東映アニメーション、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の好調により営業利益112.7億円。平成30年3月期決算。

「ドラゴンボール」や「プリキュア」などの主力商品が好調。一方、「ONEPIECE FILM GOLD」相当のものがなく、減収が目立った。

東映アニメーション株式会社（以下、東映アニメーション）は、5月14日に平成30年3月期決算を発表した。当期の連結業績は、売上高459億9200万円（前期比12.9％増）、営業利益112億7200万円（同11.2％増）、経常利益115億6100万円（同11.6％増）、親会社株主に帰属する当期純利益78億4700万円（同8.9％増）となった。

経営成績の概況

当連結会計年度は、「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」「プリキュア」シリーズといった主力作品による収益の安定・拡大を図るとともに、事業においては国内外でアプリゲーム等ゲーム化権を販売。また、中国を中心とした映像配信権の販売に引き続き注力した。

以上の結果、売上高は、国内外でアプリゲーム化権、海外で映像配信権の販売好調により、459億9200万円（前連結会計年度比12.9％増）。利益は、収益性の高い版権事業や海外映像販売事業が大幅増収だったことで、営業利益112億7200万円（同11.2％増）、経常利益115億6100万円（同11.6％増）、親会社株主に帰属する当期純利益は78億4700万円（同8.9％増）となった。

セグメント毎の業績は、以下の通り。

映像製作・販売事業
劇場アニメ部門では、平成29年3月に「映画プリキュアドリームスターズ！」、9月に「デジモンアドベンチャーtri.第5章」、10月に「映画キラキラ☆プリキュアアラモード」、平成30年1月に「劇場版マジンガーZ ／INFINITY」、3月に「映画プリキュアスーパースターズ！」を公開。前連結会計年度にあった「ONEPIECE FILM GOLD」のヒットに相当するものがなかったことから、前連結会計年度と比較して大幅な減収となった。

テレビアニメ部門では、「ワンピース」「キラキラ☆プリキュアアラモード（平成30年2月より「HUGっと！プリキュア」）」「ドラゴンボール超」「デジモンユニバースアプリモンスターズ」「正解するカド」「タイガーマスクW」の6作品を放映。前連結会計年度に比べ、放映本数が減少したことで、若干の減収となった。

コンテンツ部門では、映像パッケージの販売が全体的に軟調に推移したことで、大幅な減収となった。

海外映像部門では、中国向け大口映像配信権の販売本数の増加により、大幅な増収を記録した。

その他部門では、アプリゲーム『聖闘士星矢ギャラクシースピリッツ』が好調に稼動したことで、増収となった。

上記の結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は162億2300万円（前連結会計年度比1.8％増）。セグメント利益は、将来に向けての人材強化と製作環境の整備等による製作原価の上昇で、24億2300万円（同30.6％減）と増収減益となった。

版権事業
国内版権部門では、アプリゲーム『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』が前連結会計年度より更に好調に稼動したことにより、大幅な増収を記録。

海外版権部門では、全世界で『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』が好調に稼動したことに加
え、「ワンピース」のアプリゲームに関する契約が複数あったことで、大幅な増収となった。

上記の結果、版権事業全体では、売上高は241億2400万円（前連結会計年度比32.6％増）、セグメント利益は114億3900万円（同31.8％増）となり、大幅な増収増益であった。

商品販売事業
商品販売部門では、『プリキュアプリティストア』等のショップ事業が好調。一方で、前連結会計年度にあった「ONE PIECE FILM GOLD」のタイアップ・キャンペーンに相当するものがなかったため、大幅な減収となった。

上記の結果、売上高は47億6600万円（前連結会計年度比13.8％減）、セグメント利益は1億2300万円（同33.8％減）と大幅な減収減益となった。

その他事業
催事イベントやキャラクターショーなどを展開。

前連結会計年度にあった「聖闘士星矢」の催事関連に相当するものがなかったことに加え、「ワンピース」が前連結会計年度に比べ軟調に推移したことで、大幅な減収となった。