【レビュー】カモを見つけてがっつりボッタクれ!! ウラ稼業の快感がクセになる? 『ぼくのボッタクリBAR』

◆前代未聞のボッタクリバー経営シミュレーション!

 タイトルを見ただけで思わず吹き出してしまうほどの強烈なインパクトを与えてくれる『ぼくのボッタクリBAR』。そのタイトルが示す通り、ボッタクリバーを経営するシミュレーションゲームである。
 いきなり悪徳オーナーに騙された主人公は、開業資金の1億円という借金を背負わされ、返済のためにバーの経営を強いられる。もちろん、まっとうなバーの経営ではなく、いわゆる“ボッタクリ”バーだ。何も知らずにやってくる“カモ”から、いかにボッタクれるかが問われる、イリーガルな世界を体験する経営シミュレーションゲームなのだ。
 ちなみに本作は17才以上でないとダウンロードできないので、お忘れなく!

タイトル
▲どことなく藤子Aテイストのイラストが雰囲気を盛り上げてくれる。ていうか、オーナー怖すぎるんですけど……。

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◆サービスを提供して利益を得る(ただし正規料金以上いただきます)

 さて本作のゲームの流れから紹介しよう。プレイヤーはバーの雇われ店長の立場となり「仕入れ」「キャスト(女の子)の手配」「用心棒の采配」など、店に関するあらゆることを担当する。開店前は、しっかり飲み物や食べ物を仕入れることからスタート。開店中に飲食物の在庫が切れても途中の補充はできないので、多少余裕をもって仕入れておこう。余る? いやいや、売ればいいんですよ売れば。

注文
▲在庫を切らしてしまうと売り上げが上がらなくなる。開店前にしっかり仕入れをしておくことが重要だ。ちなみに仕入れ値150円のビールを、お店では1杯8000円でご提供。

 開店すると、客引きにつられたお客様(カモ)が来店。すぐに女の子をタップ&ドラッグして、客につかせる。「注文」というアイコンが出たらタップして、商品を提供。そして客の頭上のゲージがなくなると、楽しい楽しいお会計タイムがやってくる。
 このゲームは、そのまま正規料金をもらうという選択はできず、必ず正規料金以上をいただく(=ボッタクる)のが基本。素直に客が支払えば「ボッタクリ成功」、客がごねた場合は「正規料金で済ます」か、用心棒を呼んで「強制的に払わせる」かの選択を迫られる。ここでテンションが上がってしまうのは僕だけですか?

仕事
▲バー開店中は、客の注文に即座に応えるのが主なお仕事。
ぼったくり
▲相手の様子を見て、どのくらいボッタクれるかを目利きする。なかには正規料金の10倍以上を支払ってくれるカモも……!
ぼったくり成功
▲毎度ありがとうございます! ていうか、こんなカンタンにボッタクれちゃうのが怖い……。
ごねられ
▲ボッタクリ価格にごねられることもしばしば。用心棒を呼んで脅して払わせることもできるが、用心棒代がかかるのと、失敗すると正規料金すらもらい損ねるので注意。

 そして5日に一度やってくる借金返済タイム。このときオーナーにいくら返済するかは、プレイヤーが自由に決められる。極端な話、1万円しか返済しなかったとしても、とくに問題はない。ただし借金の残額によって、雇える女の子や移転先が開放されていくので、仕入れ用のお金を残して返済に回してしまおう。あとで説明するが、このゲームは手元にお金を残しておくとリスクのほうが大きいのだ。

オーナー
▲返済額はプレイヤーが決められるなんて、顔に似合わず案外良いオーナーなのでは!?

◆やるからにはベストを尽くす! ボッタクリバーの頂点をめざせ!!

 ボッタクリバーとしての最善を尽くし、できるだけ多くの客からボッタクるのが攻略のキモ。客に支払わせる正規料金の額が高くなれば、当然ボッタクれる額も増えていくので、いかに高額なお酒をたくさん呑ませられるかが重要になる。
 その役割を担うのは、キャストの女の子。レベルが高い女の子ほど、高額なお酒を呑ませる方法に長けている。所持金が増えてきたら、どんどん返済に回して、優秀な女の子を解放していけば、トンでもない額がボッタクれて正直爽快だ。
 初期の店舗は規模も小さく、どうしても売り上げが頭打ちになってしまうが、そんなときは移転して大型の店舗に移ることも考える。新しい移転先も借金の残額が解放のカギになっている。大型店舗へ移転すればカモも多く集まる。ボッタクリ集金システムも加速するのだ。

大型店舗移転
▲西川口の店舗から池袋西口にステップアップ! 席数も増えて、客の入りも上々だ。
キャスト
▲高額商品を頼ませる女の子の手腕は超大事! 早く優秀な女の子を揃えたいところ。

◆ボッタクリバーの宿敵はやはり警察!

 ボッタクリ成功時や、脅した客に逃げられた際にパトカーのサイレンが鳴り響くことがある。その後、外に警官が姿をあらわし、ボッタクるたびにその人数は増加。それでもボッタクリ続けると、ついに警察の強制捜査が入ってしまうことが……! 強制捜査が入ると、所持金は全額没収されてしまう。
 ボッタクリバーを経営する以上、どうしても避けられない運命なので、対抗策を講じよう。手っ取り早いのは、オーナーに借金返済したり、女の子を雇ったりして、手元にお金を残しておかないことである。ベストは、オーナーに借金を返済し、手元にお金が残っていない日にあえて強制捜査されることだ。

強制捜査
▲強制捜査の時に残っていた所持金は全額没収となる。逆にそれしかデメリットがないので、余分なお金を持たないことが重要。強制捜査後は、道にたくさんいた警官も姿を消すので、またボッタクリ天国に!

 ボッタクリバー経営という、前代未聞のテーマに挑戦したブラックユーモアがタップリ詰まった作品である。経営シミュレーションにありがちなストイックさはそれほど感じず、ライトに楽しめる難易度なのもちょうどいい感じ。ボッタクリに成功した時の「ズバーン!」という効果音は、かなりクセになります。そして個人的にはこのゲームを教訓に、変なお店には入らないゾ……と固く心に誓ったのだった。

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