サンリオ、平成30年3月期第2四半期決算を発表。営業利益は前年同期比38%減の24億。

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『マイメロディ』と『美少女戦士セーラームーン』などコラボ企画が好評を得るも、ライセンス収入が落ち込み業績予想を下方修正。

株式会社サンリオ(以下、サンリオ)は、平成30年3月期第2四半期決算を11月1日(水)に発表した。平成30年3月期第2四半期の連結業績について、売上高は282億9900万円(前年同期比10%減)、営業利益は24億100万円(同38.2%減)、経常利益は26億6400万円(同28.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億3500万円(同49.1%減)となった。

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経営成績に関する説明

国内事業は、好調なテーマパークや他社キャラクターとのコラボレーション商品企画に加え、新たなキャラクターライセンス市場として企業の食堂、トイレの内装デザイン活用を拡大したと発表。

また、2017年でデビュー15周年の『シナモロール』や『ポチャッコ』『けろけろけろっぴ』など、80年代の復刻キャラクターを含むキャラクターの多展開を国内で行っている他、欧米でも『hello sanrio』として、キャラクターの多様化を推進したが、売上高は282億円(前年同期比10.0%減)、営業利益は24億円(同38.2%減)と減収減益であったと発表した。

今期は、前年同期に3億円を計上した為替差損の発生がなかったため、経常利益は26億円(同28.6%減)、税金等調整前四半期純利益は、投資有価証券売却益2億円を計上し29億円(同22.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億円(同49.1%減)となった。

税金等調整前四半期純利益に比べ前年同期比減少率が拡大した要因は、前年同期は過年度所得に対する更正の請求により法人税等還付税額11億円を計上したためなどと発表。

なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第2四半期連結累計期間の対象期間は、2017年1月~6月と発表した。

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日本セグメントに関しては、以下。

日本:売上高214億円(前年同期比5.5%減)、営業利益17億円(同34.8%減)
日本の小売業界は関西圏を中心に大都市圏では中国人観光客に加え韓国、インドネシアからの観光客が増加し徐々に回復基調にあるとの事だが、地方は低迷が続き、国内全体で主に欧米子会社からのマスターライセンス料の減少が響き、減収減益となった。

国内物販事業
全体的な節約志向が続く中、ECの拡大による来店客数の減少に伴い、購買客数が減少し、苦戦を強いられたとのこと。

一方で、海外観光客については客数、購買額とも前年同期を超え好調に推移。その中で、第32回サンリオキャラクター大賞の1位となった『シナモロール』や、『マイメロディ』と『美少女戦士セーラームーン』とのコラボ商品が若年層に好評を博した。

既存店売上(直営店及び百貨店の当社直営ショップベース)は、前年同期比3.7ポイント増加の97.9%であった。

9月に池袋P’PARCOへ出店した自社コンテンツの『SHOW BY ROCK!!』の期間限定ショップや、人気アニメ『ユーリ!!! on ICE』とサンリオキャラクターズとのコラボレーション商品販売及びキャラクターレストランの開店など、アニメファンへのアプローチが好調とのこと。

また、新宿の京王百貨店においては期間限定で婦人服フロアへミセス世代向けショップをオープン。大阪では旗艦店であるサンリオギャラリー心斎橋店を10月にリニューアルオープンし、多くのユーザーに来場してもらったとしている。

下期に向け、クリスマスやバレンタイン等のギフトシーズン向けの商品発売や、店頭でのイベントによる集客策の実施や、ミセス世代向けショップのようなマーケットセグメントに特化した出店計画等、話題づくりにより販売増に努めると発表。

国内ライセンス事業
玩具、文房具等学童向けカテゴリーのライセンシー商品が地方を中心とした量販店で販売不振となったことによりライセンス収入が低迷。一方、他社キャラクターの『美少女戦士セーラームーン』『ユーリ!!! on ICE』とのコラボ企画や『I’m Doraemon』『ペコちゃん』のサンリオオリジナルデザイン商品が好評を博したとしている。80年代のキャラクターのリバイバルや大人・シニア向け商品に加え、企業の福利厚生にキャラクターの持つ癒しを利用する新しい市場を開拓し、株式会社デンソー等と成約したと報告。また、北海道電力株式会社の広告宣伝やポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の飲料キャンペーンに加え、金鳥(大日本除虫菊株式会社)の広告宣伝や花王株式会社の商品化など、コスメや生活関連が堅調であった。

テーマパーク事業
大分県のハーモニーランドで、九州北部豪雨や台風の影響を受けるなど、天候に恵まれない状況が続いたと報告。その中でも、夏季には期間限定の子供が遊べるプールの開設、夏限定イベントとしてキャラクターによる「おばけ音頭」、ショーでは「水かけカーニバル」、夜間のパレード、花火があがる「イルミナイトショー」が好評を博したとのこと。

また、チャーター便利用の台湾団体の獲得もあり、海外からの団体客数は前年同期の3倍となる9830人となった。この結果、第2四半期累計での入園者数は23万3000人(前年同期比11.8%増)となり、売上高に連動した販売促進費の増加があり、大幅に営業損益は改善したとしている。

東京多摩市のサンリオピューロランドは、シナモロール15周年記念イベント「シナモロールふわもこタウン」へのサンリオピューロランド限定キャラクター『品川紋次郎』の登場や、7月にイルミネーションを増設した『ハローキティ』のイルミネーションショー「SPARKLE!!!」の上演開始、さらに9月からはハロウィーン期間に平日営業時間を1時間延長したことなどで、入園者数は64万9000人(前年同期比7.0%増、4万2000人増加)となった。営業損益に関しては、売上増による増益に対し、開園時間の延長による経費増に加え、レストラン運営委託費、Webサイトリニューアル費用、SNSサイト広告宣伝費、パレードの減価償却費等の発生がありましたが、増収増益となった。

上記の結果、国内テーマパーク事業全体で、売上高40億円(前年同期比2.8%増)、営業利益0.8億円(同1億円増)となった。

連結業績予想に関しては、個人消費が地方を中心に低調に推移したことや、北米におけるネット通販への急速なシフトによるリアル店舗での販売減少に伴うライセンス収入の落ち込みなどにより、通期の連結業績は期初計画に対し大きく未達となったことから、平成29年10月10日に、平成29年5月12日公表の業績予想と配当予想を下方修正したと発表。

サンリオ業績修正 サンリオ

関連サイト

株式会社サンリオ公式サイト
平成30年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
第58期(2018年3月期)第2四半期決算説明資料

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