人気コミックスやその関連商品の需要増などが業績に貢献。新星堂事業やTSUTAYA事業ではアフターコロナを見据えた事業構造を構築。
株式会社ワンダーコーポレーション(以下、ワンダーコーポレーション)は、2021年3月期第3四半期決算短信(連結)を2月10日(水)に発表した。当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高426億6200万円(前年同期比7.2%減)、営業利益11億8000万円(同62.3%増)、経常利益11億9800万円(同63.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益7億1300万円(同32.3%増)となった。
経営成績に関する説明
WonderGOO事業
従来の仕入型小売業から脱却し、安定した収益構造を確立するため、不採算部門の撤退縮小や収益力の高い事業の導入を行なったことに加え、組織変更による人員の適正化といった構造改革も実施することで、収益を大幅に改善した。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、ゲームソフトや本などの巣ごもり商材の需要が高い水準を維持していることや、新型ゲームハードの発売、人気コミックス作品とその関連商品の需要の急騰なども業績に貢献した。
今後も引き続き、時代のニーズへの対応と、店舗収益力の向上のため、様々なアクションを行なっていく。
WonderREX事業
新型コロナウイルス感染症の拡大により常態化した外出自粛などの影響から、主力のブランド宝飾品や服飾品などの販売が低調に推移したことで、厳しい状況が続いている。そのなかで、10月1日に自社ECサイト「REXT ONLINE」をオープンし、自社運営のメリットをいかして、店舗とEC販売の連携強化と収益最大化に向けて取り組んできた。
また、低投資で買取に特化した新業態の買取専門店舗「買取王REXT」について、10月30日に「買取王REXT中山とうきゅう店」、11月20日に「買取王REXT鎌倉とうきゅう店」を出店し、期中の出店は合計8店舗となった。
その他にも、従来の店舗への持込買取に加え、買取鑑定会イベントや一軒丸ごと買取、出張買取など、買取の窓口を拡げるための施策を行なってきた。
今後は、利用者の様々なニーズにこたえるため、非対面分野への取り組みと買取訴求の強化を推進する。
TSUTAYA事業
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、ゲームなどのパッケージ商材、本、映像・音楽レンタルなどの巣ごもり商材への需要が高まったことで堅調に推移した。
アフターコロナを見据え、映像や音楽レンタル中心の事業構造からの転換をはかるため、不採算店舗の閉店やトレーディングカード専門店「バトロコ」の出店など、収益改善に取り組んでいる。
新星堂事業
新型コロナウイルス感染症の拡大対策を講じたリアルイベントの開催数が増加傾向にある中で、オンラインの利点を活かしたライブ配信とEC販売の融合イベント、インターネットサイン会やオンライントークイベント、ドライブインシアターなど、情勢におうじたイベントを行なってきた。
今後についても、長期化するウィズコロナ時代、あるいはその先のアフターコロナ時代に適応したイベント形態や、新たな事業モデルを確立し、収益の向上に取り組む。
また、ワンダーコーポレーションでは、働き方改革を推進する上で、多様な働き方のひとつとして、社員の転進を支援し、既存事業の効率化による収益性の強化に向けて、適正な要因構成の実現をはかる必要があるという観点から、選択定年制度を導入した。この制度について、割増退職金と再就職支援に伴う発生費用として特別損失2億500万円を計上した。なお、退職に伴う人件費コストの適正化により営業利益と経常利益に与える影響は微増を見込んでいる。