「モンハン」シリーズを筆頭としたデジタルコンテンツ事業が収益向上に大きく寄与。『MHW』は単一タイトルでカプコン過去最高の売れ行き。
株式会社カプコン(以下、カプコン)は、2019年3月期第2四半期決算を10月29日に発表した。当期連結経営成績については、売上高は433億2700万円(前年同期比28.5%増)、営業利益は105億800万円(同110.1%増)、経常利益は102億9700万円(同105.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は68億4900万円(同96.8%増)だった。
経営成績に関する説明
2018年1月に発売し市場を席巻した『モンスターハンター:ワールド(以下、MHW)(プレイステーション4(以下、PS4)、Xbox One、パソコン(以下、PC)用)』が続伸したことで出荷本数が1000万本を突破、単一タイトルとしてはカプコンの過去最高の販売記録を更新した。
「東京ゲームショウ2018」では、『バイオハザード RE:2(PS4、Xbox One、PC用)』と『デビル メイ クライ5(Xbox One、PS4、PC用)』が来場者の大きな反響を呼び、旗艦タイトルの発売に向けて期待が膨らんだ。また、同じく開催したeスポーツのイベント「CAPCOM Pro Tour(カプコンプロツアー)ジャパンプレミア」が観戦者の熱気に包まれるなど会場は盛り上がり、今後の事業展開に弾みがついたとした。
利益面については、連結子会社の開発中止損を計上したが、デジタルコンテンツ事業が好伸したことで増益となった。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間は、売上高433億2700万円(前年同期比28.5%増)、営業利益105億800万円(同110.1%増)、経常利益102億9700万円(同105.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益68億4900万円(同96.8%増)だった。
セグメント毎の業績は以下の通り。
デジタルコンテンツ事業
前期に大旋風を巻き起こした看板タイトル『MHW』がユーザー層の拡大により人気が持続。2018年8月にリリースしたPC向けSteam版も好調に推移して利益を押し上げた。また、同じく国外に向けた『モンスターハンターダブルクロス(Nintendo Switch用)』が、安定した人気に支えられ、底堅い売れ行きをしめし、今期は「モンハン」シリーズが業績向上のけん引役を果した。
海外で発売した新作タイトル『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション(PS4、Nintendo Switch、Xbox One、PC用)』が健闘し、『ロックマンX アニバーサリー コレクション』『ロックマンX アニバーサリー コレクション 2』『ロックマンX アニバーサリー コレクション 1+2(いずれもPS4、Nintendo Switch、Xbox One、PC用)』も固定ファンや根強いブランド力により順調に推移した。
また、利益率が高いリピートタイトルも堅調に販売を伸ばし、収益向上に寄与した。
上記の結果、売上高は341億9500万円(前年同期比69.8%増)、営業利益117億5100万円(同206.8%増)だった。
アミューズメント施設事業
記録的な猛暑による外出控えなどの一過性要因の影響があったが、身近な娯楽施設として多様な顧客に対応したゲーム機の設置やサービスデーの実施、各種イベントの開催などにより、リピーターや中高年齢者、女性、親子連れなどの幅広い客層の取り込みに努めてきた。
当期間は、広島県に1店舗をオープンしたが、茨城県の1店舗を閉鎖。施設数は36店舗となった。
上記の結果、売上高は55億400万円(前年同期比6.3%増)、営業利益7億3400万円(同15.7%増)だった。
アミューズメント機器事業
パチスロ機部門は、市況軟化のもと『ストリートファイターV』や『ロックマンアビリティ』などを発売したが、消費マインドの低下やホールオペレーターの投資抑制などにより伸び悩んだ。
業務用機器部門についても、商材不足により終始苦戦を強いられ、同事業は全体的に軟調に推移した。
上記の結果、売上高は22億2400万円(前年同期比69.7%減)、営業損失6億2500万円(前年同期は営業利益19億2500万円)だった。
その他事業
主にライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズなどの物品販売を行なっている。
上記の結果、売上高は14億300万円(前年同期比29.9%増)、営業利益6億8500万円(同20%増)だった。
2019年3月期の連結業績予想については、5月8日に発表した内容から変更はない。
関連サイト
株式会社カプコン公式サイト
株式会社カプコン公式IRサイト
2019年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
第2四半期 決算説明会 カンファレンスコール