【BitSummit 2015】おじさまと女子高生のピュアラブ!? Onion Games新作RPG『勇者ヤマダくん』制作者の木村 祥朗さんにお話を伺った!

勇者ヤマダくん

 大盛況のうちに幕を閉じたインディーズゲームの祭典「BitSummit2015」。
 その中でもOnion Gamesさんの新作RPG『勇者ヤマダくん』はひときわ目を引いていました。
 TAPPLI編集部も試遊させていただき、制作者の木村 祥朗さんにもお話を伺いました。

勇者ヤマダくん

 本作は主人公のヤマダくん(大手ゲーム会社からクビ宣告をされてしまったゲームクリエーター)が自作の妄想RPG世界内でモンスターたちをやっつけ、お隣に住む女子高生のマリアちゃんをモデルにしたゲーム内の姫に愛を告白する(!?)というストーリーです。

勇者ヤマダくん

 ダンジョンに入ると、プレイヤーはヤマダくんの通る道を一筆書きで描きます。すべての道を残さず通るとパーフェクトボーナスゲットですが、ルートは一つとはかぎらないので、ベストでないルートだと弓矢の敵が遠距離攻撃してきたりするので注意が必要です。そして、敵にぶつかるとヤマダくんは自動で攻撃を開始して倒しちゃいます。
 一見するとじっくり考えるパズルゲームのようですが、実はスピード感のあるRPG! ヤマダくんの状態、敵の特性に合わせて回復アイテムや全体攻撃する巻物、魔法を跳ね返す巻物などをタイミングよく使っていかなければならず、緊張感があります。

勇者ヤマダくん

 ストーリーとグラフィックのイメージから、ユーモアにあふれた楽しいラブコメディという印象でしたが、実際にプレイをしてみるとそれだけではなく、社会の理不尽さや、理想と現実のギャップというようなシリアスな部分もみえてきます。
 ヤマダくんは現実世界で自分にこっぴどいクビ宣告をした会長を自作RPGの敵ボスにします。

勇者ヤマダくん

 会社や仕事、夢などについて悩んだことのある人はヤマダくんに感情移入してしまうと思います。筆者も過去の経験から共感してしまい 、ヤマダくんがクビにされたシーンでは「うるっ……」ときて、モンスター会長の攻撃に傷つきながらも懸命に戦う様子を見たときは「うおおおおおお!!!! ゼッタイ負けるかーーーー!!!!」と燃え上がりました。

 激闘の末に会長を倒し炎の剣をゲットしたときは晴れ晴れとした気持ちに! めでたしめでたし。
……というわけにはいきません。あっという間に場面が変わりヤマダくんは現実世界に戻ってきます。
 このあと彼のゲーム作りはどうなるのか? 現実のマリアちゃんとはどう交流するのか? 会長は? 作品のリリースが待ち遠しいですね。

勇者ヤマダくん

 制作者の木村さんに「なぜこのようなストーリーに?」と伺ったところ、こうおっしゃっていました。
「自分も大きな会社にいたけど、夜な夜な自分がやりたいことをするのが好きだった。そういうのって大事だと思う。インディーズゲーム作りもそういうもの。
 いつでも、どこでも、ゲーム開発というのは、パソコンにむかって、カチャカチャやって作業してる人が作ってる。僕はディレクターとかプロデューサーとかやっちゃって、一人ではゲーム作れなくなっちゃったんですよね。それはそれでやりがいのある形だけど、ヤマダくんはぼくの憧れのパラレルワールドにいる別の自分。想像上の理想のゲームクリエイターなんですよね(笑)」

 木村さんのゲーム作りに対する情熱をかいま見て、『勇者ヤマダくん』はまさしくBitSummitにふさわしい作品だと感じました。

 『勇者ヤマダくん』は近日中にリリース予定。
 ちなみに同社の『Million Onion Hotel』は秋ごろのリリースを目指しているそうです。こちらも最新情報が入り次第お伝えします!

出展チーム名: Onion Games
対応OS:iOS、Android(予定)
リリース時期: 近日(予定)
ダウンロード料金:未定
公式サイト:http://oniongames.jp/yamada/