【レポート】#Abaddon OkinawaはEnlightenedの勝利! 当日の激戦の流れとアフターパーティーの様子をレポート!

『Ingress』XMアノマリーイベント#Abaddon。この世界各国で開催されるグローバルなイベントの第4節の会場に日本の沖縄県那覇市が選ばれ、12月12日(土)についに開催。沖縄県那覇市で開催されたにもかかわらず、海外からの参加者も含む3000人もの参加者が集い、那覇市内を舞台に熱い激戦を繰り広げた。

オープニング
▲エントリーの受付を行なった新都心公園には朝あら多数のエージェント(『Ingress』プレイヤー)が集った。
ローソンUFJ
▲新都心公園ではローソン、三菱東京UFJ銀行、ソフトバンクといった協賛企業のブースやアンテナカーや、ファンたちが制作した『Ingress』グッズの頒布会も開かれ、エージェントたちが列を作っていた。

 14時、15時、16時、17時と4回の計測時間(Measurement1~4)を経て、#Abaddon04 Okinawaを制したのはEnlightened。チームの結束の強さを見せつけるような息の合ったプレイで、7644対3879という大差でResistanceを退けた。
 これで2014年に開催された#Darsana(東京)から、#Shonin(京都)、#Persepolis(宮城)、#Abaddon(沖縄)と日本のアノマリーイベントではなんと4連勝! これまでと変わらぬ強さ……といいたいところだが、前回までの巨大なControl Fields(コントロールフィールド、以下CF)で戦地を囲んで展開を優位に持っていく戦術ではなく、#Abaddonでは現地でのチームワークの良さが目立っていた。
 ここでは#Abaddonの一日の流れを追いながらアフターパーティーの様子までをお伝えしよう。

◆まずは戦闘準備から。#Abaddonは過去最高のガードリンク戦から始まった

『Ingress』というと、各地域の文化遺産やオブジェといったポータルを占拠したのち、Link(以下、リンク)でつないで、CFを形成して(三角形に囲んで)得られる点数を稼ぐゲームだが、CFが大きくなると日本全土を覆うような規模にも発展する。CFで囲まれた内側では新たなLinkが張れない上に、囲んだ陣営に大きな点数が加算されるため、これまでのアノマリーイベントではResistanceが手を出せない規模の巨大CFを作ってEnlightenedが勝利をおさめてきた。

ソウル
▲沖縄と同じスケジュールで開催された#Abaddon Seoul(韓国ソウル)ではResistanceが巨大CFで戦地全体を覆った。巨大なCFは、バカでかいフィールドという意味でBAF(Big Ass Fields)と略されることも多い。

 その苦い思い出を持つResistanceは、開始時間の前日から中国上海、九州、フィリピン、グアムといった沖縄の周辺に相手陣営のジャマとなるガードリンクを張りまくり、開催会場である那覇のある沖縄本島を先にCFで囲んでいた。

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▲12月12日の朝の様子。「絶対に囲ませない!」とResistanceの決意が見える激しいガードリンク。沖縄本島が隣接する島を拠点とするCFで囲まれているのにも注目。このCFを解除するには拠点のある島に行ってポータルを破壊するしかない。

 この隣接する島を利用したCFは、会場にいるエージェントが壊しに行こうと思うと大変な労力と時間が必要だが、そこは海外のポータルを利用してガードリンクを張ろうというエージェントたち。すでに各島に送られていた担当エージェントによって、計測時間前の12時には対象ポータルを破壊。CFは解除された。

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▲CFは解除されてもガードリンクは健在。次々とアジア圏レベルのロングリンクが張られていき、沖縄本島をCFで囲むことは難しい状態になっていた。

◆完璧なウイルスコントロール。チームワークに隙がなかったEnlightened

 第1計測時間が近づいた14時前。点数の対象なるポータルは7割ほどはResistanceがキープをしているようにみえた。だが、ポータルオーナーを見てみると、ほとんどのポータルは“_ADA_”。このオーナー名はポータル反転アイテムADA Refactor(エーディーエーリファクター、以下ADA)を、EnlightenedのポータルにEnlightenedのエージェントが使用したときに表示されるもの。
 ポータル反転アイテムは1度使用すると、その後1時間は耐性が発生して反転アイテムの効果を受け付けなくなるため、計測開始直前の1時間前にADAを使いあえて敵陣営に反転させて、計測時間突入寸前に再度反転アイテムで自陣営のポータルに戻し、計測時間中の相手陣営が使う反転アイテムを無効化することができる(これをウイルスコントロールと呼ぶ)。
 この作戦は反転アイテムの無効化だけでなく、相手陣営のポータルにして放置するため、相手陣営にはポータルの強化はできても破壊できない(手をつけづらい)という利点もある。
 今回のEnlightenedは、この作戦を広範囲で行ない、4回ある計測時間すべてにおいて有利な状態で計測時間に突入することに成功していた。

・第1計測時間(MEASUREMENT1)

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▲第1計測時間20分前の様子。一見Resistanceのポータル占拠率が高く有利に見えるが……。
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▲計測時間に突入直後はほぼEnlightenedのポータルに早変わり。守りも硬く、素早くCFやリンクで加点を狙っている。

・第2計測時間(MEASUREMENT2)

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▲2回目の計測時間のときのIntel Map。前後で青いポータルが緑に変わっているのがわかる。

・第3計測時間(MEASUREMENT3)

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▲3回目の計測時間も同様。これだけ広範囲で反転されると相手陣営もどこから崩していいのか悩みが生じそうだ。

