サービス改善の優先から実装を延期していた新バージョンがいよいよ始動。ニコニコ再成長のきっかけに。
株式会社ドワンゴ（以下、ドワンゴ）は、同社が運営する日本最大級の動画サービス「niconico」の新バージョン「(く)（読み方：クレッシェンド）」のサービスを、2018年6月28日（木）から開始することを発表した。
「(く)」は、新しい遊びや機能を提供する「niconico」の新バージョンとして2017年11月に発表されたが、当時は基本的な機能改善をのぞんでいたユーザーが多く、運営にも多数の意見が届いたことから、サービス改善機能改善に注力するため、バージョン変更を延期していた。
その後、ユーザーからの意見を伺う場として、ニコニコ生放送で「意見交換会」や「改善報告会」を実施し、動画のフルHD（1080p）画質や生放送のHD（720p）画質対応、動画の非ログイン視聴対応など、ユーザーを尊重した改善対応を施してきた。
そして、今回延期していた「(く)」の実装に至ったが、発表当初のコンセプトだった“新しい遊びや機能の提供”を、“ニコニコサービスの改善”に変更したこともうかがえる。
「(く)」のサービス改善は、回線の増強やニコニコ生放送のHD（720p）画質配信の枠数制限撤廃、ニコニコ生放送の非ログイン視聴対応などを中心に、ユーザーの意見を含めて対応を行なう。
また、サービス開始時には、総合トップ・動画トップ・生放送トップページの改修を実施。その後、スマートフォンアプリの改善、ニコニコのカテゴリとランキングの見直し。さらに、VRライブコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」と「ニコニコ生放送」の投げ銭機能を2018年夏に導入する予定だ。
「く」で予定している取り組みは、以下の通り。
「(く)」で予定している取り組み
1.サービス改善
ニコニコ生放送のHD（720p）画質配信の枠数制限撤廃やニコニコ生放送の非ログイン視聴対応を実施するほか、ニコニコの回線を約2倍に増強します（730Gbpsから1400Gbps）。
なお生放送のHD画質配信においては、株式会社ソシオネクストと共同開発したトランスコードシステムを導入します。このシステムは、ソシオネクストが提供する動画コーデックハードウェアを利用し、従来のサーバーのみの構成と比較して2倍以上の処理能力を達成します。
これにより、全ての生放送の高画質配信が実現可能となります。
2.総合トップ・動画トップ・生放送トップページの改修
総合トップと動画・生放送の各トップにおいてデザインを一新。生放送においては、現状の公式生放送のみの表示ではなく、ユーザー生放送の番組情報も表示されるようになります。
3.ランキング・カテゴリの見直し
ランキングにおいては、現状から大きく改善をするため抜本的な見直しを予定しています。
またカテゴリにおいては、現状の分類が旧来のままのため、新しいカテゴリの追加に向けてユーザー意見を募るSlackページを後日開設します。
4.投げ銭機能の導入
VRライブコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」と「ニコニコ生放送」において、投げ銭機能の導入を夏に予定しています。今後、そのほかのサービスにも対応していく予定です。
