インプレス、産業調査レポート「電子書籍ビジネス調査報告書2020」を8月21日に発売

電子書籍ビジネス調査報告書2020

2019年度の電子書籍市場は前年比22.9%増の3473億円。そのうち2989億円が電子コミックと市場占有率が上昇。

株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、電子書籍市場の動向を調査し、市場と電子書籍に関する調査結果をまとめた新産業調査レポート「電子書籍ビジネス調査報告書2020」を、8月21日(金)に発売することを発表した。

電子書籍ビジネス調査報告書2020

今回の調査は、出版社や電子書籍ストア、取次事業者、通信事業者などの主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査と、 ユーザーアンケートなどを分析して、その結果をまとめたものとのこと。

主なトピックス

2019年度の電子書籍市場規模は前年比22.9%増の3473億円
2019年度の電子書籍市場規模は3473億円と推計され、2018年度の2826億円から前年比22.9%増加した。社会問題化していた海賊版サイトの閉鎖以降、電子書籍の認知度向上と正規サイトの利用促進が進んだことで、売上拡大が続いている。

一方で、電子雑誌市場規模は277億円(前年比6.4%減)と推計され、 2年連続の減少となった。

電子書籍と電子雑誌をあわせた電子出版市場は3750億円で、2020年度以降も日本の電子出版市場は拡大し、2024年度には2019年度の1.5倍の5669億円程度になると予測している。

電子書籍・電子雑誌の市場規模予測

電子書籍・電子雑誌の市場規模予測

2019年度の電子コミック市場規模は2989億円に増加、コミックの市場占有率がさらに上昇
2019年度の電子書籍市場規模のうち、 コミックが前年度から602億円増加の2989億円(市場シェア86.1%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が前年度から45億円増加の484億円(同13.9%)となった。

電子書籍市場規模のジャンル別内訳

電子書籍市場規模のジャンル別内訳

2019年度のマンガアプリ広告市場は210億円、2020年度は270億円に拡大
無料でマンガが読めるアプリやサービスの利用が引き続き拡大しており、2019年度のマンガアプリ広告市場規模は210億円になった。動画リワード広告と読了後に表示する静止画・動画広告、オファーウォールが主流となっており、特に動画リワード広告が急激に拡大しているとのこと。それらの結果から、2020年度は270億円程度に達すると予測している。

マンガアプリ広告市場規模

マンガアプリ広告市場規模

有料電子書籍利用率は20.0%、無料利用も含めた電子書籍利用率は44.7%(昨年比1.0ポイント増加)
モバイル(スマートフォン・タブレット)ユーザーに対して、電子書籍の利用率(電子雑誌利用も含む)を調査したところ、有料の電子書籍利用率は20.0%となり、2019年から0.2ポイントの増加となった。「無料の電子書籍のみを利用している」は24.7%となり、2018年からは0.8ポイント増加した。

年代や性別の内訳をみると、有料電子書籍の利用率が高いのは男性30代の27.2%、男性20代の25.2%、女性30代の23.6%、男性40代の22.6%の順で、男女ともに30代が最も高い結果になった。無料の電子書籍のみの利用率に関しては、最も高いのが女性10代の38.9%で、それに続いて、男性10代の30.8%、女性20代の29.2%、男性20代の28.2%となった。男女とも10代が最も高い比率で、高年代になるほど低下する傾向にあり、性年代別の利用率を昨年度と比較すると、ほとんどの年代で昨年調査時よりも有料での利用率が増加しているとのこと。

電子書籍利用率の推移

電子書籍利用率の推移

性年代別電子書籍利用率

性年代別電子書籍利用率

性年代別電子書籍利用率

性年代別電子書籍利用率

また、有料、無料を問わずに電子書籍を利用していると回答した人に、利用している電子書籍サービスやアプリをたずねると、「Kindleストア」が26.2%で最も高く、2位は「LINEマンガ」の25.0%、3位は「ピッコマ」の15.1%、4位は「少年ジャンプ+」の14.4%、5位は「楽天Kobo電子書籍ストア」の13.6%という結果になった。電子書籍ストアやマンガアプリが混在し、定額制読み放題サービスや投稿サイトもランクインした。

利用している電子書籍サービスやアプリ名(複数回答、 上位20位まで)

利用している電子書籍サービスやアプリ名(複数回答、上位20位まで)

書籍概要

タイトル:電子書籍ビジネス調査報告書2020
著・編:インプレス総合研究所
発行所:株式会社インプレス
発売日:2020年8月21日(金)
価格
CD(PDF)版、ダウンロード版:68000円(税別)
CD(PDF)+冊子版:78000円(税別)
判型:A4判
ページ数:282ページ

構成・各章の概要
第1章:電子書籍の定義と市場規模
電子書籍の定義を整理。また、電子書籍の市場規模の推移と今後の予測について、より詳細な解説を加えています。

第2章:国内の電子書籍ビジネスの最新動向
国内の電子書籍の最新動向を掲載しています。電子書籍市場を深く理解する上で必要な最新トピックスなど分析を交えながら紹介しています。また、今後の動向について展望しています。

第3章:米国の電子書籍ビジネスの最新動向
米国の電子書籍の最新動向を掲載しています。電子書籍市場を深く理解する上で必要な最新トピックスなど分析を交えながら紹介しています。

第4章:電子書籍ストア/サービスの最新動向
16の国内電子書籍ストア/サービスについて個票形式で最新動向を掲載。掲載項目は、「特徴・コンセプト」「最新トピックス」「戦略・目標」「各種戦略や施策」「売上動向」「料金モデル・サービス・プラン」「ユーザープロフィール」「課題」など20項目以上にわたり掲載しています。

第5章:ユーザーの電子書籍利用実態
2つのテーマの調査を、モバイルユーザー(スマートフォン・タブレット)を対象にウェブアンケートを行ない、その結果を掲載しています。

利用率調査では、スマートフォン・タブレットユーザーを対象に、有料、無料の電子書籍利用率や、紙及び電子のマンガ、書籍、雑誌の購読状況等を掲載しています。
電子書籍利用者実態調査では、電子書籍利用者の利用実態を詳細に調査。読む電子書籍のジャンル、利用しているサービスやアプリと購入・課金しているサービスやアプリ、電子書籍読むときや読む場所、電子書籍を読む環境と量、購入・課金状況の5つの分類に分け、合計25問の調査結果を掲載しています。

特別付録
5章に掲載したユーザーの電子書籍利用実態調査のグラフ・表をExcel形式で収録しています。

電子書籍の利用率調査
調査対象:コロプラ スマートアンサーの保有するモニター
有効回答数:11017サンプル
サンプリング:性年齢階層別スマートフォンでのインターネット利用人口構成比(総務省 通信利用動向調査)に可能な限り整合するように抽出。ただし、年代により回収率が異なっており母集団との乖離がみられるため、比重調整を行った上で分析している
調査手法:スマートフォン・タブレットのアプリ上でのアンケート
調査期間:2020年6月26日(金)~7月12日(日)

電子書籍利用実態調査
調査対象:上記の利用率調査で電子書籍を利用していると回答した人
有効回答数:3467
調査手法:スマートフォン・タブレットのアプリ上でのアンケート
調査期間:2020年7月7日(火)~7月14日(火)

詳細ページ: https://research.impress.co.jp/ebook2020

関連サイト

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