凸版印刷、イベント中止などでプリントサービスや出版印刷の苦戦で減収減益 営業利益30億円 2021年3月期第1四半期決算短信

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新型コロナウイルスがプリントサービスや出版印刷に影響して減益。巣ごもり需要で成長を続けるBookLiveなど電子書籍ではさらなる事業拡大を推進。

凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は、2021年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月27日(木)に発表した。当期の連結経営成績は、売上高3282億8300万円(前年同期比4.7%減)、営業利益30億8200万円(同17.3%減)、経常利益24億6300万円(同49.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6億4900万円(同77.6%減)だった。

凸版印刷決算

経営成績に関する説明

凸版グループは、SDGs推進体制を構築するとともに、取り組みに関する基本的な考え方をまとめた「TOPPAN SDGs STATEMENT」に基づいて活動している。

また、安定した財務基盤を確保しながら新たな収益モデルを早期確立すべく、新規事業においては積極的に経営資源を投入していくとともに、既存事業においてはさらなる技術開発強化やコスト削減など、競争優位性の確立を推進していく。

当第1四半期連結累計機関におけるセグメント別の状況は以下の通り。

情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ICカード関連が好調に推移し、前年を上回った。また、抗菌剤入りカードの生産体制を強化するなど、各領域で高まる環境衛生へのニーズに対応した。ホログラム製造においては、世界最高水準のセキュリティ認証を取得するなど、より安全性の高いセキュアソリューションの提供を推進した。

ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは前年度の改元や税率引き上げに伴う需要増の反動減、製品仕様の簡素化による単価下落や電子化に伴う数量減などの影響により、減収となった。データ・プリント・サービスは、経済対策関連の通知物需要の取り込みなどはあったが、新型コロナウイルス感染症の影響により金融機関を中心とした事務通知物やダイレクトメールの縮小などがあり、前年からわずかに減収となった。

コンテンツ・マーケティング関連では、出版印刷は雑誌の部数減や販売中止などの影響を受け、前年を下回った。SP関連ツール及び商業印刷は、イベントの中止・延期やパンフレットの減少などにより、減収となった。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みとしては、文化財のアーカイブ化やAR/VRコンテンツ制作などの技術開発の推進、イベントの空間設計・映像制作などのノウハウにWeb会議システムを掛け合わせたオンライン施設見学ソリューションの提供など、デジタル技術をいかしたサービスに注力した。

コロナ禍における巣ごもり需要の拡大に伴い成長を続ける電子書籍市場において、株式会社BookLiveは、新たなテレビCMを放映するなど、さらなる事業の拡大に取り組んだ。

BPO関連では、企業などのアウトソーシング需要増加の影響もあり、前年を上回った。また、BPO領域に特化した新会社、株式会社TBネクストコミュニケーションズを設立し、知識、ノウハウやデジタル技術などを活用したBPOサービスを提供する体制を整えた。

以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は1868億円(前年同期比9.1%減)、営業利益は27億円(同35%減)となった。

その他事業分野の業績は、生活・産業事業分野が売上高1037億円(前年同期比3.1%増)、営業利益54億円(同0.1%増)、エレクトロニクス事業分が売上高421億円(同1.2%減)、営業利益19億円(同6.8%増)となった。

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