雑誌や書籍の取次を手掛ける日本雑誌販売株式会社が債務整理を弁護士に一任

日本雑誌販売

書店やゲームショップなどに販路を形成し、一時1000店超と取引していた取次会社。取引書店の廃業や出版不況により、業績不振に。

日本雑誌販売株式会社(以下、日本雑誌販売)が6月6日(木)に債務整理を弁護士に一任したことが、株式会社東京商工リサーチのTSR速報で明らかになった。今後、1カ月程度で法的手続きを申請する予定であり、負債は現在調査中だが会社側によると「法的申請時は数億円の負債が見込まれる」とのこと。

日本雑誌販売

日本雑誌販売は、雑誌や書籍の取次会社で、全国の書店やゲームショップ、インターネットカフェなどに販路を形成。取引先はインターネットカフェや成人向け書店が主体であり、一時は1000店超の取次実績を有していた会社だ。

ピーク時の1993年4月期には売上高59億631万円を計上していたが、その後、取引書店の廃業や出版不況による扱い量の減少などから業績不振に陥り、2018年4月期の売上高は約22億3000万円に減少し、赤字を計上していた。

取次大手の株式会社トーハンから、雑誌配送業務の委託などによる業務上の支援を受けていたが、取引書店の廃業などにより、約500店まで取引数が減少し、事業継続が困難となっていた。

会社側は「6月末まで出版元や書店からの相談を受け付け、返本などの処理を進めていく。また、本社不動産の売却など資産整理も進める」と発表。

今後、ネットカフェとの取引は大手取次が引き継ぐが、成人向け書店をはじめとする一部書店は、取次の変更などの対応に迫られる可能性がある。また、日本雑誌販売は、2016年3月に破産した大手出版取次の株式会社太洋社から、一部書店を引き継いでいるが、これらの書店も再度、取次の変更を迫られるとのこと。

関連サイト

株式会社東京商工リサーチ公式サイト
日本雑誌販売株式会社公式サイト

日本雑誌販売