コナミHD、ゲームの販売好調に加えてスポーツ事業が黒字回復 営業利益194億円 2022年3月期第1四半期決算短信

コナミ00

家庭用ゲームやモバイルゲームなどが好調に推移したほか、コロナ禍の影響を受けているスポーツ事業が回復傾向。

コナミホールディングス株式会社(以下、コナミHD)は、2022年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月5日に発表した。当第1四半期連結累計期間の売上高は683億2600万円(前年同期比29.2%増)、事業利益は202億7800万円(同64.2%増)、営業利益は194億3700万円(同187.0%増)、税引前四半期利益は191億1500万円(同204.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は136億5900万円(前年同期比225.7%増)となった。

コナミ2022年3月期第1四半期決算

経営成績に関する説明

コナミグループの当第1四半期連結累計期間における経営成績は、デジタルエンタテインメント事業が引き続き堅調に推移したことに加えて、前期新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた他の事業において売上高に回復の兆しがみられ、事業利益が黒字となった。これにより売上高は増収、事業利益、営業利益及び親会社の所有者に帰属する四半期利益は、四半期における最高益となった。

コナミ001

デジタルエンタテインメント事業
エンタテインメント市場においては、モバイル端末や家庭用ゲーム機器などの各種デバイスの高性能化、次世代通信システムのサービス開始により、ゲームコンテンツの今後の展開が期待されている。また、時代の変化に伴い、個人消費において「豊かな経験や体験による日々の充実」への志向が高まっている。さらに、ゲームをスポーツ競技として捉えるeスポーツが認知され、ファン層を拡大するなど、コンテンツの新しい楽しみ方が広がっている。

このような状況のもと、当事業のモバイルゲームでは、グローバル市場において、世界累計4億ダウンロードを達成した『eFootball ウイニングイレブン 2021(海外名:eFootball PES 2021)』と『遊戯王 デュエルリンクス』が牽引した。国内市場では、『プロ野球スピリッツA(エース)』が好調に推移したほか、「実況パワフルプロ野球」等のタイトルも引き続き好評となっている。

カードゲームでは、「遊戯王トレーディングカードゲーム」のグローバル展開を継続し、コロナ禍でも国内外で支持を獲得した。また、「遊戯王ラッシュデュエル」は、店頭での各種キャンペーン施策を引き続き行い、若年層を中心に継続的に訴求している。

家庭用ゲームでは、累計販売本数300万本を突破した『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~』において、インターネットを使ってプレーするともらえるマイルを使った「マイレージサービス」を新たに搭載するなど、引き続き注目を集めている。

新規タイトルとしては、Steam®にて和風アクションゲーム『GetsuFumaDen: Undying Moon』の早期アクセスを、マルチプラットフォームにて『スーパーボンバーマン R オンライン』の配信をそれぞれ開始している。また、野球バラエティゲーム「パワプロクンポケット」シリーズとして10年ぶりの新作となる『パワプロクンポケットR』をNintendo Switch™にて、今冬に発売することを決定した。

eスポーツでは、国際オリンピック委員会(IOC)と5つの国際競技連盟が主催する初めてのバーチャルスポーツ大会である「オリンピックバーチャルシリーズ」の野球競技に採用された『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』において熱戦が繰り広げられ、決勝大会は全世界に向けて配信された。また、昨年に引き続き『遊戯王 デュエルリンクス』の大規模オンライン大会となる「KCグランドトーナメント2021」の予選を行なった。さらに、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と共同開催する「明治安田生命eJリーグ ウイニングイレブン 2021シーズン」の予選を開始している。加えて、「eFootball League 2020-21シーズン」のプロリーグ「eFootball.Pro IQONIQ」では、レギュラーシーズンを勝ち上がった上位クラブでの「Knockout Stage」を行ない、優勝チームを決定した。

以上の結果、当事業における当第1四半期連結累計期間の売上高は498億5900万円(前年同期比16.4%増)となり、事業利益は191億6100万円(前年同期比25.2%増)となった。

コナミ01

アミューズメント事業
アミューズメント市場においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によるアミューズメント施設の臨時休業に伴い機器販売及び、e-amusement participation(レベニューシェア)への影響が依然続いている。国内施設においては、昨年の緊急事態宣言及び都道府県の休業要請が解除された後、営業が再開され、来場者は回復基調にあるが、再び緊急事態宣言が発出されるなど、先行きは不透明な状況となっている。海外においては依然として市場の回復には時間を要する見通しだ。

