【レビュー】『ローグクリエイター』不思議なダンジョンを創り出せ! ツクラー魂が燃え上がる、待望のRPG作成ツール


 ローグライクというゲームジャンルをご存知だろうか。「プレイヤーが1歩動くごとに敵も1歩動く」、「ダンジョンは毎回自動生成される」、「敵にやられるとレベル1に戻される」など、独特の緊張感あるゲームシステムがコアなファンに愛され続けているRPGのジャンルのひとつで、『不思議のダンジョン』シリーズが有名だ。

『ローグクリエイター』は、そんなローグライクゲームを自分の手で創ってしまえるという、夢のようなアプリ。アイテム、モンスター、イベントなど、思うがままに設定でき、さらにできあがったゲームを世界中に公開できる。クリエイター魂が燃え上がってくるぞ!


◆ローグライクの基本は標準搭載! サンプルゲームも充実!

 どんなゲームが創れるのかは、収録されているサンプルゲームを遊んでみればよくわかる。限られた所持枠内でどのアイテムを残すか取捨選択したり、多くの敵に囲まれたときは命からがら通路に逃げ込んで各個撃破したりと、ローグライクの楽しさはしっかり踏襲されている。素振りで発見できる罠や、大量のモンスターがひしめく「モンスターハウス」といった定番システムももちろん用意されている。

▲出た! モンスターハウス! モンスターハウスの出現率も設定可能な項目。「必ずモンスターハウスになるフロア」なども作れる。


◆アイテムやモンスターからイベントまで、設定項目は多彩!

 拠点となる街、ダンジョンの構造、BGM、アイテム、モンスターなどはおおよそすべて自由に設定可能。たとえばダンジョンなら「部屋の個数」、「部屋の大きさ」を決めたうえで、「自動生成」か「固定マップ」かを選べる。登場するモンスターや配置されるアイテムも、ダンジョン全体でおおざっぱに決めることもできれば、1階ごとに細かく設定もできるのだ。

▲多彩な設定項目の中で筆者が一番はまったのは、アイテムの説明文、フレーバーテキスト作り。これは「毒のパン」のフレーバー。シリアスに書くもよし、遊び心を加えるもよし! こういうの大好きなんです。


▲拠点となる街の背景は数種類から選ぶ。ゲームの雰囲気や設定に合わせて選ぼう。


▲街にある施設ではキャラクターの顔やセリフ、商品の値段などを設定できる。口は悪いけど実は親切なアネゴ系鍛冶職人……って感じで、どうすか!?


▲小さな部屋をたくさん並べたり、部屋数を少なくして大部屋を作ったり、ときにはBGMを変更したりとダンジョン作りは自由自在。大部屋モンスターハウスはローグライクのロマン!


▲モンスターのバランス調整はRPGの命といってもいい。強すぎず弱すぎず、ちょうどいい具合になるまでじっくり煮詰めていこう。ときには飛びぬけて強い敵を配置するのもアクセントになるかも?


 さらに、オープニングやエンディング、ダンジョン内で起きるイベントも作れる。使用可能なコマンドは「文章の表示」(テロップ)、「会話イベント」(顔グラフィック付き)、「お店の処理」など。課金して「ローグクリエイターPro」を導入すれば、スマートフォンに保存した画像を使って「ピクチャーの表示」も可能。オリジナルストーリーを展開するのに十分なコマンドは揃っている。

▲イベントが起きるタイミングは、「フロア入場時」と「フロア退場時」のふたつ。うまくイベントを盛り込んでゲームを盛り上げていこう。


◆できた作品は「クリエイターWeb」にアップロード! 世界中のプレイヤーに遊んでもらえる!

 完成した作品は、「クリエイターWeb」にアップできる。ここには世界中のクリエイターによる作品が集められていて、それを自由にダウンロードして遊べるのだ。なおアップロードには、課金アイテムの「クリエイターチケット」が必要。クリエイターチケットは有料版の『ローグクリエイターPro』(480円)を購入すれば2枚付いてくるほか、1枚120円、3枚240円で販売されている。

▲筆者も一作ツクりました! 作品名『きみの星空が果てるまで』。恋の相手を塔の最上階まで救いに行く物語。試しに遊んでみてください!


◆クリエイター魂の持ち主には絶対オススメ! 入魂の作品を創り出せ!

「ローグライクを自分で創れる」この一文だけでテンションが上がってくるようなクリエイター魂の持ち主ならば、このアプリにはぜひ触れてみてほしい。もちろん、ゲーム作成ツールの常として、「ここをこう設定できれば……」という不満はどうしても残る。だが、そんな制限さえも知恵と工夫で乗り越えるのが、ツクラー(※RPGをツクる人、の意)の心意気ではあるまいか!

 クリエイターWebの作品をダウンロードして遊ぶだけでも楽しいし、自分の手で作品を作ればさらに楽しい。ローグライクのファン、ゲーム作りやストーリー作りが好きな人、そして個人製作のフリーゲームを遊ぶのが好きな人などにオススメだ。筆者もひとりのファンとして、あなたの魂が籠った作品を心待ちにしている。

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