子会社の事業方針見直しで特別損失37億円超も計上。出版事業は電子書籍や『マンガUP!』の好調で増収増益。
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス(以下、スクエニHD)は、平成31年3月期第3四半期決算を2月5日(火)に発表。当期連結経営成績については、売上高は1790億7000万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は117億2000万円(同65.3%減)、経常利益は159億7000万円(同54.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は89億1600万円(同60.1%減)となった。
経営成績に関する説明
デジタルエンタテインメント事業やアミューズメント事業、出版事業など、各セグメントにおいて、事業基盤の強化と収益力の向上に努めている。
完全子会社である株式会社Luminous Productionsについては、事業方針の抜本的見直しを行なうことを決定。これにより、主に同事業に係るコンテンツ制作勘定の処分など、37億3300万円を特別損失として計上した。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は1790億7000万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は117億2000万円(同65.3%減)、経常利益は159億7000万円(同54.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は89億1600万円(同60.1%減)となった。
セグメント毎の業績は以下。
デジタルエンタテインメント事業
ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント・コンテンツの企画や開発、販売、運営を行なっている。
デジタルエンタテインメント・コンテンツは、顧客のライフスタイルにあわせて、家庭用ゲーム機 (携帯ゲーム機含む)やPC、スマートデバイスなど、多様な利用環境に対応している。
家庭用ゲーム機向けタイトルについては、『SHADOW OF THE TOMB RAIDER』『JUST CAUSE 4』『OCTOPATH TRAVELER』などを発売したことで、前年同期比で増収。一方、新規大型タイトルの開発費の償却や広告宣伝費の増加で、前年同期比では減益となった。
スマートデバイス・PCブラウザなどをプラットフォームとするコンテンツについては、前期にサービスを開始したタイトルの多くが想定を下回り、既存有力タイトルの売上高に上乗せをするにいたらなかった。また、ライセンス収入の減少や広告宣伝費の増加により、前年同期比で減収減益となった。
12月に配信した『ロマンシング サガ リ・ユニバース』については、好調な出足となった(当第3四半期の売上高には含まれず、第4四半期より売上高に計上)。
多人数参加型オンラインRPGについては、前年同期に『ファイナルファンタジーXIV』と『ドラゴンクエストX』の拡張版ディスクを発売したことで、前年同期比で減収減益となった。
上記の結果、売上高は1304億8200万円(前年同期比9.1%減)、営業利益は148億300万円(同59.3%減)となった。
アミューズメント事業
アミューズメント施設の運営、アミューズメント施設向けの業務用ゲーム機器・関連商製品の企画、開発、販売を行なっている。
当第3四半期連結累計期間については、店舗運営が堅調に推移したことに加えて、アミューズメント機器で新作を販売したことで、前年同期比で増収となった。
一方、店舗の機器入れ替えに伴う償却費の増加やアミューズメント機器の収益性低下等により、利益は前年同期比で減少した。
上記の結果、売上高は342億9800万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は14億8600万円(同42.8%減)となった。
出版事業
コミック雑誌やコミック単行本、ゲーム関連書籍などの出版、許諾などを行なっている。
コミック単行本については、媒体での販売が前年同期と同じ水準だったが、電子書籍形式での販売が大幅に増加した。さらに、マンガアプリの『マンガUP!』の好調もあったことから、前年同期比で増収増益となった。
上記の結果、売上高は99億6900万円(前年同期比20.4%増)、営業利益は28億200万円(同52.7%増)となった。
ライツ・プロパティ等事業
主にスクエニHDグループのコンテンツに関する二次的著作物の企画、制作、販売、ライセンス許諾を行なっている。
前年同期において自社コンテンツの新規キャラクターグッズなどの投入があった反動減で、前年同期比で減収減益となった。
上記の結果、売上高は51億2800万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は5億4900万円(同64.8%減)となった。
関連サイト
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス公式サイト
平成31年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
平成31年3月期第3四半期決算参考資料