都市建設シミュレーションゲームの金字塔とも言える『SimCity』。シリーズ第1作が1989年にアメリカで発売されて以来、プラットホームや細かな仕様を変えつつも、“プレイヤーが市長となって都市の発展を目指す”という内容はそのままに、今も高い人気を誇っています。
そのシリーズの最新作が本作です。はたして大人気箱庭ゲームの最新作は、どんな姿を見せてくれるのでしょうか?
◆スマートフォン向けに簡単に、軽快になったインターフェイス
市長に就任したプレイヤーは与えられた区画に居住区や工場、公共施設や商業施設などを建て、道路を敷き、電気や水道などのインフラを整える、といった行動をしていくことになります。このシリーズをプレイしたかたにはおなじみの操作ですね。
ただ、やはりスマートフォン用ゲームということで、インターフェイスなどはかなり工夫されている印象。スワイプやピンチなどで視点をぐりぐり動かせますし、道路を敷くときも指一本でざっと画面をなぞるだけ。かなり軽快な印象です。
さらには、建物を建てる前に綿密に都市計画を練る必要はなくなりました。最大限にグレードアップした住宅なども、自由に引っ越しさせられるのです。「住人が近所に公園がないって不満を言い出したけど、今、新しく公園作る余裕ないよ……」ってときには、逆に公園のそばに住宅を引っ越しさせちゃえばそれでOK。このへんも、なるべくお手軽に都市作りを楽しんでもらいたいという開発者の意図が汲んで取れるように思えます。
◆資材に市民の要望応える施設に……振り回されるのもまた楽し!?
一方で、新しく登場した「資材」の存在は悩ましい部分。住宅地区などは、場所さえ指定しておけば勝手にめきめき建物がアップグレードしていった過去作と違い、特定の資材が必要です。資源は工場などで生産できますが、ものによっては工場で生産した資材をさらに商業施設で加工する必要もあり、レベルが上がるほど住宅のアップグレードは難しくなっていく傾向にあるのです。
また都市が発展していくにつれ、さまざまな問題が持ち上がっていきます。交通渋滞、公害、治安の悪化、教育問題などなど……これらを解決するには対応した施設が必要になりますが、建設費はわりとお高めな印象。無計画に都市を発展させると施設が追いつかずに市民の不満が爆発することになりかねないので、やはり計画的にレベルアップさせていく必要があるでしょう。
◆お金がないなら資材を売ればいいじゃない!? ソーシャル要素も充実!
本作が現代風になった点として、ほかのプレイヤーとの貿易の要素も挙げられます。資材は貿易センターなどの施設で売り出すことが可能で、「高価な施設を建てたいけど資金がない」というプレイヤーの助けになります。逆に「資金は潤沢だけど資材の用意が足りない」といった場合はほかのプレイヤーから購入すればよいのです。
またFaceBookとの連携もしており、フレンドとなったプレイヤーの都市を訪れることもできます。こうしたソーシャル要素もスマホ向けに特化した機能と言えるでしょう。
◆人口100万人を越える大都市を目指そう!
色々と昔のシリーズ作品からアレンジも加えつつ、芯の部分はしっかりと過去作のよい部分を継承している本作。ビジュアルも豪華なわりにはアプリの挙動自体は軽く、操作も快適。このあたりは老舗シリーズの余裕のようなものを感じられます。
ぜひみなさんも、指先一本でゴージャスに姿を変えていく都市の様子を眺めてみるのはいかがでしょうか。更地を100万人単位の人口を抱える大都市に育て上げた名市長として、歴史に名前を残しましょう!