既存のゲームの譲渡もあり、コンテンツ事業は苦戦。好調の人材事業はセグメント利益が前期比148%に。
シリコンスタジオ株式会社(以下、シリコンスタジオ)は、平成29年11月期第3四半期決算を10月6日(金)に発表。当期売上高は45億7300万円(前年同期比12.5%減)、営業損失は8億7700万円、経常損失は81億円、親会社株主に帰属する当期純損失は4億4300万円となった。
経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間においては、主にコンピュータグラフィックス関連のエンターテインメント(娯楽)業界及び非エンターテインメント業界向けビジネスに取り組んできた。
開発推進・支援事業においては、新規顧客の獲得、領域拡大に向け、既存及び新規案件の積極的な営業展開を進め、コンテンツ事業においては、2017年5月31日に携帯端末向けの既存ゲーム2タイトルをマイネットグループの子会社である株式会社S&Mゲームスへ譲渡し、第3四半期以降にリリースを控えている新規の複数コンテンツ事業へ注力。人材事業においては、WEBからの集客数が増加したことなどにより、人材派遣及び紹介件数が堅調に推移した。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるグループの業績は、売上高が45億7362万円(前年同期比12.5%減)、営業損失は8億7794万円(同5億4312万円減)、経常損失は8億1026万円(同4億3695万円減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は4億4378万円(同1億8970万円減)となった。
各セグメントの状況は、以下。
開発推進・支援事業
自動車業界・不動産業界・携帯端末といった非エンターテインメント領域での継続案件が引続き好調に推移し、領域拡大に向けて営業体制の強化を進めた。海外事業では、イギリスARM社の100%子会社であるGeomerics社より取得した『Enlighten』の、全世界においての開発、販売、サポートを開始。同ソフトウェアのグローバルイルミネーション(大域照明、または間接光表現)技術は、世界的に高い評価を得ている技術であり、売上ランキングの上位に位置する数多くのゲームに利用されている。さらに、建築・不動産業界、映像業界、自動車業界等、幅広い利用が可能である為、自社のミドルウェアとのシナジーを高め、国内のみならず、海外マーケットへの販売拡大を目指している。しかし、開発、販売、サポートが自社に切りかわったことについての全世界への浸透が遅れた影響で、売上に寄与するのは第4四半期以降になる。
次世代型ゲームエンジン『Xenko』については、無料期間を延長してユーザーの拡大を目指している。大型の開発案件についても、鋭意営業活動を推進してきたが、受注の期ずれなどが発生した。
ソリューションサービスにおいては、クラウド化の流れによりサーバーやストレージ等のハードウェア関連の販売高が減少しており、計画を下回る結果となった。
以上の結果、売上高は21億9183万円(前年同期比7.7%増)、セグメント損失は2億5354万円(同1億7979万円減)となった。
コンテンツ事業
既存ゲームに関しては、機動的な運用を進めた結果、スマートフォンネイティブアプリ『グランスフィア』のダウンロード数が約199万に達した。
しかし、『刻のイシュタリア』および『逆襲のファンタジカ』の2タイトルを株式会社S&Mゲームスへ譲渡したことや、第3四半期にリリース予定の複数のコンテンツが、品質向上のためリリースを第4四半期以降に延期したことにより、計画を下回る結果となった。
以上の結果、売上高は13億1020万円(前年同期比44.5%減)、セグメント損失は4億2721万円(同4億6043万円減)となった。
人材事業
当第3四半期連結累計期間においては、WEBからの集客数の増加や、派遣就業者向け研修を開催する等の戦略が奏功し、派遣先企業で稼動中の一般派遣労働者数は延べ1732名、当第3四半期連結累計期間における有料職業紹介の成約実績数94名となった。
以上の結果、売上高は10億7158万円(前年同期比27.7%増)、セグメント利益は2億1777万円(同48.2%増)なった。
平成29年11月期の連結業績予想に関しては、平成29年1月16日に公表した「平成28年11月期 決算短信」の内容から変更はないとのこと。