東映、「シン・エヴァンゲリオン」のヒットで大幅利益増 営業利益37億円 2022年3月期第1四半期決算短信

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「ドラゴンボール」や「ワンピース」などの商品化権の販売が海外で好調。映画興行業はコロナ禍で低調に推移。

東映株式会社(以下、東映)が2022年3月期第1四半期決算短信(連結)を8月12日に発表した。当第1四半期期間の売上高は258億500万円(前年同期比22.8%増)、営業利益は37億3500万円(同48.4%増)、経常利益は50億4000万円(同52.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、18億5000万円(同207.3%増)となった。

東映2022年3月期第1四半期決算

経営成績に関する説明

東映グループは、映像関連事業を中心により一層のコンテンツ事業の強化及び効率的な活用をはかり、堅実な営業施策につとめた。

セグメントごとの経営成績は、次のとおり。

映像関連事業
映画事業では、提携製作作品等9本を配給し、このうち「いのちの停車場」がヒットし、「胸が鳴るのは君のせい」が堅調に稼働した。前連結会計年度に公開した作品では、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が大ヒットした。

テレビ事業では、「特捜9」「警視庁・捜査一課長」「機界戦隊ゼンカイジャー」等を制作して作品内容の充実と受注本数の確保につとめ、キャラクターの商品化権営業は玩具の小売販売が厳しい状況に置かれるなか、堅調に推移した。

コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売等を行なうとともに、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品やテレビ映画のDVD・ブルーレイディスク作品を販売した。

アニメ関連では、海外で「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売や「スラムダンク」のアプリゲームに加え、「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」、「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に稼働した。

以上により、当セグメントの売上高は203億2200万円(前年同四半期比10.6%増)、営業利益は46億2600万円(同8.7%増)となった。

興行関連事業
映画興行業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で興行収入は低調に推移し、当第1四半期連結会計期間末現在において、214スクリーン体制(東映㈱直営館4スクリーン含む)で展開している。

以上により、当セグメントの売上高は25億8800万円(前年同四半期比682.9%増)、営業損失は2億7000万円(前年同四半期は営業損失10億3300万円)となりました。

催事関連事業
催事事業では、感染拡大防止策を徹底した上で「魔進戦隊キラメイジャー ファイナルライブツアー2021」「ムーミンコミックス展」などの各種イベントを開催したほか、映画関連商品の販売を行なった。東映太秦映画村は、営業時間の短縮を行なうなど、営業活動が制限された影響で厳しい状況が続いた。

以上により、当セグメントの売上高は7億8400万円(前年同四半期比229.8%増)、営業損失は2億5500万円(前年同四半期は営業損失3億7600万円)となった。

観光不動産事業
不動産賃貸業では、「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働した。ホテル業においては、前連結会計年度より引き続き、新型コロナウイルス感染症の大流行や緊急事態宣言下の移動自粛要請等により宿泊・飲食需要が低迷し、非常に厳しい経営環境にある。国内外において感染収束の見通しが立たないなか、当事業は今後も一定期間にわたり影響を受けることが想定される。

以上により、当セグメントの売上高は11億9500万円(前年同四半期比1.2%増)、営業利益は3億4200万円(同7.9%減)となった。

建築内装事業
建築内装事業では、景気見通しが不透明ななか、従来の顧客の確保及び受注拡大を目指して積極的な営業活動を行い、シネコン関係の工事を手掛けた。

以上により、当セグメントの売上高は9億1400万円(前年同四半期比2.4%増)、営業損失は3900万円(前年同四半期は営業損失100万円未満)となった。

関連リンク

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2022年3月期第1四半期決算短信(連結)

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