有利に進められる。
この試合は、終始押されていた青チームが赤チームの隙をついて本拠地を狙いにいきましたが、ギリギリで戻った赤チームに阻止され、そのまま青チームの本拠地を破壊した赤チームの勝利で終わりました。試合時間は大体30分ちょっとくらい。あっという間に過ぎていました。
勝利チームはボックスの中で互いの健闘を称えあい、惜しくも敗れてしまったチームの選手たちはボックスのなかでぐったりとうなだれていて、彼らのゲームに取り組む真剣さが垣間みえました。
観客の方々は、自分の応援するチームの試合が終わると帰ってしまう人たちが意外に多かったのが新鮮でした。ただ、それで観客が少なくなるわけではなく、入れ替わるように次の試合の出場チームを応援する方々が入ってきて席が埋まっていったところに、日本との文化の違いが感じられて少し新鮮に感じましたね。
▲敵チームのキャラクターが復活する前に、本拠地を総攻撃。このときも観客席では、赤チームを応援する方々から大きな歓声があがっていました。
▲ボックス内で立ち上がって喜びを表現する勝利チーム。毎日の練習が報われる瞬間ですね。
◆ブースステージにも伝説クラスのプレイヤーが登場!
後日になりますが「G-STAR2014」のBtoC会場のHungry APPブースでもプロゲーマーの試合がみられました。この時、彼らがプレイしていたのは1998年に販売された「STAR CRAFT」といわれるPC用のRTS(Real Time Strategy)ゲーム。
なぜ15年も前のゲームをやっているのかというと、実はSTAR CRAFTは韓国で爆発的に売れて、一時期は国の人口の10%ほどの人がプレイしているともいわれたゲームなんです。その流行に伴ってプロリーグも盛り上がり、ほんの数年前まで現役でプロリーグが開催されていました(表立っていないだけで、もしかしたら今もやっているのかもしれません……)。
そのプロリーグを盛り上げるのに一役買っていたスタープレイヤーたちを「G-STAR2014」会場に集めて、ブースステージで賞金3000000ウォン(約30万円)をかけた大会を開催していました。昔のゲームだというのにたくさんの若い方が観戦に訪れていて、本当に人気のある選手だと実感しましたね。
▲15年前のゲームでこの集客! これはブースの中だけですが外のモニターでも、たくさんの人が足を止めてました。
▲「Bisu」というコードネームで知られるキム テギョン選手。STAR CRAFTのプロトスという種族を使わせたら世界一ともいわれるスタープレイヤーのひとり。
この大会のあと、彼を含むプロゲーマーたちのサイン会をやっていましたが、「先着50人」のアナウンスにもかかわらずファンが殺到し、「人数で区切るのはやめて30分間にします」と訂正されるほどの盛況っぷり。プロゲーマーのスター性の高さも改めて認識。正にゲーマーの憧れの的のようです。
▲サイン会の様子。老若男女幅広い層のファンが長い列を作っていました。
そんなプロゲーマー観戦日記でしたが、日本でもLoLのプロゲーマー対戦を盛り上げようと頑張っている人たちがいます。LoLの日本語版も2015年に販売されるという話もあるので、機会があったら観戦にいってみたいですね! ゲームの内容がわからなくても大丈夫! オフサイドや間接フリーキックがわからない女の子もワールドカップは楽しんでいるじゃないか。本当にスポーツをみる感覚でゆるりと楽しむのもありだと思うので、みなさんもみてみるとおもしろいかもしれませんよ?
では、今日はこの辺で。
▲滞在中のホテルのハードディスクにもLoLの番組が収録されていました。本当にメジャーなスポーツのひとつといえますな~……。