C&R社、新作ゲーム『パレットパレード』が苦戦も増収増益 営業利益16億円 2020年2月期第3四半期決算

クリーク・アンド・リバー社

関西地区のクリエイティブ・ニーズにこたえるため大阪支社の面積を増床。イベント事業の強化で知財流通とイベント運営という収益モデルを確立。

株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下、C&R社)は、2020年2月期第3四半期決算を1月9日(木)に発表した。当期累計経営成績に関して、売上高は245億4200万円(前年同期比11.1%増)、営業利益は16億5500万円(同18.9%増)、経常利益は16億6000万円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億2800万円(同26.8%増)だった。

クリーク・アンド・リバー社 クリーク・アンド・リバー社 決算概要 営業利益

経営成績に関する説明

2020年2月期第3四半期のクリエイティブ分野(日本)に関しては、映像・TV・映像技術関連分野において、制作スタジオを中心にTV番組の企画や制作力を強化し、バラエティ、情報、ドキュメンタリー等地上波、BS番組の需要増に対応するとともに、動画配信サービスへの取り組みを積極的に推進している。

2019年7月には「大阪万博2025」などのイベント開催にて、増加が見込まれる関西地区の映像やWeb、ゲーム等のクリエイティブ・ニーズに対応するため、大阪支社のオフィス面積を増床し、企画開発及びクリエイターの育成機能を強化した。

ゲーム分野においては、制作スタジオでの制作受託案件や、連結子会社CREEK & RIVER KOREA Co., Ltd.等、海外と連携した共同開発やIPを活用した自社開発を推進。制作スタジオでは、ゲームの演出効果を高める「VFX」や世界観を左右する「シナリオ」など、ゲーム開発のキーとなるメンバーが多数所属し、コンシューマー、アミューズメント、ソーシャルゲーム分野の受託開発や運営を進めている。

また、制作スタジオを中心に「クリエイティブ・アカデミー」や「TECH STADIUM」といった業界未経験者のための無料育成機関を立ち上げ、人手不足と言われるゲーム業界のニーズに着実に対応している。

連結子会社である株式会社クレイテックワークスは、2019年9月に自社開発のスマホ向け芸術家育成タイムライズゲーム『パレットパレード』を配信したが、売上については苦戦していると発表。さらに、株式会社インタラクティブブレインズの3DCGアバター事業、VR(Virtual Reality:仮想現実)事業、コンテンツ等の開発事業を譲り受け、様々なコンテンツ開発能力の強化をはかっている。

ゲーム事業 赤字

さらに、eスポーツなどのイベント事業も強化しており、2019年5月には株式会社ポケモンと共同で、120社の参加企業を集め『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』とポケモンカードゲームを使った「ポケモン企業対抗戦」を開催した。また、アニメやゲームなどの人気コンテンツとのコラボレーションイベント「アトラクションフェスタ」を首都圏各所で開催し、知財流通とイベント運営という新しい収益モデルを確立した。

eスポーツ

VRへの取り組みについては、連結子会社株式会社VR JapanとIDEALENS社のVRゴーグルを活用した「VR遠隔医療教育通信システム」等のコンテンツ配信、システムの開発及び、企業の教育研修やアミューズメント施設、イベントや展示会等、ビジネス領域においてハードからコンテンツまで一貫したソリューション提供の実績を重ねている。2019年9月にはIDEALENS社のVRゴーグルの新機種「IDEALENS K4」を発売した。

「舞台芸術エージェンシー」では、プロの役者が企業研修における理念浸透を演劇で行なう「企業史演劇」を医療法人に導入した他、2019年10月には「2018年WEBマンガ総選挙」で1位を獲得したマンガ『四十七大戦」の2.5次元舞台を東京と鳥取において主催するなど、舞台芸術家の活躍の場を広げる事業を展開している。

2.5次元舞台

以上の結果、第3四半期連結累計期間の業績は、売上高245億4200万円(前年同期比11.1%増)、営業利益16億5500万円(同18.9%増)、経常利益16億6000万円(同19.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益10億2800万円(同26.8%増)となった。

関連サイト

株式会社クリーク・アンド・リバー社公式サイト
2020年2月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年2月期第3四半期決算説明会資料

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