◆HPは45,024,506,000,000,000,000。でも、負けちゃうんです……
ゲームをインストールして2週間ほど経った。現在、塔の195階。勇者のレベルは1070で、HPは4502京4506兆、攻撃力は7447京9743兆となっている。7447京9743兆というのはつまり「74,479,743,000,000,000,000」だ。この20桁の数字を見て億だ、兆だ、京だと即答できる人もあまりいないだろう。こうしたゲームは「クッキークリッカー系」と呼ばれており、パラメータやお金がインフレしてトンデモない値に上がっていくのが特徴だ。「インフレーションRPGクエスト」というタイトルを持つ作者だけに、インフレ系ゲームのツボを心得ている。
▲億、兆、京の次は「垓（がい）」という単位なのだが、本作ではここから「1a2650京」といった表記になる。a、b、c…と続いていくのだろうが、もはやそれがどれくらい大きいのか？ 感覚が麻痺してくる。
この『勇者の塔』は、“キャラを成長させながら塔の上を目指す”というシンプルな内容のRPG。各階には1～5匹程度のモンスターがおり、体当たりさせながら戦いを進めていく。多くのゲームでは、勇者というのは唯一の存在であり絶対的な主人公だ。しかし、本作では画面をタップした分だけ勇者が湧いてくる。文字どおり、湧いてくるのだ。連続タップで勇者の軍隊を進ませ、モンスターの体力を削りながら1階、また1階と塔を上がっていく。勇者すら使い捨てされる時代なのだ。ポイズン。
▲勇者大行進!! これ全員勇者です。もし勇者が死んでしまっても、タップをすれば控えの勇者(!)がすぐに加わる（同時に呼び出すことのできる勇者はアイテムによって決定）。
◆勇者をサポートするさまざまな成長要素が◎
勇者以外にも、「兵士」という形でサポートしてくれるキャラがいる。剣士、アーチャー、忍者、騎士、モンク…とさまざまなジョブがあるが、勇者と異なるのは一定時間ごとに自動出現するという点。兵士は勇者よりも基本、能力が高く設定されているのでなるべく兵士にお金を割きたい。兵士にもレベルがあり、レベルを上げれば上げるほどステータスや出現頻度がアップしていく。
▲束になってかかっても瞬殺される勇者を尻目に、後からやってきた兵士がモンスターを瞬殺することも。勇者はおとなしく、サポート役に徹するしかないのか…？
画面右上には、タップすると発動する4種類のスキルがある。兵士の出現頻度と移動速度がアップする「ドーピング」。モンスターの落とす金がアップする「金の雨」。全兵士が能力アップの状態で最上階へ集結する「ワープ」。ファイナルウェポン的な「究極召喚」…と多彩な効果があるが、スキルは一度使うとしばらく使えなくなるので発動ドコロを見極めよう。
▲どうしても突破できない階があったら、スキルをフル発動させて一気に決着をつけよう。モンスターは一定時間で復活するので、ある程度戦力に余裕がないと全部倒すのはキツいのだ。
スキル同様、成長要素のあるサポートとして「モンスター封印」「勇者バーサーカー」「育成速度」「パワーアップ」などがある。どれも塔攻略を有利にするものなので、勇者や兵士、スキルの育成とともにこれらのサポート要素もまんべんなく成長させていこう。
◆ラスボスもエンディングもいりません。そこに塔があるかぎり――
あたたかみのあるドット絵は、細部まで描かれておりモンスターもどこか風格がある。全何階の塔なのか？ レベルはいくつまでアップするのか？ 兵士のジョブはどこまで増え続けるのか？ 現状、筆者にはそれを知るすべはない。それを知ってしまうと、ゲームの終わりが見えてしまい寂しくもなる気もしたので、今はただ“高みを目指す”ことに専念し、タップを続けようではないか。
▲10兆ゴールドで獲得できる「新ダンジョン」は、装備品はそのままに1から新たなダンジョンをやり直せるというもの。塔を上り詰めたら、これをポチッとなして新たな気持ちで1階に降り立つのも悪くない。
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