シリコンスタジオ、コンテンツ事業売却で赤字縮小も営業損失7億円 平成30年11月期決算

シリコンスタジオ

コンテンツ事業の売却後はCG関連ビジネスに注力。自動車業界や不動産業界などへも積極的に営業を展開。

シリコンスタジオ株式会社(以下、シリコンスタジオ)は、平成30年11月期決算を1月15日に発表した。当期の連結経営成績については、売上高は50億200万円(前期比18.2%減)、営業損失は7億7100万円、経常損失は8億400万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億1500万円だった。

決算

経営成績に関する説明

シリコンスタジオは、主にコンピュータグラフィックス(コンピュータを使って制作された映像、以下、CG)関連ビジネスに多角的に取り組むと同時に、収益性の改善に努めてきた。

当連結会計年度の開発推進、支援事業については、強みを持つエンターテインメント(娯楽)業界向け案件の着実な獲得、成長余地が大きい自動車業界や不動産業界など非エンターテインメント領域における積極的な営業展開を進行してきた。

また、平成29年から評価版の提供を開始した、個々のユーザー行動を予測する最先端の機械学習エンジン「YOKOZUNA data」に関する資産を、平成30年7月23日付でKeywords International Limitedに譲渡した。これは、「YOKOZUNA data」が予測精度や学術面で高い評価を得ていた一方で、普及拡大のためには追加開発や、プロモーション活動の強化といった追加投資が必要であると考えたことから、シリコンスタジオグループの経営リソースを考慮し、事業譲渡が望ましいと判断したことによるもの。これにより、特別利益に事業譲渡益1億6331万円を計上した。

コンテンツ事業においては、平成30年6月18日付適時開示「会社分割(簡易新設分割)および新設会社の株式譲渡に関するお知らせ」のとおり、当連結会計年度において、コンテンツ事業を会社分割(簡易新設分割)により新設会社に承継させたうえで、新設会社の株式の90%を平成30年7月4日付で株式会社クリーク・アンド・リバー社へ譲渡。これにより、特別利益として関係会社株式売却益5402万円を計上した。これは、近年のスマートフォン向けゲーム市場においては、ゲーム内容の増大及び複雑化、グラフィックの美麗化により、ゲーム開発に要する期間は長期化し、開発費用も増大傾向にあることに加え、他社との競争も激化しており、こうした事業上のリスクが、シリコンスタジオグループの業績に与える影響は大きいことから、単独でのコンテンツ事業の継続は困難と判断したもの。

人材事業については、人材派遣や紹介件数が引き続き堅調に推移した。

その他、固定費削減の為、当連結会計年度において事務所レイアウトの再配置を2回実施し、賃借していた事務所の一部を解約したことで、固定資産除却損等の特別損失を1億3720万円計上した。

以上の結果、当連結会計年度のグループ業績は、売上高50億283万円(前期比18.2%減)、営業損失7億7176万円(前期は12億5153万円の損失)、経常損失は8億474万円(前期は12億275万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は7億1516万円(前期は11億3781万円の損失)となった。

セグメント毎の業績は以下の通り。

開発推進・支援事業
当連結会計年度のミドルウェアライセンス販売については、大型案件の獲得もあり、計画を上回り好調に推移した。

注力分野である自動車業界向け事業の売上高については、計画を下回ったものの前年同期比で増加。しかし、一部の開発案件において、開発期間の長期化の影響などにより、減収となった。

また、長期化案件の開発費用増加分につき受注損失引当金を計上しましたが、高採算案件で損失をカバーし増益となった。

上記の結果、売上高は29億70万円(前期比5.9%減)、セグメント利益は1億7482万円(前期は3億7634万円の損失)だった。

コンテンツ事業
コンテンツ事業を譲渡した影響により、大幅な減収となった。

上記の結果、売上高は3億6462万円(前期比76.6%減)、セグメント損失は7億4933万円(前期は6億2762万円の損失)だった。

人材事業
派遣先企業で稼働中の一般派遣労働者数は延べ3101名、有料職業紹介の成約実績数は
232名となった。

上記の結果、売上高は17億3750万円(前期比18.0%増)、セグメント利益は3億6933万円(同22.5%増)だった。

関連サイト

シリコンスタジオ株式会社公式サイト
平成30年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

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