インディーズゲームながらApp Storeの「BEST OF 2015」、Google Playの「2015年ベストゲーム」に選ばれ大きな話題となった 『Lifeline…』（以下『1』）。遭難している主人公をメッセンジャーアプリのようなやりとりで助けだすノベルゲームです。スマートフォンの時計と連動していて臨場感が強いと話題になりました。
その続編として『Lifeline 2』（以下『2』）があります。『2』は『1』とくらべて何が違うのでしょうか？ はっきり言って「買い」なのでしょうか？ プレイして調べてみました。
『1』作目『Lifeline…』の紹介はこちら≫SFアドベンチャー『Lifeline…』宇宙で遭難した男からのSOS。
■SFか、ファンタジーか。
『1』も『2』もゲームシステムはほとんど同じです。突然主人公が連絡してきて、プレイヤーの返答しだいでストーリーが変化していきます。
『1』と『2』の一番大きな違いは、世界観がSFかファンタジーかという点でしょう。
『1』の主人公は未知の星から通信機を使って連絡してきましたが、『2』の主人公は地球上から魔法で連絡してきます。舞台は現代的なアメリカですが、魔法使いが隠れ住んでいる世界です。時の魔法がかかった修道院……呪われた少女の待つ孤児院など……聞いただけでドキドキしますよね？
ファンタジーにままある問題点として、世界観や設定が理解しづらいことがあります。本作も個人的には序盤が読み進めにくいと思ってしまいました。でも、最初のステージ……修道院に進む頃には、だいたいの状況がつかめて楽しくなってきました。
▲魔法使いのいる世界。だんだん状況が理解できるようになっていきます。
■主人公が男か女か。
『1』の主人公はタイラーという男性（推測では高校生か大学生くらい）でしたが、『2』はアリカという女性（推測で高校生くらい）です。
プレイヤーの中には主人公の性別が大事という人もけっこういるのではないでしょうか？ 特に『2』を男性がプレイする場合は……ちょっとした恋愛ゲームとして楽しむこともできるかもしれません（ほんとにちょっとですが）。アリカはたまにかわいいことを言ってくれるので、女の私でもちょっとドキッとしてしまいました。
■プレイヤーが女性か、男性か。
プレイヤー自身のしゃべり方は、『1』は女性らしかったですが、『2』では男性になっています。男性プレイヤーにとっては、臨場感が増して嬉しいですね！
女性にとっては、慣れるまで少し違和感があるかもしれません。私は空想力をたくましくして「喋っているのは私！」と思い込むようにしました。
▲プレイヤーは男っぽいしゃべり方です（プレイヤーに性別が生まれてしまうのは、日本語版ならではかもしれません……）。
■逃げる冒険か、攻める冒険か。
アリカの行動目的は、両親を殺した者たちに復讐し、異次元に閉じ込められている弟を救い出すこと。いっぽう『1』でのタイラーの目的は、不時着した無人の星から生還すること。危機に向かっていくアリカと逃れようとするタイラーは、冒険の進行方向が違うことになります。
「逃げる冒険」のいい点は、最初から最後まで何が起こるかわからないこと（アリカの冒険はある程度計画的です）。
「攻める冒険」のいいところは、自分から敵を攻めてやっつける楽しみがあることです。
■会話にジョークが多いか、深刻な話が多いか。
アリカはタイラーと比べるとジョークが少なめです。ふざけることもありますが、たくさんの苦労を背負ってきた彼女だからか、深刻な話のほうが多いように思いました。ハードボイルドで気丈な態度に、序盤は心理的な壁さえ感じました。でも、物語が進むに連れてアリカもだんだん心を開いてくれますよ。
▲両親を殺されたり、弟が行方不明になったり、孤児院でつらい目にあったり……と、不幸の多いアリカ。深刻な心の話が多めです……。
■『2』は「買い」か？
このように、両作は似ているように見えていろんな部分が違うので、おすすめしたい人も変わってきます。
『2』をより楽しめるのは、こんな人です。
□ファンタジーが好きな人（世界観の飲み込みが早い人）
□ 主人公は女性がいいという人
□ 男性（プレイヤーのしゃべり方が男性だから）
□ 「敵から逃げるより攻めていきたい」というタイプの人
□ 深刻な話を聞くのが好きな人
これらに1、2個当てはまる方には「買い」だと思います。
「ぜんぜん当てはまらないな～。むしろSF好きだし、男の主人公がいいし……」という方は、先に新作『Lifeline：サイレント・ナイト』をプレイしてみてはいかがでしょうか？ こちらは『1』の続きのお話です。
『Lifeline 2』をやろうか迷っている方は参考にしてみてください。
『1』作目『Lifeline…』の紹介はこちら≫SFアドベンチャー『Lifeline…』宇宙で遭難した男からのSOS。
……この最後の文章に気がついてくれてありがとうございます。
最後にひとつだけ……こっそりとつけ加えたいと思います。
□ 『1』の「あれ」が気になっている人
「『1』のあれは、あれでいいの？」と思っている方にも、『2』はおすすめです。ネタバレになるので何も言えませんが……。私はこの「あれ」の話のおかげで、『2』をすごく楽しめました。
ぜひ実際にプレイして、この秘密を目撃してください。きっと、かなり驚きます。
※2016年2月19日追記：
『Lifeline…』に番外編登場！
紹介はこちら≫ 『Lifeline…』に番外編が追加！ 脱出後の星で、事件が!? ／ 『Lifeline 2』でプレイヤー名を「タイラー」にすると？
▼『Lifeline 2』のダウンロードはこちら
