『縦横合体バトリンカー』は、カプコン入社1年目の新人たちが制作したアプリを配信するプロジェクト「つくれん」( http://game.capcom.com/tsukuren/)発のシューティングゲームだ。一見するとポップな見た目の普通のステージクリア型シューティングゲームに見えるが、柔軟なアイディアが取り込まれた意欲作に仕上がっている。
従来のシューティングゲームの常識で考えると、一度に操作する自機は1機。だがこのゲームでは、プレイヤーが2本指でスライドによって同時に2機を操作する。操作する2機のうち、どちらかに一発でも敵(もしくは敵の弾)に当たるとゲームオーバー。これまでのシューティングゲームとは全然違う操作感覚のため、好調でもわずかな油断でゲームオーバーになってしまうのだ。
だが慣れてきて2機をバランスよく操作できるようになると、「2機も同時に操作している俺、カッコイイ!!」というこれまでにない快感を味わえる。同時進行作業やマルチタスクが得意なかたは、すんなり慣れるのかもしれない。たぶん。
◆縦or横から合体して魅惑のトランスフォーム! 一瞬の判断が生死を左右する!
そしてタイトルにもあるとおり、自機2体は「合体」できる! 両指で2機を操作し、それぞれをつなげることでパワーアップ! 以下の2種類の形態を臨機応変に使い分けて死線を潜り抜けるのだ。
2機を縦につなげることで攻撃型に合体変形! 昔ながらのスーパーロボットアニメ的な合体スタイルと、その形状に男の子なら興奮間違いなし! こちらは通常弾でも倒しづらい敵を豪快な鉄拳で粉砕してくれる。攻撃力が高いぶん、攻撃範囲が狭く、回避性能も低いので使いどころの見極めが肝心だ。
2機をお互い横並びに合体させる「ガード型」は、敵の砲弾を防ぐことが可能。砲弾を多く飛ばしてくる敵に有効だ。だがその間一切の攻撃ができない。縦合体に比べて横からの合体なので瞬時に変形させやすいのが利点だろうか。いわゆる従来のシューティングゲームの“ボム”代わりに、慣れないうちは緊急避難として多用すべし!
◆何といっても本作の魅力は2機を同時操作する快感にあり!
かように合体は便利なのだが、筆者としてはひとりで2機を同時に操作する面白さこそが本作の最大の魅力だと断言したい。確かに敵の砲弾が多く飛び交う場面では、ガード型に合体して切り抜けるのが手っ取り早い。しかしできるだけ2機をうまく操作して切り抜けてほしい。片方をあっちに持っていったり、もう片方をあっちに持っていったりしているうちに頭がゴチャゴチャになるが、どうにかクリアしたときの快感は半端ではない!
見た目はポップで簡単そうだが、普段使わない脳味噌の隅々まで使う感覚(?)が何とも病みつきになる『縦横合体バトリンカー』。若手らしい、シンプルなアイディアが光る快作だ。カプコンの若いあんちゃん達よ、このゲーム、惚れたぜ!