このような状況のもと、当事業のアミューズメント施設向けビデオゲームでは、「クイズマジックアカデミー」シリーズの最新作『クイズマジックアカデミー 夢幻の鏡界(むげんのきょうかい)』、「SOUND VOLTEX」シリーズの最新作『SOUND VOLTEX EXCEED GEAR(サウンドボルテックス エクシードギア)』が全国のアミューズメント施設で稼働を開始した。また、大型アップデートをはじめとした継続的な施策の実施により、e-amusement participation(レベニューシェア)収入は、前年同期比で増加し、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻りつつある。メダルゲームでは、ビンゴゲームの面白さであるパーティー感・ライブ感を追求したボール抽選ゲーム『DUEL DREAM(デュエルドリーム)』を市場投入した。アーケードゲームをPCやスマートフォンでいつでも楽しむことができるサービスの「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」においては、Android™アプリ「コナステ」にて「コナステ メダルコーナー」の配信を開始した。

以上の結果、当事業における当第1四半期連結累計期間の売上高は35億5100万円(前年同期比23.5%増)となり、事業利益は3億1500万円(前第1四半期連結累計期間は2億4000万円の損失)となった。

コナミ02

ゲーミング&システム事業
ゲーミング市場においては、北米では新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことによりカジノ施設への入場制限等の規制が緩和され、活気を取り戻しつつある。特に、ラスベガスにおいては6月に経済規制が全面的に解除された。新型コロナウイルス感染症の影響により依然として予断を許さない国や地域もあるが、市場は徐々に回復する見込みとなっている。

このような状況のもと、当事業のスロットマシンでは、「J」カーブディスプレイを特徴とする「DIMENSION 49J™(ディメンション フォーティーナイン ジェー)」をパーティシペーション(レベニューシェア)専用筐体として市場に展開したほか、主力商品のアップライト筐体「DIMENSION 27™(ディメンション トゥウェンティーセブン)」及び「DIMENSION49™(ディメンション フォーティーナイン)」の各種筐体を販売した。また、豪州市場で好評を博した、列車をテーマにしたビデオスロットゲーム「All Aboard(オール アボード)」や複数台のマシンにバブルがシームレスに流れる「Ocean Spin(オーシャン スピン)」を北米市場へ展開した。その他、過去の競馬の結果をもとにしたヒストリカルホースレーシングマシンの設置が進んでいる。カジノマネジメントシステムでは、前期の好調を維持し、カジノ施設への「SYNKROSⓇ(シンクロス)」の導入が引き続き進んでいる。

以上の結果、当事業における当第1四半期連結累計期間の売上高は62億9600万円(前年同期比111.5%増)となり、事業利益は9億1600万円(前第1四半期連結累計期間は9億2500万円の損失)となった。

コナミ03

スポーツ事業
スポーツ市場においては、新型コロナウイルス感染症による外出自粛やテレワークの推進に伴い、健康であることの大切さを多くの方が再認識され、スポーツや運動に対する社会的要請が一層高まりつつあるなか、新しい生活様式に沿って、安心してスポーツや運動に取り組むことができる新たな健康サービスの提供が求められている。

このような状況のもと、スポーツクラブ運営におきましては、withコロナの健康習慣の新提案として、人々のカラダがもつ本来の機能を高め、健康を維持・増進することを目的とした「カラダ活活(いきいき)プロジェクト」の第1弾、「温活フィットネス」の提供を開始した。また、自宅などどこからでも参加できる「オンラインライブレッスン」のサービス拡充を推進したほか、新業態の施設として、天井にミラーを設置した女性限定の少人数ピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)二子玉川」(東京都世田谷区)をオープンした。

資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業においては、これまで培った運営・指導のノウハウや実績をいかして事業を推進しており、新たに大阪府豊中市や東京都中央区などのスポーツ施設の業務受託運営を開始した。

なお、当事業では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けておりますが、不採算店舗の撤退等によるコスト構造の変革に継続して取り組んでおり、当第1四半期連結累計期間には16店舗の営業を終了した。

以上の結果、当事業における当第1四半期連結累計期間の売上高は93億4100万円(前年同期比97.1%増)となり、事業利益は5億9200万円(前第1四半期連結累計期間は11億100万円の損失)となった。

コナミ04

関連リンク

コナミホールディングス株式会社
2022年3月期 第1四半期決算短信
2022年3月期第1四半期 決算発表資料

コナミ00