東宝、主力の映画事業で定番アニメや話題の邦洋画を上映し営業利益335億円 平成31年2月期第3四半期決算

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「名探偵コナン ゼロの執行人」や「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」の上映やグッズ販売が好調に推移。不動産事業ではコストを削減。

東宝株式会社(以下、東宝)は、1月15日に平成31年2月期第3四半期決算を発表した。当期の連結経営成績については、営業収入は1884億5100万円(前年同期比1%減)、営業利益は355億5200万円(同10.9%減)、経常利益は368億5700万円(同10.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は238億2200万円(同15.6%減)だった。

東宝 営業概況 セグメント別

経営成績に関する説明

主力の映画事業では、定番のアニメーション作品のほか、話題作を配給。演劇事業でもさまざまな話題作を提供した。

以上の結果、営業収入は1884億5100万円(前年同期比1%減)、営業利益は355億5200万円(同10.9%減)、経常利益は368億5700万円(同10.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は238億2200万円(同15.6%減)だった。

セグメント毎の業績は以下の通り。

映画事業
映画営業事業
製作部門では、「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)(以下、ゼロの執行人)」「劇場版ポケットモンスター みんなの物語(以下、みんなの物語)」「検察側の罪人」など、23本の映画の共同製作などを行ない、劇場用映画「フォルトゥナの瞳」などを制作した。

配給部門では、上記の作品のほか、「映画ドラえもんのび太の宝島」や「映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~」など26本、東宝東和株式会社などで「ジュラシック・ワールド/炎の王国」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」「ボス・ベイビー」など13本を配給した。

上記の結果、映画営業事業の営業収入は376億2000万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は88億2800万円(同15.8%減)だった。

映画興行事業
TOHOシネマズ株式会社などで、上記配給作品や、「万引き家族」「カメラを止めるな!」「リメンバー・ミー」など、邦洋画の話題作を上映。当第3四半期連結累計期間における映画館入場者数は、3591万人と前年同期比で2.7%増加した。

上記の結果、映画興行事業の営業収入は622億3200万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は99億7200万円(同8.4%増)だった。

映像事業では、パッケージ事業において、DVDとBlu-rayで「ウマ娘 プリティーダービー」や「舞台『刀剣乱舞』ジョ伝 三つら星刀語り」などを提供。

出版・商品事業では、劇場用パンフレットやキャラクターグッズにおいて「ゼロの執行人」「みんなの物語」をはじめとする自社配給作品、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」などの洋画作品が順調に稼働した。

上記の結果、映像事業の営業収入は233億4000万円(前年同期比23.2%減)、営業利益は40億9200万円(同47.8%減)だった。

映画事業

演劇事業
演劇事業では、帝国劇場にて、3月の「Endless SHOCK」が全席完売、4~5月の「1789 -バスティーユの恋人たち-」、5~6月「モーツァルト!」がともに大入り、7~8月「ナイツ・テイル-騎士物語-」、9月「DREAM BOYS」がともに全席完売。10~11月には「マリー・アントワネット」を上演した。

シアタークリエでは、「ジャニーズ銀座2018」が完売し、「ゴースト」「ジャージー・ボーイズ」「ピアフ」がともに大入りとなり、日生劇場では、3月「ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち」、10月「ジャニーズ伝説2018」、東急シアターオーブでは3~5月「メリー・ポピンズ」、9月「マイ・フェア・レディ」を上演し、その他全国へと社外公演を展開した。

東宝芸能では、所属俳優がCM、TV、映画などで順調に稼働した。

上記の結果、演劇事業の営業収入は129億2500万円(前年同期比8.3%増)、営業利益は23億8800万円(同2.7%減)だった。

演劇事業

不動産事業
不動産賃貸事業では、「日比谷シャンテ」を3月にリニューアルオープン。全国に所有する不動産が堅調に稼働し、事業収益に寄与した。東宝の東宝スタジオについても、ステージレンタル事業が、映画、TV、CMともに順調に稼働した。

上記の結果、不動産賃貸事業の営業収入は218億8000万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は97億400万円(同3.7%増)だった。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理株式会社及び東宝ファシリティーズ株式会社(旧:株主総会東宝サービスセンター)が、労務費や資材価格の高騰、人員不足の常態化等により、厳しい経営環境が継続。新規受注に取り組むとともに、コスト削減努力を実施した。

上記の結果、不動産保守・管理事業の営業収入は81億9200万円(同10.8%増)、営業利益は7億2400万円(同6.7%増)とだった。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は488億9000万円(同4.4%増)、営業利益は128億4200万円(同2.5%増)だった。

不動産事業

その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業株式会社の「東宝調布スポーツパーク」、株式会社東宝エンタープライズの「東宝ダンスホール」、TOHOリテール株式会社の飲食店舗・劇場売店などで、利用者のニーズを捉えた充実したサービスの提供に努めた。

上記の結果、営業収入は34億4200万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は1億2500万円(同6.7%減)だった。

関連サイト

東宝株式会社公式サイト
平成31年2月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2019年2月期第3四半期決算説明資料

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