5月12日(火)、ミクシィの決算説明会で人気の“ひっぱりハンティングRPG”『モンスターストライク』の3DS版とアニメ化が発表されました! ただ、アニメは年内放送予定ということがわかっているだけで、ストーリーやスタッフなどの続報はわかっていません。そのため「『モンスト』がどういうアニメになんのよ?」と気になっているファンも多いはず。
そこで、本稿では過去のスマートフォンゲーム原作のおもなアニメ作品を振り返り。「これまでの傾向から見て、『モンスト』もこんなアニメになるのでは?」と勝手に予想してみました!
◆武将美少女化+映画パロディの怪作!『戦国コレクション』
2011年にドラマ化された『怪盗ロワイヤル』を除くと、スマートフォンゲーム原作のテレビ展開の嚆矢は2012年4月放送のアニメ『戦国コレクション』。個性豊かな美少女武将てんこ盛りな原作を、各話ごと異なるキャラにスポットをあてるオムニバスストーリーとして調理した作品です。
そこに毎エピソードぶっこまれたスパイスは、『ローマの休日』ほか名作から『幻の湖』などのカルト作まで、さまざまな映画のオマージュ要素! お話から演出、背景美術まで元ネタに似せる徹底ぶりで、特に『アリス・イン・ワンダーランド』がモチーフの不条理劇である豊臣秀吉回は、今でもトラウマに残っているファンも多いでしょう。
「キャラはたくさんいるけど、明確なストーリーラインがない(ことが多い)」というカードゲーム型ソーシャルゲームの特徴は、アニメ化の際の大きな問題点。そこで『戦コレ』は「じゃあ1キャラ1エピソードに区切って、パロディでわかりやすくバリエーションを出す」というスマートな回答をいきなり提示してみせた、スマートフォンゲーム原作アニメの尖兵なのです。
◆キッズ向け、侮りがたし! アツい王道ファンタジー『探検ドリランド』
2012年7月に第1期『探検ドリランド』、2013年4月には第2期『探検ドリランド -1000年の真宝-』がスタート。カードに封印されたハンターたちをめぐるファンタジーアニメで、東映のベテランアニメーター陣によるアクションが見応え十分な冒険活劇です。
キッズ向けの長期シリーズながら、ジト目メイドのシャッキや、声優・ゆかなさんには珍しいちびっ子のベリンダなど、大きなお友達的にグッとくる女性キャラが目白押し! 「ハンターカード」という原作の設定を世界観にうまく落とし込んだ、古きよき王道キッズアニメは、マニア人気もこっそりと高かったのです。
◆3人(竜)娘のお気楽珍道中! 『絶対防衛レヴィアタン』
2013年4月放送の『絶対防衛レヴィアタン』。「笑顔を忘れた少女」という設定なのに第1話アバンから満面笑顔なお兄ちゃん子のレヴィアタンとボクっ娘のバハムート、そして褐色元気っ娘のヨルムンガンドを加えた竜娘3人組の旅を描くコメディ色強めなファンタジーです。
知る人ぞ知る異色ギャグアニメ『錬金3級 まじかる?ぽか~ん』のスタッフと『恋姫†無双』シリーズの脚本家・雑破業のチームワークに、金田朋子のナレーションも手伝って、脱力ギャグが冴えまくり! 世界滅亡の危機に立ち向かうシリアスなゲーム版への導入として、のほほんと平和な前日譚を描いた一作でした。
歌手デビューも決定してブレイク中の人気声優、早見沙織さんの主演作でもあり、今こそ再注目されるべき一作ではないでしょうか!
◆映画顔負けの大スペクタクル! 『神撃のバハムート』
『TIGER&BUNNY』のさとうけいいち監督が手がけた本作は、2014年10月に放送。原作の世界観を発展させた、人と神と悪魔が入り乱れる異世界が舞台の大スケールアクションです。
劇場アニメさながらの作画クオリティと小気味良いキャラの芝居、ハリウッドばりに起伏に満ちたストーリーは圧巻のひと言。潤沢な予算と一級スタッフで直球勝負を仕掛けた弩級エンタメで、ビッグタイトルならではの幸せなメディアミックスと言えそうです。なお、人気のため第2期の制作が発表されています。
◆くるくると楽しき美少女万華鏡『ガールフレンド(仮)』
「大量の美少女キャラ、全部ぶち込んどきました!」という男気たっぷりな大胆アニメ化で記憶に新しい『ガールフレンド(仮)』も2014年10月に放送。人気女性声優が揃い踏みで、クロエ・ルメール役の丹下桜と望月エレナ役の原田ひとみの怪演がとにかく印象的ですね。
毎回ぞろぞろ5、6人くらい一斉に新登場するかわいい女の子たち同士の何気ない日常を描く学園もの。というと「百合百合で最高じゃないですかやったー!」という向きもありでしょうが、文学少女の村上文緒さんがガチ盗撮ストーカースレスレな押しの強さで望月エレナさんにオトされる第3話など、「いい話かな? ホラーかな?」と判断に迷うエピソードもしばしば。プレイヤーが主人公である原作と異なって男性主人公が不在なため、本来関係性が薄めな美少女キャラ同士のドラマをふわっと作った結果、『ときめきメモリアル』のOVAとかにも似た不思議な趣が醸し出されているんですよね……。
ちなみに、黎明期の携帯電話向けブラウザゲームのアニメとしては『こいけん! ~私たちアニメになっちゃった!~』(2012年3月配信)、『萌えCanちぇんじ!』(2012年5月発売)という2本のOVAもありました。これらもてんこ盛りの美少女とジェットコースター的展開が『ガルフレ』と同じく超ドラッギー。美少女アニメファンならどれも必見ですよ!
◆結局、『モンスト』は一体どうなるんだ!?
こうして振り返ると、実にさまざまなアプローチがされてきたスマートフォンゲームのアニメ。そこで『モンスト』のアニメ化に予想されるのはやはり、『ドリランド』や『神バハ』のような原作の世界観を膨らませた真っ向からの映像化。何と言っても絶好調の同作品だけに、潤沢な予算で『神バハ』クラスの豪華なアニメーションを期待したいところです。それに『戦コレ』や『ガルフレ』のようなスマートフォンゲームの文法を逆手に取ったストーリー構成的な工夫がこらされていればもう無敵!? 正直セールス的には芳しくない作品が多かったこれらのアニメの歴史を塗り替える、「これぞ覇権!」というプロダクトを望むのは、多くのファンの本音ではないでしょうか。
ちなみに今年1月には『アイドルマスター シンデレラガールズ』も放送され、こちらも7月から2期が放送予定です。『アイマス』や『モンスト』の出来に期待を高めつつ、過去の作品を今一度振り返ってみるのもオツなものですよ!
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ライター。『ジュエルペット マジカルチェンジ』が右肩上がりに面白くなってきているのでうれしいです。