 今回のEnlightenedの素晴らしかったところは、第3計測時間以降もこの作戦を機能させていたところだ。
 先ほども述べたようにウイルスコントロールは1時間前に準備が必要な作戦だが、1~4の計測時間は1時間毎に訪れるため、2回目以降は前の計測時間の準備をしながら仕込む必要がある。
 計測時間によってエリアが異なるため、計測時間中の守りを考えるとどれだけの人数を次の作戦の仕込みにあてるかが非常に悩ましくなるだろう。今回はそのバランスが非常に優れていたように見えた。

 結局3回目の計測時間までの得点でResistanceに大差をつけること成功し、4回目の計測時間前のウイルスコントロールも仕込み、最後の戦いを迎えることになったのだが、ここでResistanceが意地を見せる。

・第4計測時間(MEASUREMENT4)

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▲4回目の計測時間を前に戦場が水没(Resistanceの青のCFで囲まれること)。隣接する島からCFを重ねて多重CFを形成した。

 ここで細かいルール解説は省くが、#Abaddonではエリアを丸ごと覆うCFを形成した状態で計測時間に入ると、相手陣営が獲得した得点の35%が自陣営に加算される。最後の計測時間になって大量得点を獲得するチャンスを得たが時すでに遅し。
 Enlightenedのウイルスコントロールによるポータル占拠率の高さと、これまでについた得点差をひっくり返すには至らず、すべての計測時間を終えた。

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▲戦場は水没しているが、計測対象ポータルの占拠率はEnlightenedが圧倒的。最後まで隙のないプレイを見せていた。

◆沖縄伝統芸能“エイサー”と新キャンペーンに心が躍ったアフターパーティー

 毎度勝敗発表や協賛企業からのプレゼント進呈式で盛り上がるアフターパーティー。今回のオープニングを飾ったのは会場となった沖縄の伝統芸能エイサー踊りだ。
 エイサー踊りは、沖縄に古くから伝わる踊りということだが、伝統に縛られない自由なスタイルがウリ。激しく動きながらもリズムを外さない太鼓や、ブレイクダンスの動きを取り入れた踊りは間近でみると迫力満点。小学生の踊り手もばっちり決まっていて、エージェントたちの心をがっしりとつかんでいた。

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▲元気のいい踊りを見せてくれた踊り手さんにエージェントたちも癒されたはず。

 エイサーで温まった会場に現れたのは、なんと『Ingress』寄席で知られる落語家立川こしら師匠。もち前の斜めった視線でエージェントたちの隙を見つけてネタとして披露。会場からは笑い声が絶えなかった。

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▲沖縄遠征で見かけたバッテリーの持ちすぎで飛行場の持ち物検査に引っかかったエージェントや、第1計測時間早々にバッテリーの切れたエージェントをバッサリ。プライベートで伺った『Ingress』寄席に引き続き笑わせていただきました!

 こしら師匠のあとには、いよいよ株式会社ナイアンティックの須賀さんが登場。一日歩き続けたエージェントたちへねぎらいの言葉をかけると、今年の『Ingress』流行語大賞をテーマにゆるいトークを展開。会場を沸かせながらプレゼントタイムに突入した。

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▲トップバッターは伊藤園さん。流行語大賞第3位「ガチャ」のネタとなった伊藤園キャンペーンの新展開を発表! 次は「必ず貼ってある……!」とのこと。プレゼントのお茶一年分は、自宅の階段をお茶で埋め尽くしたガチャ最大の功労者ともいえるエージェントに進呈。ダメ押しにもほどがある……!
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▲第2位の「だいたいNIAのせい」を挟んで、第1位は「例の紐」。その最大の功労者であるエージェントにプレゼントを進呈するのはローソンさん。登壇した瞬間から会場には「からあげくんキタっ!」と不思議な盛り上がりが感じられたが、発表されたプレゼントは「おにぎりや一年分」。まさかの新プレゼントに会場のエージェントはどよめいていた。
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▲新たな協賛企業として登場したのは、文教堂やジュンク堂のポータル化や、『Ingress』小説、ホログラウしおりプレゼントなどで、積極的に活動している大日本印刷さん。当日限定販売された『Ingress』ポスター付きVery Rareセットを買ったエージェントに、感謝の意を込めて“ホログラムAbaddonポスター”をプレゼント。楽しいダメ押しプレゼントタイムを締めくくりました。

 プレゼントタイムが終わると、株式会社ナイアンティックの社長に就任したばかりの村井さんからエージェントに対して感謝の言葉が送られ、いよいよ結果発表。

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▲『Ingress』のプレイを通じて沖縄の歴史や先人の想いに触れたり、スキャナーを通すことで言葉や人種に関係のないコミュニケーションが取れる。と語った村井さん。かっこよく締めようと思ったところで噛んでしまい須賀さんに突っ込まれる一面も。
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▲勝利がコールされた瞬間のEnlightened陣営。今回はまさにチームワークで勝ち取った勝利といえそうだ。

 #Abaddonの4節でEnlightenedが大量点を獲得したことで、#Abaddonシリーズ自体でも大きくEnlightenedがリードした。だが、あきらめるのはまだ早い。#Abaddonシリーズの戦いはまだ残っている。Resistanceのエージェントは今後の巻き返しに期待したい。

 最後に#Abaddon04の結果と沖縄に参加したエージェントたちの記念写真を掲載しよう。

#Abaddon04 Report(E:Enlightened R:Resistance)

・沖縄 – E:7644 R:3879
第1計測時間 – E:1896 R:620
第2計測時間 – E:2216 R:1436
第3計測時間 – E:2216 R:890
第4計測時間 – E:1316 R:933

・その他の地域

Seoul – R:489 – E:240
Singapore – R:288 – E:271
Wellington – R:570 – E:401

#Abaddon途中経過(これまでの合計)

Total – R:5226 – E:8681

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※12月15日修正。各計測時間の結果が誤って表記されていたのを修正いたしました。