映像製作・販売事業で収益性の高い海外映像の売上増などが利益に貢献するも、コロナ禍の影響で全体業績は減収減益。
東映アニメーション株式会社(以下、東映アニメーション)は、2021年3月期第3四半期決算短信(連結)を1月25日(月)に発表した。当第3四半期連結累計期間における売上高は、376億3200万円(前年同期比9.1%減)、営業利益は119億200万円(同2.7%減)、経常利益は121億6300万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は86億2400万円(同3.0%減)だった。
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間における東映アニメーショングループでは、「ドラゴンボール」や「ワンピース」「プリキュア」シリーズといった主力作品群からの安定的な収益の確保と拡大をはかるとともに、海外事業に引き続き注力してきた。また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指すため、映像製作や販売事業にも積極的に取り組んだ。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による劇場作品の公開延期、テレビアニメの新作話放送休止、商品販売店舗の営業自粛、イベント、催事の延期や中止などが売上に大きく影響を及ぼした。
セグメント毎の業績は以下。
映像製作・販売事業
劇場アニメ部門では、7月に映画「人体のサバイバル!」、8月に「東映まんがまつり」、10月に「映画プリキュアミラクルリープ」、11月に映画「魔女見習いをさがして」を公開した。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響や、前年同期にヒットした劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の反動減により、前年同期比では大きく減収となった。
テレビアニメ部門では、「ワンピース」「ヒーリングっど ♥ プリキュア」「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「デジモンアドベンチャー:」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「おしりたんてい」の6作品を放映した。前年同期好調に稼働したゲーム向け音声製作や催事イベント向け映像製作の反動減により、大幅な減収となった。
コンテンツ部門では、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」のブルーレイやDVDが好調だったことから、増収となった。
海外映像部門では、サウジアラビア向け劇場作品の納品に加え、北米向け劇場上映権、北米とアジア向け映像配信権の販売が好調だったことから、大幅な増収となった。
その他部門では、前年同期好調に稼働した劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けた映像配信権販売の反動減に加え、スマートフォン向けゲーム『聖闘士星矢 ギャラクシースピリッツ』のサービス終了により、大幅な減収となった。
上記の結果、売上高は146億300万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益は41億7700万円(同8.5%増)だった。
版権事業
国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が好調だった前年同期の勢いには至らなかったことや、前年同期に好調だった劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向け許諾、遊技機の契約の反動減などにより、大幅な減収となった。
海外版権部門では、欧米で「ドラゴンボール」シリーズ、アジアで「スラムダンク」などのアプリゲームが好調だったことで、大幅な増収という結果になった。
上記の結果、売上高は211億9700万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は103億9100万円(同1.0%減)だった。
商品販売事業
商品販売部門では、前年同期の劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向けノベルティグッズなどの販売による反動減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、商品販売店舗の営業自粛を行なったことなどから、大幅な減収という結果になった。
この結果、売上高は16億700万円(前年同期比53.3%減)、セグメント損失は1億5900万円(前年同期はセグメント利益6300万円)だった。
その他事業
催事イベントやキャラクターショーなどを展開したが、新型コロナウイルス感染症の拡大によるイベントや催事の延期、中止などを受けて、大幅な減収となった。
上記の結果、売上高は2億7200万円(前年同期比59.3%減)、セグメント損失は1億3900万円(前年同期はセグメント損失1400万円)という結果になった。
関連サイト
東映アニメーション株式会社公式サイト
2021年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期第3四半期決算補足資料