【レビュー】面白すぎてやめどきがわからない! 対戦マッチングさっくさくのカードゲーム『Hearthstone: Heroes of Warcraft』

◆ネット対戦がスムーズなトレーディングカードゲーム!

 トレーディングカードゲーム(TCG)! TCGはヤバい。何がヤバいって、カード眺めながらデッキ構築考えてるだけで、いくらでも時間が過ごせちゃうんだもの。パックを開けたとき、ふわりと漂うインクの匂い。未知のカード能力を少しずつ読み込んでいくワクワク感。自分なりのデッキが完成したとき、じわりと湧き上がってくる達成感!

 しかし、TCGはなかなか対戦相手が見つからないのが難点だ。近所の溜まり場に仲間はいるが、いつものメンツとばかり対戦するのも飽きた。広い世界のプレイヤーたちと遊んでみたい!

 そんな欲求を手軽にかなえてくれるのが、『Hearthstone: Heroes of Warcraft』(以下『Hearthstone』)だ。ゲームバランスが良好なうえ、ネット対戦のマッチングは実にスムーズ。TCGファン垂涎の一作だ!


◆日本語テキストなし! それでも問題ないほどわかりやすいゲームシステム!

 ゲームルールはいたってオーソドックス。毎ターンひとつずつ増えていく「マナストーン」を消費して、手札から「ミニオン」(戦士)を召喚したり、「スペル」(使い捨ての魔法)を使用したりする。これらを駆使して攻撃をしかけ、対戦相手の「ヘルス」(体力)を0にすれば勝利だ。

▲画面中央の横線より下側が自軍のミニオン。上側が敵軍のミニオンだ。召喚したミニオンで攻撃するのが戦術の基本。


 残念ながら『Hearthstone』には日本語テキストがない。しかしゲーム開始直後のチュートリアルがとてもわかりやすいので、あまり心配は要らないだろう。そのうえ、プレイ中にもひとつひとつ操作ガイドや用語解説が表示される親切設計になっている。

▲ミニオンをロングタップすると拡大画像を表示できる。ほかにも、敵味方の行動の過去ログも見られる。いたれりつくせりだ。


▲こちらはスペルカード。筆者のアヤシイ英語力でもなんとか理解可能。お、俺だって高校生のころは安い輸入カードを翻訳して遊んでたんだ! なせばなる……はず。

◆独特の「ヒーロー」システムを搭載、主役が変わればまるで別ゲームの新鮮味!

『Hearthstone』では、デッキごとに主役となる「ヒーロー」を選択する。ヒーローは、「メイジ」、「パラディン」、「プリースト」など全9種類。ヒーローは手札消費なしで、1ターンに1回ずつ使える特殊能力「ヒーローパワー」を持つ。

 ヒーローによって大きく特性が異なり、「メイジ」は高火力を叩き出すスペルカードのエキスパート。「パラディン」は多数の小型ミニオンをずらりと並べて攻めるのが持ち味。「プリースト」はヒール能力で大型ミニオンを支えるのが得意だ。

 つまりヒーローを変えれば、ガラリとデッキの組みかた、そして戦略が変わる。これが『Hearthstone』独特の魅力だ。特定のヒーローに慣れてきても、別のヒーローでデッキを組んでみるだけで、まるで別のゲームのような新鮮さを味わうことができる。

▲「メイジ」でデッキ構築中。高火力の「Fireball」や、どんな強敵でも無力な羊に変えてしまう「Polymorph」が強力!


◆最大の魅力、手軽なネット対戦! 待ち時間はわずか1分前後!

 TCGで最も気になるところといえば、対戦相手を確保できるかどうかだ。『Hearthstone』のネット対戦は、非常にマッチングがスムーズですばらしい。筆者が接続しているのは「Americas & Southeast Asia」サーバーなのだが、時差のおかげもあってか、24時間どの時間帯に試してみても平均1分前後の待ち時間で対戦相手が見つかった。

 1回の対戦でかかる時間もせいぜい10分程度なので、手軽にサクサクと対戦を繰り返せる。TCGファンとしてはとてもうれしい。また、フレンド登録を行なえば、特定の相手と対戦することもできる。

▲対戦中に簡単なメッセージも送ることもできる。してやられたときは、相手の健闘を称えよう。「Well played.(いいプレイだぜ)」!


 なお、「Asia」サーバーや「Europe」サーバーでもプレイは可能だが、日本人が多いのは「Americas & Southeast Asia」サーバーのようだ。サーバー間でゲームデータを移行することはできない(あとからサーバーを変えると、カードをすべて失ってチュートリアルからやりなおしになる)ので、ゲーム開始時の選択は慎重に行なうとよいだろう。

◆無課金でも充分遊べるポテンシャル! TCGファンには超オススメ!

 プレイヤーを引き込むTCGの魔力を、この『Hearthstone』も充分に持っている。唯一の難点は日本語化できないことだが、上記のとおりチュートリアルは英語が苦手でもわかりやすいように作られているし、いざとなればweb検索に頼る手もある。課金すれば効率よくカードを増やせるが、無課金でも遊びがいは充分。地道に貯めたゲーム内マネーだけでも、ネット対戦に困らないだけのカードは集められる。

 過去にTCGにハマった経験がある人には非常にオススメだ。言葉の壁を越えて、ぜひプレイしてみてほしい。

▲カードパック開封中。これだよ! この瞬間が、最高なんだよ!


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