TERRAとは大地のことで、地球そのものを指すこともある。本作の舞台となるのはヒト、トカゲやケモノといった亜人種たちが生活する壮大な大地で、「果てに待つは、光か、無(ゼロ)か――」とオープニングが示すように、入念に作り込まれた世界で重厚な物語が展開していく。
純度100%のファンタジー世界というよりは、機械都市や地底の街、古代文明などが絶妙にミックスされた独特の世界。『ファイナルファンタジーVI』『クロノトリガー』の世界が好きな人は、少し遊んだだけでこの作品の構築する世界をすぐに気に入るだろう。
▲1枚絵のインパクトは最近のスマホゲームのなかでも随一。サントラ、超欲しいッス。
テラバトルの特筆すべき点は、その考え抜かれた戦闘システムにある。戦闘は、横6マス×縦8マスの計48マス内ですべて完結。敵を上下、もしくは左右から“挟む”ことで初めて攻撃のすることができる。これは見方を変えると、強敵を相手にしたときに、パーティの最後のひとりだけになる → 敵を挟めないので攻撃できない → ゲームオーバーということ。ピンチと感じたときは、最後のひとりになるその一歩手前の残りふたりのときに打開策を考えよう。
とにかく敵を挟めばオッケーなので、複数の敵を両端から囲んで一網打尽することもできるし、L字型に敵を囲んで1ターンに2度攻撃するというテクニックもある。これに剣>弓>槍>剣という3すくみの相性と、「隣接したマスに味方がいる」「味方が同じ縦軸 or 横軸にいる」という条件で発動する攻撃の連鎖を活用すれば、通常よりも威力の高いコンボ攻撃へと発展させることが可能だ。
▲3すくみの関係図は、戦闘画面右上に表示されているので間違えることはないだろう。ほかにも炎、氷、稲妻、闇の「属性」パラメータも用意されている。
▲敵に味方が隣接していなくても、矢印のように味方の上を通過すれば、位置をスライドさせることが可能だ。
▲1ターンで敵を挟むのは一見無理に見えるが、味方をスライドさせて見事攻撃することができた。3すくみの相性を考えて、あえて敵から遠いキャラを使うのも基本戦術。
キャラを1マスでも動かすと、4秒の制限時間が発動してしまうが、逆にキャラを動かさなければ敵はいくらでも待ってくれる。敵味方の配置、武器の相性、残り体力。敵が次に攻撃するまでの残りターンや、その攻撃時に出してくるであろう技。それらを俯瞰的に見てじっくりと考え、もっとも有効だと思われるマスへキャラを動かす。それががっちりハマると鳥肌、脳汁、その他のいろんなモノが一気に噴き出し、達成感の虜になれるだろう。
強敵の出現により、ストーリーが行き詰まったら、1日に何度かオープンする「メタルZONE」で経験値をためてレベルアップに励むべし。“メタルスラ○ム”を髣髴させるその名の通り、メタルZONEの敵はすぐに逃げてしまうが倒したときの経験値はおいしい。これまでの経験を生かして、少ないターンで確実に倒していくのが重要だ(そんなに強くないので大丈夫)。コインが乏しくなってきたらメタルZONEのコイン版「ハンティングZONE」を活用しよう。
▲キャラクターデザインは、『ドラッグオンドラグーン』シリーズなどで知られる藤坂公彦氏。次はどんな藤坂絵が出てくるか? というのも本作の楽しみ方のひとつ。
ここで予告されている参戦アーティストは、作曲家・植松伸夫氏、漫画家・鈴木央氏、FFシリーズ・天野喜孝氏といった錚々たるメンバーが名を連ねているだけでなく、攻略本やキャラクターフィギュアの販売などのグッズ展開も充実しており、かなり目を引く内容になっているが、その極めつけがゴールの200万ダウンロードで実現する「コンシューマー版開発開始」だ。スマホゲーム百花繚乱のこの時代、200万ダウンロードというのはそう簡単に実現できるものではないが、ゲームファンならだれもが知る一流のスタッフが、丁寧に作り上げたテラバトルは、あっさりとその偉業を達成してくれそうだ。