業績低迷しているところに新型コロナウイルス感染症による休業で業績改善が見込めず事業を断念。
インターネットカフェを経営する株式会社サンコー(以下、サンコー)と関連会社の株式会社カキタ(以下、カキタ)の2社が、10月15日に広島地裁から破産手続き開始決定を受けたことが、帝国データバンクの倒産速報記事で明らかになった。申し立て時点の負債は、金融債務を中心に、サンコーが約17億円、カキタが約4億7000万円だが、変動する可能性もあるという。
サンコーは、1982年5月に「アサヒ書店」の屋号で書籍小売りを目的に創業した企業で、その後、「レンタルビデオポパイ出汐店」を1983年10月にオープンして以降、レンタルビデオやレンタルCD店の運営を本格化して1986年6月に法人改組している。
広島市内を中心にしてインターネットカフェ「メディアカフェポパイ」を運営しており、2000年代に入ってからは広島市内中心部に加えて、関東でも出店を開始。2008年4月期には年収入高約33億5400万円を計上していた。
その後、レンタルビデオやレンタルCD店を営む大手同業者との競合に加え、スマートフォンの普及による利用者の減少などで、業績が低迷したことから不採算店舗を閉鎖し、首都圏でインターネットカフェ店の増設や喫茶店、飲食店などを開設してきたが、業績全体を底上げするまでには至らず、近年は年間売上高27億円前後だったそうだ。
その後、年商規模にまで膨れあがった借入金が収益を圧迫したことで資金繰りが厳しくなり、仕入れコストや人件費の削減につとめながらスポンサーや事業譲渡先を模索してきたが、奏功しなかった。
債権者から破産を申し立てられるなか、営業を継続してきたが、2020年は新型コロナウイルスの影響で休業し、緊急事態宣言の解除後も集客が回復せず、事業継続を断念したとのこと。
関連会社であるカキタは、1984年6月創業、2008年5月に法人改組され、サンコーと同様の事業を展開していたが、サンコーの事業断念に連鎖した形で、こちらも事業継続を断念した。