面白さとひとくちに言っても色々ある。アイディアの斬新さや奇抜さからくる面白さは説明しやすい。一方で、「確かに面白いはずなのに、どこが面白いのか口では言い表せない!」というタイプの面白さもあるのだ。すべての要素が高クオリティで、気がついたらどっぷり遊び込んでしまうようなゲームのことである。
今回紹介する『グランスフィア 宿命の王女と竜の騎士』は、まさに口では言い表せない面白さを秘めたRPGだ。力の入ったグラフィック、派手な演出、シンプルでわかりやすいシステム、ほどよい難易度など、安心して遊べる要素がきっちり揃っている。
◆「スフィア」の使い方が勝敗のカギ! 毎ターン変わる状況に、きみならどう対処する!?
このゲームは、スカウト(ガチャ)で集めたユニットでパーティを組み、AP(行動力)を消費して敵との戦いに挑む、オーソドックスなステージクリア型RPGだ。戦闘中は、毎ターン1~2個の「スフィア」がランダムで画面に現れる。このスフィアをユニットに使用させると、さまざまな特殊効果を得られる。
スフィアは、全体攻撃ができる「一閃」、1ターン力を貯めて次のターンの攻撃力を高める「チャージ」、敵の攻撃を跳ね返す「反射」など多彩。「攻撃アップ」と「乱撃」と組み合わせて大ダメージを狙ったり、ボスが強力な技の予備動作に入ったら「防御アップ」で防いだりと、その場の状況に合わせた使いかたを考えるのが楽しい。
戦闘中に攻撃したりダメージを受けたりすると「SPゲージ」が溜まり、これが最大になると「スキル」が使用できる。そのままでも通常攻撃よりかなり強力だが、攻撃アップやチャージのスフィアと組み合わせればさらに強烈。ステージ途中でスフィアをやりくりして、うまくボス戦でぶつけてやろう。
ステージ途中の脇道に入ると、飛びぬけて強力なボスが現れることがある。これが、うまくスフィアやスキルを駆使すればギリギリで勝てなくもなさそうな強さになっており、ついついストーリーの本筋をそっちのけで挑戦したくなってしまう。また、こうした強敵が現れるステージでは突入前にちゃんと警告メッセージが出るのも親切なところ。
◆グラフィックと演出はこだわりのハイクオリティ!
ゲーム中のグラフィックはどれもかなりのハイクオリティ。スカウトで手に入るユニットのイラストは、レアリティ☆1から美男美女ぞろい。さらに敵キャラクターにいたっては、戦闘中ずっと動く力の入れよう。特に女性型の敵キャラクターなどは、制作スタッフの気迫を感じるなまめかしさだ。
ストーリーを彩るキャラクターたちも魅力的。ナマイキだが主人公にだけは従順な自動人形コメットや、しっかりしたお姉さんなのにヌケたところのある従者イオなど、揃いも揃ってかわいい。彼女らの見せる多彩な表情が冒険に華をそえてくれる。
◆コミュニケーション機能も充実! 対戦、共闘、チャットまで!
ひとりでストーリーを進める「クエスト」のほかに、別のプレイヤーとコミュニケーションしながら遊べる機能も充実している。「アリーナ」では、別プレイヤーが作ったパーティと対戦が行なえ、相手もスフィアやスキルを使ってくるので、かなりの激戦が楽しめのだ。
「バウンティ」は、最大4人のプレイヤーが共同して、強力なボスを討伐する機能だ。そのぶん敵の攻撃力やHPも高く設定されていてる。アリーナやバウンティで勝利すると「メダル」が手に入り、「交換所」で特別なアイテムやユニットを交換できる。ユニット強化(合成)で多大な経験値が得られる「フェアリー」などもここで手に入るので、積極的に参加していきたいところ。
また「酒場」はチャットルームになっている。素材がドロップする場所について情報交換したり、バウンティに挑む仲間の募集したり、あるいは単純に攻略の話で盛り上がったりと、さまざまな楽しみかたができる。
ひとつひとつのシステムやグラフィックが丁寧に作り込まれているので、奇抜な要素がなくとも充分に楽しめる『グランスフィア』。育成、軽妙なキャラクターのかけあい、ほかのプレイヤーとの対戦や共闘が好きな人におすすめの一作だ。