フィンランドで生まれ、日本ではテレビアニメ化で人気を集めた小説&コミック『ムーミン』シリーズ。豊かな自然に囲まれた「ムーミン谷」を舞台に、かわいらしく奥深い世界観が魅力の作品だ。友達思いで寂しがり屋のムーミントロール、いたずら好きのミイ、ちょっと臆病でキラキラしたものが好きなスニフなど個性的なキャラクターが登場し、なかでも孤独と自由を愛する旅人、スナフキンの生きかたに憧れを抱くファンは多い。
そんな『ムーミン』は現在も多数のキャラクターグッズや、世界観をモチーフとしたカフェなどを展開。2017年には東京ドーム4個分の広大なテーマパーク「Metsa(メッツア)」が埼玉の宮沢湖周辺にオープン予定など、生誕70年を迎えた今なお愛され続けている。
さて、『ムーミン ~ようこそ!ムーミン谷へ~』はそんなムーミン谷でのんびりスローライフを楽しめる箱庭シミュレーションゲームだ。畑を使った作物の収穫や魚釣りをしながら、たくさんの仲間を集めて谷を賑やかにしていこう。
まず登場するのは、冬眠から目覚めたばかりのムーミントロール、ムーミンパパ、ムーミンママの3人。彼らのほのぼのとした会話のあとは、さっそくコーヒーづくりに挑戦だ。フィールドに畑を配置し、そこにコーヒー豆を植えてしばし待機。次にたき火を修復して採れたコーヒー豆を使い、コーヒーを淹れよう。
この畑を使った作物の育成は、基本中の基本。最初はコーヒー豆だけだが、そのうち麦、こけもも、さとうきびと、畑で作れるアイテムのバリエーションは少しずつ増えていく。育成にかかる時間は種類によって異なるので、バランスよく獲得していきたいところ。足りなくなることはあれ、多すぎて困ることはないので収穫はこまめに行なおう。
続いては、仲間を迎えるための「おでかけ」だ。畑で採れたアイテムなどを使って色々な場所へ出かると、時々ムーミンシリーズでおなじみのキャラに出会うことができる。とはいえ、1度2度すれ違っただけではムーミン谷に来てくれない。何度かおでかけを繰り返し、たくさんの仲間を探し出そう。スナフキンをはじめ、ムーミンのガールフレンドで知られる「スノークのおじょうさん」なども比較的早い段階で出てくれるのでお楽しみに。
キャラが増えるとムーミン谷が賑やかになるだけでなく、できることが増えていくのもポイント。スニフがいると浜辺で拾い物ができ、その拾い物を使ってムーミンパパが日曜大工で釣りに必要な仕掛けを作る。さらに仕掛けを使ってスナフキンが海で釣りを行ない、釣った魚はスノークのおじょうさんが油で揚げてフライにし、フライはおでかけの要求アイテムへ……と相互に関係していく。おでかけに使うぶんもあるので材料の配分を考えつつ、途中でなくならないよう注意したい。
このほか、ムーミン谷を彩るのに欠かせないのが「デコ」。木々や柵、花などから、触れるとムーミンたちのアニメーションを楽しめるものまで豊富に用意されていて、ショップやガチャで入手できる。ムーミン谷を思い通りにデザインしてみるのもいいし、原作の再現に挑戦してみるのも自由自在。なお、期間限定のデコもあるので見逃さないようにしよう。
かわいいムーミンたちを眺めているだけでも十分楽しいのだが、こうしたシュミレーションゲームは自由度が高いぶん、「何をしたらいいかわからなくなりそう……」という心配もあった。しかし、仲間をみつける、特定のデコを設置するといった条件の提示される「クエスト」、おでかけや畑からの収穫、釣りなどの回数を達成していく「記録」も用意されている。クリアすると報酬も貰えるので、「今日はこの記録を伸ばしておこう」といった指針立てにうってつけ。ムーミンが好きというファンはもちろん、自分好みの箱庭を作ってみたいコツコツ型プレイヤーにもおすすめだ。