【レビュー】この王女、かわいいだけじゃない! 美少女満開のステージクリア型RPG『プリンセスラッシュR』

◆冒険するなら、かわいいほうがいいじゃない!

 いったい、いつのころからだろう。RPGで主人公の性別選べるなら、必ず女の子を選ぶようになったのは――。

 小学生のころは思っていたよ、女キャラを選ぶなんてありえないって。でも俺は変わった。主人公は女子。パーティメンバーも女性で統一。だって、冒険するならかわいいほうがいいじゃない!

 そんな要求を見事に充足してくれる、かわいいチビキャラいっぱいのRPGが『プリンセスラッシュR』だ。


◆プリンセスのもとに集まる仲間。錬金術師、勇者、占い師、魔王……ん?

 舞台は魔王の軍勢に脅かされていたとある王国。主人公は、国王とケンカし家出を決意したプリンセスのリリエッタ。そんな彼女が持つ魔剣の「一定距離はなれると耳鳴りが止まなくなる」という地味にイヤな呪いを解くというのが、冒険の目的だ。

 冷静に考えればわりと深刻な世界情勢であるにもかかわらず、なんともユルい感じでストーリーは進む。その魅力は、なんと言っても能天気なキャラクターたち。持ち前の剣技でモンスターをなぎたおすプリンセス、おそるべき力を秘めっぱなしで役立たずの魔剣、いじられキャラっぷりがかわいい錬金術師、「どうせもともと適当に歩き回ってモンスター倒してただけだから」と旅に着いてきた勇者、なぜか同行するハメになってしまった通りすがりの魔王、気がついたらいつのまにかパーティにいた謎の占い師など、そろいもそろって個性的。彼女たちのドタバタを見たくて、ついつい「もう1ステージだけ……」となってしまう。

▲プリンセス、リリエッタ。彼女を描いた「まないた」が特典アイテムとして配布されるなど、その“薄さ”に定評がある。


▲魔王アーシェラ。人間との平和的共存を模索し、パーティのツッコミ役も務める常識人。


▲占い師ファティマ。本当にいつのまにかパーティにいた。。


▲勇者フェリオス。体を動かすこと(戦闘含む)がとにかく大好きな脳筋系女子。


▲錬金術師ミーユ。幼なじみのリリエッタに振り回されて慌てる姿がいじらしい。


◆ステージ中は大忙し! このバトルシステムはあなどれない!

 ステージに挑戦すると4~5回のバトルが起きるのだが、このバトルシステムが独特。基本的にバトルはオートで進むが、プレイヤーはキャラクターをフリックして前列、後列に移動させることが可能。前列にいるキャラクターは敵を攻撃するが、敵から攻撃を受ける。後列のキャラクターは攻撃できないが、敵の攻撃も受けないうえ、徐々に体力が回復していく。

 このようなシステムだと、せっかちな筆者などは「全員前列で攻撃」させたくなるのだが、それではあっという間に全滅してしまう。傷ついた仲間を後列に下げて回復させ、前列のキャラクターが危なくなれば交替させる、この繰り返しで戦列を維持するのがコツだ。

 もちろん、一気に勝負を決められると判断すれば、全員前列で一斉攻撃したほうが、かえって被害が減ることもある。慣れないうちや、強すぎる敵と戦うときは、キャラクターをひとりだけ前列に出し、残り4人を休ませるのも有効な戦術だ。このように、状況に合わせてさまざまな戦いかたができる。決してかわいいだけのRPGではないのだ! かわいいけど。

▲戦況全体を見て、冷静かつ迅速にフリック! プレイヤーの采配が勝敗を分ける。


◆バトルを盛り上げるシステム満載! 遊びやすさもキッチリ考えられている

 一部の強力なボスは「範囲攻撃」を行なってくる。画面に「WARNING」マークが表示されたら、その数秒後、マークが出た場所に強烈な攻撃が降ってくるのだ。その威力は、ほとんど一撃でキャラクターが戦闘不能になるほど。マークが出たら、すぐにフリックしてキャラクターを避難させよう。このシステムのおかげで、ボス戦の緊迫感が数段上がっている。


▲マークの場所に攻撃がくる! まともに食らえば全滅必至!


 バトル中の時間経過で画面下の「ラッシュゲージ」が溜まると、「ラッシュスキル」が発動し、制限時間内に画面を連打するとプリンセスが斬って斬って斬りまくる。タップ回数が多いほどダメージが増し、ユニット入手に使える「フェイトスター」が手に入ることもある。

「ラッシュゲージ」は別のステージに進んでも引き継がれるので、難関ステージに挑む前にはほかのステージでゲージを溜めておくのも一手だ。また、Ver2.0でプリンセス以外のメインキャラの「ラッシュスキル」も追加された。キャラクターごとに効果が異なるので、色々試してみるのも楽しい。

▲ぷりんせすっらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっしゅ! 無心に叩いて気分爽快! 最大100ラッシュまで狙える。両手の指を総動員して叩きまくるのがコツだ!


 ゲームシステムは、ガチャなどで集めたユニットでパーティを組み、「行動値」を消費してステージに挑むというスマートフォン用ゲームでは一般的なスタイルだ。「行動値」は3分に1ずつ回復し、ひとつのステージに挑むのに4~10程度消費する。消費量に対して回復量がかなり多いので、「行動値が足りなくてイライラ」ということは少ない。

 また、ステージ攻略に参加しないユニットは「探検」に向かわせることもできる。探検隊を組んで出発させると、一定時間経過でアイテムを獲得して戻ってくる。このシステムのおかげで、ユニット所持枠を圧迫するだけになりがちな控えユニットを、無駄なく有効活用できる。

 ほかにもバトルの早送り機能や会話デモのログ確認、スキップ機能、「行動値」全快や「探検」終了の通知機能など、全体的に遊びやすいよう工夫がこらされている。5月には大型アップデートでキャラクターの「覚醒」、武器の「特別錬金」など新要素が追加されたほか、今後のアップデートではさらなる進化も予定されている。

 本作品はキャラクターのかわいさのみならず、やりごたえのあるゲームシステムに、プレイヤーへの配慮まで行き届いた作品だ。キャラクターグラフィックにピンとくるものがあった人は、ぜひ一度遊んでみてほしい。
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