テレビ東京HD、4K関連や配信関連の費用増加で減益 営業利益59億円 平成31年3月期決算

地上波放送事業でのタイム収入などの貢献で過去最高の売上を更新。アニメ事業では海外において「NARUTO」の配信が堅調に推移。

株式会社テレビ東京ホールディングスは、平成31年3月期決算を5月14日(火)に発表した。当期連結経営成績について、売上高は1492億2900万円(前期比1.4%増)、営業利益は59億4700万円(同20%減)、経常利益は56億1900万円(同29.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億3400万円(同46.6%減)だった。

テレビ東京決算

経営成績に関する説明

売上高については、地上波放送事業でのタイム収入や海外売上を中心としたソフトライツ収入などの貢献により、過去最高を更新した。

一方費用面では、4K関連や配信関連の費用と地上波放送事業の番組制作費における政策的な費用が増加した。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は1492億2900万円(前期比1.4%増)、営業利益は59億4700万円(同20%減)、経常利益は56億1900万円(同29.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億3400万円(同46.6%減)となった。

セグメント毎の業績は以下。

地上波放送事業
映画事業については、「BLEACH」の興行が伸び悩んだが、「銀魂」「アウトレイジ最終章」などの興行が好調だった。

アニメ事業では、中国をはじめとする海外において、「NARUTO」の配信とゲームが引き続き堅調に推移し、新たに「BORUTO」「ブラッククローバー」も順調に売上を伸ばした。国内の商品化やビデオグラムの取り扱いは減少したが、ソフトライツ収入全体では増収となった。

上記の結果、売上高は1164億3300万円(前期比1.6%増)、営業利益は63億4800万円(同15.7%減)となった。

放送周辺事業
CS放送関連において、アニメ専門チャンネル「AT-X」が9月末からHD放送をスタートし、加入促進策を講じた効果もあり、放送売上は想定よりも小幅な減少にとどまった。しかしながら、作品期ずれの影響で広告関連売上が減少したほか、ライツ売上もヒット作に恵まれなかったことで、放送外売上が苦戦した。これにより、株式会社エー・ティー・エックスの売上高は51億9000万円(前期比14.1%減)だった。

音楽出版関連は、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」主題歌のカラオケ二次利用や、「安室奈美恵」のベストアルバムのヒットにより、代表権を持つ楽曲の印税収入が3月に好転したが、第3四半期までの伸び悩みをカバーするに至らず、株式会社テレビ東京ミュージックの売上高は29億3200万円(前期比5.3%減)となった。

上記の結果、売上高は409億1800万円(前期比10.2%増)、営業利益は24億5700万円(同12.8%増)となった。

BS放送事業
放送収入のうちタイム収入では、特別番組セールスで「鈴鹿10時間耐久レース中継」など、新規大型案件の開発に成功し、「小谷真生子経済ルポスペシャル トヨタ100年の死闘」といった経済番組や4Kドラマ「琥珀の夢 特別版」などが好調で、前年実績を上回った。

一方、レギュラーセールスの提供番組の終了などにより、前年実績を下回ったことで、タイム全体が前年実績を下回った。

その他収入部門では、BSオリジナル4Kドラマへの製作出資を通年で展開。一般番組やアニメ事業への出資とともに、配信や海外販売などのソフトライツ事業を中心に、通信販売事業やイベント事業で売上を伸ばした。

上記の結果、売上高は163億2600万円(前期比1.5%増)、営業利益は11億6600万円(同19.2%増)となりました。

コミュニケーション事業
キャラクター関連事業が好調に推移し、特に海外ライセンスとEC売上が大きく伸長した。eスポーツ、バーチャルYouTuber(Vtuber)、地方創生事業など新規事業構築に積極的に取り組んだ。

一方、「虎ノ門市場」と「厳選いい宿」を株式会社テレビ東京ダイレクトに事業移管したことで、売上が大きく減少した。

上記の結果、売上高は45億2500万円(前期比33.1%減)、営業利益は3億2000万円(同17.4%減)となった。

関連サイト

株式会社テレビ東京ホールディングス公式サイト
平成31年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)